「明日にかける橋」ー解説をあるライターさんに書いてもらいました! [再掲載]
「明日にかける橋」ー解説をあるライターさんに書いてもらいました!
「向日葵の丘」「青い青い空」と毎回、涙と感動の映画を作り続ける太田隆文監督の新作。舞台は静岡県の袋井市、磐田市、森町。茶畑や田園風景の美しい町。ストーリーは「バック・トウ・ザ・フューチャー」の日本版とも言えるタイム・スリップもの。過去に家族を助けに行く話だが、むしろ太田監督の師・大林宣彦監督の「時をかける少女」の1989年版と言ってもいい。
今回は市民が企画した市民映画。企業や映画会社が出資するタイプの作品ではない。「町の魅力を全国発信。子供たちに大切なことを伝えること」を目的に主婦の皆さんが企画。寄付を集めて作られた映画。それに賛同した太田隆文監督が単なる町のPR映画に終わらない、これまでと同じ感動物語を執筆。メガホンを取り、商業映画に負けない作品に仕上げている。
主人公に「花とアリス」の鈴木杏を迎え、父が板尾創路。母が田中美里。さらに「渡る世間は鬼ばかり」の藤田朋子。「3年B組金八先生」の草刈麻有。「パッチギ ラブ&ピース」の山下慶(井坂俊哉)「ゴジラ」シリーズ、近年では「ミンボーの女」の宝田明らが出演。市民映画を超える豪華キャストとなっている。
物語は不況が続く現代から、バブル最盛期であった1989年にタイムスリップ。つまり昭和64年=平成元年である。スマホも、パソコンもない時代に戻って、家族を救うために主人公が奮闘する。プリンセス・プリンセスの「ダイヤモンド」やウインクの「愛は止まらない」が大ヒット。映画では「インディジョーンズ 最後の聖戦」「ブラックレイン」が人気。手塚治虫や美空ひばり、松田優作が亡くなった年でもある。
そんな時代で主人公のみゆき(鈴木杏)は若き日の父(板尾創路)母(田中美里)と対面。さらには当時15歳だった自分自身とも対峙する。笑って、ハラハラして、泣ける物語だ。さらにバブルと不況の時代を見つめることで「親たちが今、子供たちに何を伝えるべきなのか?」という太田監督が全ての作品を通じて語りかけてくるテーマが強く存在。後半戦は今回も、涙と感動の連続となり、観客を唸らせることになるはずだ。
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