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映画で出てくる雑誌ーこれがめっちゃ大変なんだ! [映画業界物語]

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「明日にかける橋」は1989年が舞台。当時の物を出す事で時代感を出したい。そんな中で面倒なのが書籍。このことは意外に知られていないので紹介する。今回の登場人物にアイドル好きのキャラがいる。AKBよりおニャン子クラブが好き。80年代のアイドルがいい!という男の子。

タイムスリップして89年に行けば当時のグッズを手に入れたくて本屋に行くだろう。となると、劇中で本屋を登場させ、その種の雑誌を用意せねばならない。が、それが超大変。雑誌にも著作権があるのだ。今回、男性向け週刊誌を劇中で使う。そのために必要なのは?

まず、神保町の古本屋街に行き、当時のその雑誌を探す。1989年の7月のものでなくてはいけない。それを買って来てからその雑紙の出版社の編集部に連絡。許可を得る。撮影前に連絡したのだが、担当者が忙しくて捕まらない。しばらくしてから連絡。今度はお盆休みでいないといわれる。

撮影が終わってからようやく捕まり、申請。1ヶ月経っても返事がない。連絡すると、書類をなくしたとので、もう一度申請してほしいと言われる。それから数週間。先方からの連絡はなく、こちらから何度も連絡。ようやくOK。でも、これで終わりではなく、担当者曰く

「雑誌の表紙に映っているアイドルと写真を撮ったカメラマンの許可も撮ってください」

そこで両者が誰なのか?確認して連絡。カメラマンは「金を払え」という。何度か交渉してようやく無償で許可を得る。次にアイドル。事務所に連絡。これまた数週間。ようやく許可が出た。出版社に連絡してから2ヶ月が経過している。本当に面倒。もし、今回の経緯で誰かが承認しなかったとしたら、例えばアイドルの事務所が反対したらアウト。

その場合はまた神保町に行き当時のアイドル雑誌を探すところからスタート。全ての許可を取り、その雑誌を用意して、カメラマンと照明部に来てもらい、機材をレンタル。その雑誌を撮り直さなければならない。そのためにまたいくら必要か? そんなふうに大変なので、今回は雑誌を1冊しか使っていないが、これが10冊とかになると、先の手続きを10回繰り返す必要がある。

もう、撮影準備をしている余裕はなくなる。しかし、レコードジャケットとか、小説、雑誌、映画ポスター等、全て著作権があり許可を取らねばならない。ものによっては高額な使用料を取られる。映画の1シーンに雑誌が登場するだけでも、本当に面倒なのだ。


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