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2年ぶりのワークショップが迫る。思いを伝えるのが下手な俳優たち。「やる気ないです」というのと同じだ。 [映画業界物語]

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2年ぶりのワークショップが迫る。

思いを伝えるのが下手な俳優たち。「やる気ないです」というのと同じだ。

いよいよ来週の土曜に、2年ぶりのワークショップを開く。ただ、1ヶ月前から募集しているのに今回は参加者が少ない。前回の半分ほど。11月は舞台や発表会が多くて、それどころではないのか? 2年前の参加者で今回来てくれるのは1人だけ。


前回のワークショップの後

「明日にかける橋」を監督し、その時に参加者から3人を起用。その時に役はなかったが、いつか出てほしいという俳優たちが何人もいた。今、考え中の次回作では、彼ら彼女らにやってほしい役がいくつもある。再会を楽しみにしていたのに、ほぼ全員が今回は参加しない。前回で諦めたのか?この監督ではダメだと思ったのか?本当に残念だ。

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太田組は俳優に合わせてシナリオを書く

できる俳優と出会えば、シナリオができていても役を直したり。俳優の力を100%引き出すのが僕の演出。だが、その辺が伝わっていないのか? 期待する俳優たちのほとんどが不参加。もちろん。今回初参加のメンバーに彼らを超える逸材がいるかもしれず、それは期待している。

ただ、前回参加者でもわざわざ「今回は舞台があり、参加できず。残念です」とメールをくれた俳優も1〜2人いる。実力も大事だがやる気も重要。何の連絡もなければ「やる気なし」と解釈せざるを得ないが、その種の連絡があれば、第2回があればまた!と思う。往々にして俳優たちは気持ちを伝えるのが下手だ。お世辞を言ったり、お歳暮を贈る必要はない。が、思いを伝えること大事。

Facebookに「いいね」押すだけでも、

その俳優を思い出す。ただ「いいね」だけでは誰でもできる。待っていてはいけない。本当に自分が出たい映画の監督やPには思いを伝えるべきだ。僕のワークショップに参加する必要はないが、「思い」を伝えないのはやる気がないと思われる。与えることをこなす教育を受けて来たので、自分から伝えることができない。

俳優だけではない。どんな仕事でも同じだ。なのに若い人たちはその辺が苦手。いや、気づいてさえいない。とても大事なことなのだが...。



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日本の企業映画はいかにして作られ? なぜ、詰まらない作品が多いか?(下)  [映画業界物語]

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日本の企業映画はいかにして作られ? なぜ、詰まらない作品が多いか?(下) 

「俺は命をかけて、この作品をヒットさせる!」

ほとんどの社員プロデュサーはそんな風には考えない。成功させるより、失敗したときのことを先に考えて、まず逃げ道を作る。「ベストセラー原作で駄目なら仕方ない」「自分には責任がない」と弁解できるようにしているだけだ。同じことは他にも言える。

「人気タレントが主演だから」

「有名アーティストが主題歌を唄うから」

「テレビシリーズの映画化だから」

みんな、ヒットするからというより、万が一ヒットしなくて責任を追求されないための提案なのである。真剣に映画を売って会社に大損失を与えたら、窓際に飛ばされる。そうならないようにPたちは「人気ブランド」にすがる。これが多くの日本映画が作られる経緯だ。

作品内容そのものより。ベストセラー原作、人気タレント、有名アーティストの主題歌を重用視。それぞれが相反するものでもおかまいなし。そうして決まった企画をテレビ局、レコード会社、コンビニ、メーカーと、いろんな企業から出資を募り、映画化。撮影に入る。

「この作品を作りたい!」

「このテーマを伝えたい」

という思いはほとんどない。だが、それはビジネスなのでいいとしよう。それならがんばって儲けてもらいたいのだが、単に人気のカードを揃え、多くの金を集めて、大宣伝して上映しようというだけの発想。料理だって高級食材ばかり集めたからと、おいしい料理が作れる訳ではない。映画も同じだ。

ただ、次第に観客もそれに気づき始めている。テレビで大宣伝しても、ヒットには繋がらなくなってきた。食品でも、車でも、テレビでも、何でも同じ。作り手に都合のいいものを作り、冒険も、チャレンジもしない。

リスクも負わないでいるようでは、いい物はできず、消費者は満足しない。映画も同じだ。なのに映画会社やテレビ局は、相も変わらず、「人気カード」集めに右往左往しているのが現状である。

[2014年の記事から]

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日本の企業映画はいかにして作られ? なぜ、詰まらない作品が多いか?(中) [映画業界物語]

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日本の企業映画はいかにして作られ? なぜ、詰まらない作品が多いか?(中)

どんな面白いシナリオがあっても、オリジナル脚本だとダメ。原作ものでないとまず映画化はされない。

もし、無名の新人ライターが書いたシナリオがもの凄く面白くて、映画化すればヒットしそうだとしても、映画会社は決して採用しない。作品自体の知名度がないからだ。例えば若いPが

「これ面白いですよ!映画化しましょう」

と提案しても、こういわれるだろう。

「その映画がヒットする保証はあるの? 原作が500万部売れていれば、10%の50万人が映画館に来るという計算ができるが、原作がなければ、そんな計算もできない。何よりお前がそのシナリオを面白いと思うだけで、一般の人は興味を持たないかもしれないだろう?」

もし、その若いPが何らかの手段で映画化しても、ヒットしないと

「お前が面白い、絶対にヒットするといっただろう?」

と上司から責任を追求される。だから、そんな提案をするPはいなくなるのだ。さらに、ベストセラー原作を提案して、ヒットしなかった場合は

「500万部売れたマンガを原作にして駄目なら仕方ないですよ」

という言い訳ができる。だから、若手Pも次第にオリジナル・シナリオを提案することはなくなる。この構図の基本的な問題点は、映画化の決定権を持つ重役たちがベストセラー原作の知名度にこだわるということだけでなく、シナリオを「読む力」がないということ。

そして「これは当たる!」という商売的な勘がないということ。だから、売れた原作ものに頼る。 いずれにしてもシナリオを「読む」力も、時代を「読む」力もないということなのだ。

(つづく)


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日本の企業映画はいかにして作られ? なぜ、詰まらない作品が多いか?(上)  [映画業界物語]

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日本の企業映画はいかにして作られ? なぜ、詰まらない作品が多いか?(上) 

映画館で毎日上映されている映画。有名俳優が出ていて、それなりに製作費がかかっている。

基本的には映画会社が企画、最近では、テレビ局。ビデオメーカーが企画した作品の方が多い。或いは、製作会社が企画したもの。いずれにしてもプロデュサーという肩書きを持つ社員が企画会議でプレゼンをする。

「ベストセラーの****を原作にした映画を、人気のタレント*****を主演で映画にしたいと考えます」

最近はマンガ原作が多いが、まず、その版権を押さえる。「少年ジャンプ」では新連載が始まったとたんに各社から映画化、ドラマ化依頼が来るので、「***というマンガが人気!」といわれてからではすでに手遅れ。

というのは、映画にするにはベストセラーということが不可欠なのだ。せめて人気作家の作品であること。最低でも書籍になっていなければ、企画会議では絶対に通らない。

つまり、知名度のない作品を映画化すると、タイトルからまず伝えて行かねばならない。そのためには膨大な広告料が必要。だが、ベストセラー原作だと「ああ、あれね! 映画になるんだ」と思ってもらえる。

映画会社にとって大事なのは「内容が面白いかどうか?」よりも「作品や作家に知名度があるか?」が重要なのだ。幸い、ベストセラーであれば、面白いからこそ売れた訳で、そこもクリアーできる。でも、逆にいえば、どんな面白いシナリオがあっても、原作ものでないと映画化はまずされない。そこを解説しよう。

(つづく)


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