【「明日にかける橋 1989年」キャスティング中!ー俳優は人気や知名度だけで選んではいけない】 [4月ー2017]
前回も書いたがすでにキャスティングもスタートしている。が、一度に大勢の俳優に依頼をする訳ではない。まずは主人公。そしてその父、母。さらに友人。恋人と。主人公を演じる俳優に合わせて「この人の父なら俳優の**さんかな?」「恋人なら***君がいいな」という風に考えて行く。
そして両親がAさんとBさんが候補に決まっても、父親役のAさんに断られると、母親役にBさんには依頼をしない。新たに決まった父親役に合う母親を選ばなければならない。夫婦というのは相性や釣り合いがあるからだ、有名な俳優を並べるだけではダメなのだ。
そんなふうに1人ずつ。順番に決めて行く。予定している人がダメなら他も全部選び直しになることも多い。ここまでは前回も書いたが、他にも難しいことがある。主人公にピッタリな俳優がいたとする。演技派。知名度もあり、人気者。いうことなし! だが、その人が所属する事務所にも注目せねばならない。あれこれうるさいところだと大変なのだ。
例えば人気女優のAさんを主人公に決める。人気があるのでギャラも高い。その上事務所がうるさいことで有名。「ホテルは三ツ星以上のランクで、スイートルームにしてください」と言って来る。もし、ロケ先にそんなランクのホテルはなく、駅3つ向こうの市の高級ホテルしかなかったら?
その市まで俳優を送り迎えするスタッフと車が必要になる。地元なら制作部が迎えに行くが、車で片道1時間だと専属ドライバーがいる。その人のギャラ。レンタカー代が新たに必要。そしてスイートルームが1泊5万円なら。20日泊まれば100万円!
さらに、事務所からは「A子がいつも使っている専属のメイクを使ってほしい」と指定が来がち。ギャラは50万。全てを足すとその人気女優A子に出てもらうだけで、経費が200万くらいになる。それプラスギャラ数百万。製作費がもの凄く圧迫される。低予算の映画にはかなり高いハードルだ。
おまけに事務所はあれこれ撮影中、撮影後も言って来る。その女優がいくら演技派で役に相応しくても、それだけの費用と面倒を考えると依頼はできない。主人公に相応しく、事務所が映画作りに理解のあるところの俳優を探さねばならない。
こんなふうに人気俳優であっても、役にピッタリでもダメなことがある。また、以上の点がクリアーされて、理解ある事務所だとしても、本人がわがままで有名とか、トラブルをよく起こす俳優も困る。映画完成後に事件を起こしたりすると、映画自体を公開できなくなる。だから業界での噂も注意しておかないといけない。本当にキャスティングというのはむずかしい。
そんな点を考えつつ、がんばってくれる俳優を探し。1人ずつ順番に声をかけている。さて、どんな人たちが出演するのか? お楽しみに!
2017-04-30 10:28
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