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「明日にかける橋」の物語を思いついたのは11年前のサウナ?① [思い出]


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映画のシナリオ。多くは原作ものである。だが、僕の場合はこれまでの5本全てオリジナル脚本。つまり、原作がなく、僕自身が物語を考えて書いている。なのでよく「監督はどんな風にして物語を作るんですか?」と聞かれる。今回の「明日にかける橋」はどうだったかな?と思い出してみた。

なんと11年前。僕のデビュー作「ストロベリーフィールズ」の名古屋公開のため前日から名古屋入り、翌日は舞台挨拶という夜。交通費&宿泊費は自腹だったので、駅近くのサウナに泊まった。客は皆、疲れた中年男性ばかり。店内には食堂もあり生ビールを飲めるのに、ロビーの自動販売機で安い缶ビールを買って飲む人の方が多い。

この手の店に泊まる客は中小の会社員が多い。出張費が少なく、ホテルに泊まれない。サウナに泊まるが生ビールを飲むのも節約。疲れ果てて缶ビールを握ったまま眠っている人もいる。その光景を呑気に僕は見つめていた。皆、40代以上。妻も子供もいる人たちだ。当時から不況の風は日本中に吹き捲くっていて、皆、疲れ果てるまで家族のために働いているのだ。

しかし、そんなお父さんたちの苦労も知らず、子供たちは毛嫌いし、若い娘は「お父さんの服と一緒に洗濯機に入れないで!」という話や「亭主は粗大ゴミ」という話も当時よくされた。そんな話を思い出し、あー父親って何だろう? そんなお父さんたちを元気つける映画を作れないか?と考えた。思いついたのが40代男性がタイムスリップ。昭和の時代に戻ってしまうという話だった。

これはいい!いつか映画化したいと考えた。が、結局、2作目は書道を題材とした青春映画「青い青い空」となる。その後、311があり原発事故が起こり、そこから「朝日のあたる家」を撮ることになり、なかなかチャンスがなかった....。(つづく)



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