作品を振り返ると、いろんなことに気づく。作家性が見える。 [My Movies]
本日も作業開始。現在は映像を書き出し中。コンピューターがやってくれるので、その間、作業はできない。そんなときはFacebookで記事を書く。編集については毎日書いているので別の話を書こう。
今回、「明日にかける橋」映像を通して見て感じたこと。相変わらず太田組テイストがありながら、今までとは全然違う作品になっているということ。例えばローリーング・ストーンズの歌も聴けばすぐに「あ、ストーンズだね!」と分かるが、それぞれの曲は同じではない。「サティスファクション」「悲しみのアンジー」「ワンヒット」「ギミーシェルター」とそれぞれに違う世界が違う彩りある。
で、自分の作品を振り返ってみた。「ストロベリーフィールズ」は交通事故で死んだ女子高生が最後の48時間を幽霊になって過ごす物語。ファンタジーだ。「青い青い空」はファンタジー色はなく、書道部の女子高生ががんばる話。「朝日のあたる家」は原発事故に巻き込まれた家族の悲しい物語。「向日葵の丘」は大人の女性の友情と高校時代の映画研究部の物語。
ダブる要素はそれぞれにあるが、ジャンルもカテゴリーも違う。それでいてどれも、笑って泣けて感動できる作品になっている。でも、そこがむずかしいところで、同じ監督が作ると、どーしても似たような話が多くなってくる。おまけにシナリオを監督が書くと、本当に持ちネタがなくなり、焼き直しの作品が増えてくる。やってること毎回同じとか。
それが嫌で毎回、少しだけ変えた話にしている。「ストロベリー」以降にファンタジーは1本もない。得意とするところなのにやってない。今回の「明日」が久しぶりのファンタジー。先が「幽霊ファンタジー」で今回は「タイムスリップもの」カテゴリーは違う。
「青い」は書道部「向日葵」は映画研究部の物語。だが、「青」は青春もの。「向日葵」は大人の友情もの。と、これも違う。全てに共通するのは、主人公が女子高生ということくらいか?「そこにこだわりあるんですか?」とよく聞かれるが、実はあまりない。でいうと、今回も前半の主人公は女子高生。そしてファンタジー。主人公は部活はやっていない。後半戦では初挑戦の犯罪ドラマとなる? 今まで映画内で犯罪を扱ったことはなかったが、もともと刑事ドラマは好きなので、がんばってみた。
その辺の僕の作家姿勢のことを、藤田朋子さんがインタビューで語ってくれている。なかなか興味深い。さすが!という指摘がいくつもあった。12月下旬に完成披露上映会で販売されるパンフレットにその記事が掲載されているので、お楽しみに。
そして5本を通して共通点がいくつかある。それを比較してみると、作家性がまた見えてくる。今回はどんな感じになるのか? 自分でもまだ実感できないが(監督は完成図をイメージしていると思われがちだが実はそうでないことが多い)映画は育てていくものなのだ。完成が楽しみ。作業再開。
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