明日にかける橋ー編集日記 編集作業とはどんなものか? [「明日」編集]
現在続けている編集というのは「粗編集」と呼ばれるもので、物語順に大まかにカットを繋いで行くものである。だから、芝居のダブりがあったり、カットが長かったり、音の調整もされていない状態。これで最後まで作業してから頭に戻り、今度は1秒、1コマの編集をする。それでまた最後まで行ったら、次は音の調整、カットによって台詞は音のタイミングは違う。それを1カットずつ直して行く。
そのあとに明るさの調整、色の調整、合成、修正、画面の嵌め込み、タイトル、クレジット入れ、音楽制作、効果音、MA、等の作業が続く。編集を含めたその種の作業をポストプロダクションと呼ぶ。よく市民の方に言われるのは「撮影が済んだのだから映画は完成ですね!」ということ。実は先に上げたような作業が延々続く、通常は3ヶ月から6ヶ月。今回はそれを12月上旬まで上げねばならないので大変。
じっくりと編集しているだけではダメ。映画は上映のタイミングがある。どうしても撮影のあと年を超してしまうと、全てが過去の思い出になってしまう。「そういえば映画撮ったよねえ?」てなことになってはマズい。湖西市で撮った「朝日のあたる家」は撮影終了後3ヶ月で完成披露上映会。3000人が詰めかけた。やはり時期は大切なのだ。
そんなプレッシャーを感じながら、作業は続いている。昨夜はこれまで編集したところまで、通して見た。1シーン1シーン編集していると気付かないことも、通して見ると気付くことが多い。また、そのシーンの編集はよくても前後の繋がりで見るとおかしいということもある。そしてリズム。スムーズに展開しているか?様々な視点で確認する。
ただ、編集をしていると反省点が次々に上がる。「この場面。もっと長めに撮っておけば良かった......このカットは芝居が始まる前の時間を空けるべきだった」等々。その日のことを思い出すと時間がない日。スケジュールがいっぱいで、移動ー撮影ー移動が続く日であることが多い。気持ちが焦るから余裕をなくしているのだ。
「あーこのカット。別アングルで撮っておけばよかった」というのもある。撮影のときも、もう一息だなあと思ったのだが、いいだろうと、やはり次の撮影に早く映らねばならないのでOKしたたもの。ただ、もし、それら反省するカットを粘って撮っていたら、その日の予定を全て消化できず、大変なことになっていたかもしれない。1日撮影が伸びると100万円の損出というのが映画の世界だ。
本日はこれから、みゆきの家出準備シーンを編集。さて、本日はどこまで進めるか? 11月中旬には編集作業を終わらせて、ポスプロの第2段階に入りたい。
2017-10-14 10:37
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