明日にかける橋ー編集日記(1日目) ついに始動! [「明日」編集]
本格編集作業がスタート。「向日葵の丘」以来3年振りの編集。いつもはどんなふうに作業していたか?思い出せないでいる。でも、タイムラインに素材を物語順に並べて行くと新鮮な気分。シナリオを自身で書き、撮影現場では演出しているのだから、物語については誰よりも詳しいはずなのに、何だか新しいドラマと向かい合うような気持ちになる。
実は毎回そう。その辺が編集は映像を繋ぐという作業ではない所以なのだ。「撮られた映像をどう繋ぐか?」で世界観や意味が変わって来る。自分が「こんなふうに繋ぎたい」と思ってもそうならず、思いもかけない繋ぎ方になったりする。自分の意思でどうこうするのではなく、すでに決められている方向をいかに掘り当てるか?という感じなのだ。
彫刻家もそんなことを言うのを聞いたころがある。自分が石を掘って作品を作るのではなく、石に閉じ込められている作品を自分が掘り当てるのだーという。何だか化石堀りみたいな感じ。地面を掘って行く内に「プロントザウルスかな? ベラキュラプトルかな? いや、アロザウルスだ!」みたいな。それを掘り当てるのが編集だと思える。
シナリオも同じ。この物語をどう進めるか?ではなく「その物語がどうなるか?」を見つめているような気がすることがある。「主人公の友人をここで殺そうか?」とかではなく、それはすでに決まっていることで、それに自身が気付くという感じ。10年ほど前からそんな思いでシナリオや編集をしていたら、先人たちも同じことをいうので驚いたことがある。
だから今回の編集も同じ。物語を知っているにも関わらず「どうなるのだろう?」と思えて来る。結末を知っているのに、ドキドキする。説明はむずかしいが、やはり編集というのは作業ではなく、物語の世界に入って行くということなのだろう。けど、ときどき現実に戻って来ます。
2017-10-07 09:00
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