2019年のベスト8ー今年は名作がたくさんあった! [映画感想]
2019年のベスト8ー今年は名作がたくさんあった!
これらの内、「天気の子」「ジョーカー」「ターミネター」「エンドゲーム」は劇場で2回見ている。他も、もう一度見たかったが、終わってしまった。この20年ほどで2回見ようと思った映画はほとんどない。そのくらいに今年は凄かった。
特に「エンドゲーム」は「スターウォーズ」時代の終わりを予感させ、「スカイウォーカーの夜明け」を見たときにそれを痛感した。涙がボロボロこぼれた作品ばかり(主戦場とハリウッドは違うが)心にグッと来たものが多い。
これらの作品のほとんどに共通するのは「家族」「仲間」という絆の物語であること。それが現代のキーワードであり、観客の心に突き刺さるのだと思える。
「男はつらいよ お帰り寅さん」をやっと見た。 [映画感想]
「男はつらいよ おかえり寅さん」をやっと見た。
この映画を見たら2019年も終わりと思っていた。今年のトリ。いや、トラだが、「男はつらいよ おかえり寅さん」をやっと見た。お!と思ったこと。シリーズ終盤になった頃。主人公はもう寅さんではなく光男君であり、泉ちゃん(後藤久美子)とのラブストーリーとなっていた。「男はつらいよ」ではない別の物語に寅さんがゲスト出演という感じ。
渥美清さんが体調を壊し、ハードな撮影に耐えられなくなったということもあるが、尾崎豊を思わす?光男君の青春物語は、それなりに楽しく見ていた。今回は完全にその続きであり、後日談であり、主人公は完全に光男君! その青春物語の完結編ともいうべきエピソード。
ネタバレにはならないと思うので書くと、寅さんは登場しない。回想で現れるだけ。でも、それは正解であり、桜さんも、ヒロシさんも既に老人になっているのに、若い寅さんが現れる(過去の映像を合成して)のも変だし、リアルに年取った寅さんをCGで描くのも違うだろう。
でも、単なる回想ドラマになっておらず、光男君ら、くるま屋の家族のその後が描かれており、家族とは何かを問う物語になっている。まるで木下恵介監督の映画を見るようだ。あちこちの場面で心に刺さるセリフがある。光男がいう
「寅さん。何で人は生きていくの?」
回想場面を見ている内に、そうか....「男はつらいよ」というのは喜劇ではなく、人生や家族を考える物語だったことに気づく。
ただ、最後になると、山田洋次監督の「渥美清さん。ありがとう」という思いが全開になり、本来のテーマから逸れるている気がするが、ある意味で、このシリーズの完結編を撮るのに、20年の歳月が必要だったことも感じる。泉ちゃん。リリーさん。朱美(美保純)、源ちゃんらが出てくるだけでも懐かしい。
このシリーズで探したものは何だったか?を山田監督がもう一度確認し、寅さんに感謝を伝えるために、この完結編を作ったように感じる。