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明日にかける橋ー編集日記 なぜ、監督が編集するのか? [「明日」編集]

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「そんなに大変なら編集スタッフを雇えばいいじゃないですか?」

と言われたこともある。監督は編集以外にもやるべき仕事がたくさんある。そしてまだ撮影時の決算、総括、まとめの書類等も作らなくては。パンフレットの制作も進めねばならないし、先日のように講演、スタッフ会議もある。

「経費節減のために監督が編集するの?」

それもある。外部に頼むとまたそこで人件費が派生する。だから、7人分の仕事をしているのはあるが、編集に関してはそれだけではない。

例えば、編集スタッフを雇い、シナリオと素材を渡して「よろしくね」というのが通常の映画。途中で出来たところまで見て監督が「あーここは短く。あ、ここはもっとテンポよく」とか言って進めるのがほとんどの映画。

だが、それでは太田組作品らしい映画にはならない。一度、仮編集をスタジオがやってくれたことがある。こちらは最終的な直しだけすればいい。楽チン!と思ったが、仮編したものを見て驚いた。確かにシナリオ通りに繋いではいるが、退屈でしかないドラマになっていた。なぜ、こんなふうになるのか?で、イチから全部僕がやり直すと、それなりのものが出来た。ある映画関係の人がこんなことを言ってくれた。

「太田監督の映画は間が素晴らしい。センスなんだろうなあ。主人公が台詞を話しだすのに1秒早くても、1秒遅くてもダメ。その微妙なタイミングでいつも泣かされるだよね〜」

嬉しいコメントだが、僕自身に自覚がない。どんな手法でそれをしているのか? 自分でも完全には分かってなかった。えだが、今も仮編集すら頼むことはせず、自分の作品は全て自分で編集する。2ヶ月、3ヶ月編集室に籠もり、精神状態が少々おかしくなっても自分でやる。何が違うのか? それを明確に把握するために、今回は編集日記を詳しくつけている。

多分、シナリオ通り普通に繋ぐと以前と同じように「えーーー?」というものになってしまう。では、何が違うのか? どこがシナリオと違うのか? たぶん、僕にとって編集作業というのは映像をシナリオ通りに繋ぐ仕事ではない。素材は料理でいうと大根や人参。それらをどう料理するか?に近いのだろう。

あーでもない。こーでもない。と毎回、素材と格闘すると、感動作になるのだが、その秘密を自分で探りながら、今回は作業している。詳しくはいずれ。


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