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【僕の映画は古里映画と呼ばれる。最初は町興しが目的だったが、次第に古里再発見がテーマになる】 [地方映画の力!]

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【僕の映画は古里映画と呼ばれる。最初は町興しが目的だったが、次第に古里再発見がテーマになる】

僕の師匠でもある大林宣彦監督が80年代に撮った映画「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」これらの映画を見た多くの若者がロケ地である尾道市を訪れたことで、観光客が増え、尾道が一躍注目された。それ以降、映画による町興しというのが注目。90年代に入ってからは多くの自治体がフィルムコミッションを設置。映画ロケの誘致を行なって来た。

長野県ではそれに成功。効果20億円とも言われる。つまり、映画の舞台になったことで町が宣伝され、多くの観光客が来た。宿泊。食事。土産等にお金を落とし、町の財政が大いに潤ったのである。もちろん、尾道も長野も複数の映画がロケされており、映画1本で、多くの観光客が大挙して押し掛けたものではないが、一本の映画でも数億円の対費用効果がある。

例えば、観光でわが町に来てもらおうとキャンペーンをするとする。テレビCMーこれは億単位の費用が必要。駅のポスター。新聞広告ーこれらも1000万単位。巨額な宣伝費をかけずに町を宣伝するのは至難の業だ。それが映画のロケ地になれば、映画を通じて全国にわが町が紹介される。

映画を扱う雑誌&ネット記事にも「**市で撮影された映画」と掲載。テレビ・新聞の映画評でも扱われる。それらは先方のメディアが無料で発信してくれる。さらにはテレビ、衛生、ケーブルで放映。何百万人が観ることになる。

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つまり、映画のロケが来ればそれだけで町の大宣伝になり、数千万円の広告となる。通常、新商品の名前を覚えてもらうだけでも、企業は何億円もの費用をかける。***市、***町という名前を知ってもらうのも同じだ。そんなことだけでも億単位の宣伝費が必要なのに、映画のロケがあれば1円もかからずに宣伝できてしまうのだ。

そんな訳で日本各地にフィルムコミッションが創設され、撮影誘致が行なわれている。エキストラを無料で集めます。ロケ地探しをお手伝いします。だが、それはもうどこでもやっている。おまけに観光地でない町ではなかなか撮影はされない。京都、奈良。東京大阪が舞台なら観客は興味を持つが、名もなき、歴史的な事件もなかった町。由緒正しい有名なお寺もない町で撮影しても客が来ないからだ。

「だったら、町で映画を作ってしまおう!」というところが増えている。地元企業や市民から寄付を集めて映画を製作。それで町をアピールする。が、別の問題が多発する。その手の多くの映画、「わが町は素晴らしい。名産品はうまいぞ!」という自画自賛の物語になり、映画というよりPR映画になっていることが多い。町の魅力を前面に出して描いてしまう。それを繋げるためにストーリーがあるだけ。これでは県外の人が見たいとは思わない。映画館でお金を払って見てもらうのはむずかしい。

結果、地元で上映して終わり。全国で公開されることはない。これでは宣伝にならない。問題点はここだ。大林宣彦監督の尾道映画がなぜヒットしたか?それは尾道の観光映画ではなく、感動の青春映画だったからだ。それを見た観客が感動。その上でロケ地に行ってみたいと思ったからだ。そこを勘違い。映画で町のPR。感動も笑いもない物語を作っても観客は見ない。それ以前に映画館が上映しない。

その辺を間違わないように、僕は毎回、物語ありき。涙と感動ありきで映画を作る。その背景に町がある。そこで初めて「あの町。綺麗だったね。どこだろう?」ということになるのだ。それによって町に興味を持ってもらう。名前を覚えてもらう。町の魅力を知ってもらうことを目指している。


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さらに、もうひとつ。町のアピールより大事なことがある。それは古里再発見だ。多くの人は自分の古里を詰まらない町。何もない町と思っている。でも、出来た映画を観れば、思った以上に美しく、素敵な町だと気付く。

長年住んでいると分からなくなる。子供たちも多くが古里が嫌い。都会に行きたいと思う。でも、その古里がどんなに素晴らしいものか?気付く機会がないだけ。それを伝えるのも古里映画なのだ。また、映画の撮影があることで町が活気づく。有名な俳優さんが来ることで盛り上がる。祭りと同じ。大人の文化祭なのだ。そのことで自分たちの町の知らなかったことを知る。会うことのなかった人と仲良くなる。

それは次なるステップの絆となり、町の未来を作る基盤ともなる。そして映画は記録ーその風景を100年先まで残してくれる。出演した市民の姿も永遠に残る。「あー亀田さんが出ている! 若いなあ〜」「死んだおじいちゃんだぁー」と地元ならでは楽しみを10年後20年後にも味わえる。

それが僕が作る古里映画。映画会社や東京の大手企業は参加しないけど、市民と町の企業から寄付を集める、市民が作る市民映画。今回は静岡県の袋井市、磐田市、森町を中心に撮影させてもらう。ぜひ、応援、支援を頂きたい!




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