SSブログ

明日にかける橋ー編集日記 やはり編集は演技と通じるものがある? [「明日」編集]

22552739_1659997677407863_6913920061700015552_n.jpg

昨日は1日。作業ができなかった。先に書いた通りに前の日に会議があり、いっぱいしゃべってしまったからなのだが...。脳がトーキングモードになり、編集モードに戻らない。で、あることに気付いた。俳優との共通点である。

俳優は自分ではない別の人間を演じる。その際にあれこれイメージし、その役の職業を詳しく調べたり、背景を想定したりして、その人に成り切ろうとする。撮影現場の待ち時間。他の俳優とおしゃべりしている人もいるが、皆とは距離を置き、1人であれこれ考える人もいる。

スタッフにいつ呼びに来られても役に成りきれるように、自分に戻ってしまわないようにしているのだ。もちろん、おしゃべりしていても、現場に入るとすぐに切り替わって役を演じられる人もいる。が、演技派と呼ばれる人は切り替えがうまくないことが多いようで、役のままいるために、待ち時間も俳優仲間やスタッフとも話さない。

今回の現場でいうと板尾創路さんがそんなタイプだった。出番待ちのときには冷房の効いた部屋にいられるようにしていたのだが、そこには行かず、真夏の太陽が照りつける外に置かれた折りたたみ椅子で1人シナリオを読み直していた。あるいはカメラからかなり離れた誰もいない場所に行き、一人物思いにふける。声をかけるのも憚れる緊張感があった。

「話しかけてくれるな!」という感じがして、僕も撮影中はほとんど話をしなかった。でも、そんなタイプの俳優さんは何も言わなくても本当に素晴らしい芝居をしてくれる。それを応援するためにはあれこれ話かけず、構わずにいることが大事。それを思い出し、あーー一緒なんだあ...と。

話は逸れるが、板尾さんに関わらず、多くの俳優はもの凄い集中力で演技する。そして役に成り切らねばならない。物語の中で相手役と会話するのは大丈夫だが、待ち時間にファンに「サインしてください!」とか「この間のドラマ見ましたー」とか言われると本人に戻ってしまう。ファンの人は応援のつもりでも、俳優にとっては邪魔されているのと同じなのである。でも、彼らからそれは言えない。人気商売であだし、下手なことを言えばTwitterで悪口を拡散される。

まして撮影のサポートをしてくれている一般の方から話かけられると断りにくい。逆に一般の人は俳優に会うと嬉しくてあれこれ話たり、訊いたりしたくなるのが当然。ただ、それでは仕事の邪魔していると同じ。そこで今回の撮影で実行委員のスタッフは「俳優に話かけない」「聞かれたことは簡素に答える。余計なことは言わない」というルールを作り実践してくれた。これは本当にありがたく、俳優が仕事をしやすい環境作りとなった。なかなか彼らの気持ちというは分かり辛いものなのだが、それを理解。今回はそんな意味でも素晴らしい現場になった。

話は戻る。編集も同じ。僕の友人監督なんかはスタッフと世間話をしながら編集するが、僕はできない。俳優で言えば板尾さんタイプだろう。誰とも話さない。電話も出ない。それどころか1日の作業が終わっても誰にも会わない。物語の世界に入り込み作業する。そんな編集スタイルであること。再確認した。


小.jpg
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。