俳優業ーもの凄い責任と期待に、応えなければならない仕事① 十分な時間をかけて挑めない? [映画業界物語]
俳優業ーもの凄い責任と期待に、応えなければならない仕事①
十分な時間をかけて挑めない?
俳優というとかっこ良くて、或いは美形の人たちがお芝居をする仕事。多額のギャラをもらい、皆にチヤホヤされる存在と羨む人が多いだろう。でも、現実は違う。恵まれているのは本当に一握りの人たちであり、ほんとんどはアルバイトをしながら俳優業を続けている。
オーディションで合格すると、或いは出演依頼が来るとアルバイトを休み。撮影に参加する。1週間の撮影であっても時間をかけて役作りをせねばならない。
台詞を完璧に覚えるのは当然。
その役はどんな性格の人で、どんな経験をして、なぜ、そんな行動を取るのか? その背景や心理を徹底して考える。シナリオには書かれていない部分まで想像しないと、役を演じることはできない。
これが舞台なら何ヶ月も練習があり、その間に演出家から指導を受けて役作りができる(とは言え、舞台も映画も俳優の責任がとてつもなく重いのは同じだ)。
が、映画の場合は監督と会えるのが衣装合わせのみということが多い。そこで衣装を決めながら、短い時間、役について話をする。質問をする。説明を受ける。それだけで次は撮影なのだ。
もし、俳優が役の解釈を間違ったまま撮影に臨んだ場合。監督にこう言われる。
「違う!」
その段で役柄を直すのは至難の技。まず不可能だ。だからこそ、真剣に役作りをし、撮影に臨む。そこで勘違いな役を演じたら、
「あいつはシナリオが読めてないな。何であんな演技になるんだよ!」
そして二度と、依頼は来ない....。(続く)
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