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「僕には夢がある」といいながら何もしない若者たち?④終 [映画業界物語]

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「僕には夢がある」といいながら何もしない若者たち?④終

人は誰でも、人気者になりたいとか、尊敬されたいという思いがある。自己確認の欲求だ。特に若い内はそんな気持ちが強い。特に現代のように画一化された人間を作る教育と社会の中では、自分自身を感じる、確認することが難しい。アイデンティティを見つけることがなかなかできない。

それゆえに自分らしさを探そうとする。周りに認められたい。それによって自分は存在していいい。生きていてもいい。必要とされる人間だと確認し、満足したいのだ。

そんな思いを満たすために「夢がある.....」と言い出し「俺は夢を追いかける」と考える。ただ、演劇でも、映画でも、小説でも、音楽でも表現というのは、魂を削る作業だ。チヤホヤされること、他人の注目を集めることが目的でできるものではない。

夢を語ったことで、まわりに一目置かれ。それでいい気分になって、日常を過ごすだけでいられたら。その段階でアウト。

「金が溜まったら...」「時間ができたら...」

という人もアウト。20歳のころ。僕のまわりにいたそんな友人たちは、やがていなくなった。皆、血を流して戦わなくても、周りに注目される程度で満足してしまうレベルなのだ。俳優になり、作家にならなくても大丈夫なのだ。若い友人に訊くと、今でも同じような人たちがいるそうだ。

「漫画家目指している知人がいるんだけど、それなら、**大賞とかに応募すればいいのに何もしない!」

という若い人がいる。その段階で、彼は真剣に漫画家になろうとはしていないと思う。「漫画家になる」と語ることで「オレは特別なんだ」と満足したいだけだ。

「オレには夢があるんだ」

という言葉。本当に怖い。いつの時代も努力せずに、まわりの尊敬を集める魔法の言葉。楽してアイデンティティを確認し満足することができる。繰り返すがそれで満足できるなら表現者になる必要はない。

若い人に伝えたい。自分が本当にやりたいことは何なのか? できることは何なのか?を考えること。まわりにどう思われたいか?は重要ではない。芸能界や音楽界の派手な見せかけに惑わされてはいけない。夢を追いかけるのはファッションではない。自分が本当に全力でかかれる。やらずにはいられないことこそが「夢」となり「目標」となるのだ。語るだけで満足するのは「夢」ではない。(了)



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「僕には夢がある」といいながら何もしない若者たち?③  [映画業界物語]

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「僕には夢がある」といいながら何もしない若者たち?③ 

(5年前の記事から)

簡単に夢は掴めない。彼等なりに悩む。ただ「どうすればいいか?」と具体的に考えるのではなくただただ悩む。その間に歳月が流れ、やがて周りの人たちに夢を語ることがなくなる。ずるい奴はこういう。

「今、作品を準備している」「大手プロダクションに紹介してくれる人がいる」

ウソをついてでも、まわりに認め続けてもらおうとする。が、それも限界がある。やがて、大学を卒業。或いはバイト先を変えて、夢を語る自分を知らない人たちと付き合い始める。卒業して古里に帰る。就職をする。こうして彼等の夢は終わる。そんな友人たちを数多く見て来た。そのほとんどが努力して夢破れるのではなく、何も努力しないでいて、最後はこういって諦めるのだ。

「現実は厳しい...」

最初に夢を語ったとき。まわりから一目置かれることで満足するようでは、そもそも駄目。それは将来の第一希望を語っただけなのだ。

もちろん、まわりからバカにされる人もいるだろう。でも「オレは違う。今に見ていろ」と夢を追いかけている自分は違うんだと思い込み、自尊心を満足させる。が、

「夏休みになったら、時間があるから小説を書こう」

「金が少し溜まったら、芸能プロへ売り込みをしよう」

とか、自分に言い聞かせて、何もせず日々を送る。結局、この手の人たちは「俳優になりたい!」とか「小説家になりたい!」とかではなく

「オレは特別なんだ!」「注目されたい!」

という思いを満たしたいだけ。映画が好き、小説が好き、音楽が好き。ということがきっかけで、その世界に入れば、注目される、チヤホヤされるという願望を持っているだけなのだ。ただ、それは特別なことではない。説明しよう。(つづく)


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「僕には夢がある」といいながら何もしない若者たち?② [映画業界物語]

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「僕には夢がある」といいながら何もしない若者たち?② 

(5年前の記事から)

20歳前後は「オレはその辺の奴とは違う」「僕は特別だ」と思いたくて仕方ない年ごろ。「何か自分にはできるはずだ!」という根拠のない自身があったりする。

「夢」を語り、まわりが認めてくれることで、そんな自尊心を満たされる。そこで多くは満足。何もしなくなる。演劇学校や映画学校に通うくらいだ。

それでいて、恋人がほしい。旅行にも行きたい。ビデオデッキがほしいとバイトをする。専門学校とバイトだけで日々がどんどん過ぎて行く。

最初は「俳優になるのが夢だ」と語るだけで、まわりはチヤホヤしてくれるが、やがて展開を求められる。「舞台に出る」とか「映画に出演する」とか、端役でもエキストラでも、展開がないとまわりは冷めて行く。

作家を目指すなら、いきなり小説が出版されなくても、文芸賞に応募したとか、予選に受かったとか、映画監督を目指すなら自主映画を撮るとか、プロの現場の手伝いをするとか、何か夢への1歩前進を皆に期待される。でないと「結局、あいつは口だけだったんだな」とバカにされる。

なので「今、小説を書こうと準備しているんだ」とか「芸能プロダクションに応募する」とか、努力しているようなことをいう。が、相変わらず大学や専門学校、バイトの日々。彼等はどう思っているのか? 

最初は真剣に夢を追いかけていたが、具体的にどうしたらいいか?分からない。昔の漫画のように、ある日、街角でぶつかった人が有名なプロデュサーで「君、映画に出てみないか?」と言われることなんてない。有名女優の相手役の一般オーディションに応募してもまず通らない。そうすればいいのか? 

(つづく)



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