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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされされること⑥=己の実力を思い知ることが大事 [映画業界物語]

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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされされること⑥=己の実力を思い知ることが大事

僕自身。こんな経験がある。10代には日本映画の巨匠をバカにしていた。が、8ミリフィルムで学生映画を撮ってみて、どんなクソみたいな映画より、自分の作品がダメなこと。映画にすらなってないことを痛感した。そこから、こう考えるようになった。

「では、どうすればプロのような画面が撮れる?」

後輩にも大口を叩く奴が何人もいた。シャアが聞いたら、あの名セリフを連発するだろう。(ガンダムを知らない人。毎度、すみません)そんな後輩が何人かいた。

「今、シナリオを書いています。できたら太田さんにも見せてあげますよ!」

30年以上前の話だが、未だに彼はシナリオを見せてくれない。書きあがったという話も聞かない。こんなのもいた。

「俺が作る映画の制作費は10億くらいが妥当だなあ〜」

でも、彼は結局、映画監督デビューさえしていない。若い頃、インプット作業ばかりしてアウトプットの訓練をしていないので勘違いが加速している。

「俺は凄いんだよ。プロの世界で十分通用する…」

気持ちばかり膨れていく。でも、一度、失敗すれば現実を知る。プライド打ち砕かれ、ズタズタにされて己を実力を知る。俳優業だけでなく、表現の仕事は全て、そこからがスタートなのだ...。

(つづく)


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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること⑤=演劇経験のない奴は安易にプロを批判する? [映画業界物語]

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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること⑤=演劇経験のない奴は安易にプロを批判する?

俳優志望なのに舞台に立ったことがない、カメラの前で演じたことがない人ほどいう言葉がある。

「あの役者下手だねえ〜」「全然ダメ。才能ないね!」

そう上から目線でいう。それが素人ならいい。だが、俳優を目指そうという者なら、その言葉を吐いただけで失格。経験があればそんなことは言えない。映画界でも同じだ。プロデューサーという人たちはよくいう。

「この脚本をほんと酷いよね。才能ないんじゃない? 俺が書いた方がまだマシだよ。直してやるか?」

そのシナリオを直し、ライターに見せる。

「ほら、良くなっただろう? お前もっと努力しろよー」

しかし、ベテランの脚本家はいう。

「そんなPは勘違いをしている。ゼロから作品を作り出すことは本当に大変なことだ。どんな駄作でも、表現者なら踏みつけるような言い方はできない。形になったものの欠点を探し、直すことなんて簡単。

それができたから、俺の方ができるというのは完全な勘違い。それこそ誰でもできること。ゼロから生み出すことは本当に大変で、尊いことなんだよ...」

本当にその通りだ。ほとんどのプロデューサーは自分で書いた経験がない。だから偉そうにいえる。問題点を指摘するなんて簡単。つまり、そのPが勘違いしているのは

「酷いシナリオだ」=>「俺が直してやろう」=>「ホラ、良くなった」=>「俺の方が書く力があるんだ」

芝居をしたことがない奴がプロを批判する。「私の方ができる!」と勘違いする。それは芝居経験がないから言えることだ。どの世界でも簡単に批判するのは経験のない人。戦ったことがあれば戦う人を簡単に批判はできなくなる...。

(つづく)



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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること④=見ているだけで「私の方がうまく出来る」と勘違いする若手たち? [映画業界物語]

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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること④=見ているだけで「私の方がうまく出来る」と勘違いする若手たち?

何度も書いて来たが、俳優を始めとする表現の仕事をするには、インプット作業がまず大切。たくさん芝居や映画を見ることで見る力は育つ。そのことで他人の欠点を見つけることができるようになる。が、アウトプット作業(自身で表現すること)をして鍛えていないと、表現の仕事はできない。多くの若手が陥るのは...

「有名俳優の欠点を見つけた」=>「彼はそれに気づいていない」=>「私はそれに気づいた」=>「私なら彼よりうまくできるはず」

と考えがち。だが、欠点を見抜いた=自分には出来るではない。それはインプット能力が高いだけであり、アウトプット能力には繋がらない。そこを勘違いする人が多い。

人のことはいえない。僕も経験がある。監督デビュー前、生活のために居酒屋でアルバイトをしていた。親方からホタルイカの骨抜きという作業を頼まれた。骨を抜かないと生で食べられない。目の前で実際にやって見せてくれた。

親方はいとも簡単に骨を抜く。「わかりました!」と、皿ごとホタルイカを受け取り作業。が、全くできない。骨が抜けない。親方が楽々とやることができない。様子を見ていた親方が「もういいよ!イカが緩くなっちまう」と取り上げてしまった。

見ていると簡単そうでも、自分でやるとできない。親方は若い頃から見習いとして働き。20年以上も板前として仕事をしてきた。そこにイカを食べたことしかない僕が、見よう見まねで作業をしても簡単にはできないということ。「表現」の仕事も同じ。演劇も同じ....。見ているだけだと勘違い。

「これなら私にだって出来る...ずっとうまく出来る。プロって大したことない...」

そこに陥る若手俳優はとても多い...。

(つづく)


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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること③=あの勝新太郎も悩み苦しみ自身の個性を見つけた? [映画業界物語]

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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること③=あの勝新太郎も悩み苦しみ自身の個性を見つけた?

いかにして自分の個性を探し、それを磨き、打ち出すか? それが多くの人に支持されたときにブレイクする。例えば、勝新太郎さん。最初は二枚目で売り出した。が、同期に市川雷蔵がいた。とても敵わない。勝の映画はヒットせず、雷蔵ばかりがもてはやされた。彼は考えた。

「雷蔵にあって、俺にないもの。俺にあって雷蔵にないもの...」

やがて彼は一冊の小説を見つめる。この主人公。腹黒く、やり方の汚い。酷い男。それでいて、どんどん成功し偉くなる。悪の魅力。「これは俺にしか演じられない」と、所属する映画会社に直談判。映画化を実現する。

それが「不知火検校」だ。「座頭市」のルーツとも言える作品。そこから人気爆発。3つのヒットシリーズを持つ超人気俳優へと進んでいく。他にはいない自分しかない個性を見つけ、それを発揮したのである。

そもそもスターというのは代わりが効かない。唯一無二の存在。誰かに似ているというだけでアウトなのだ。でも、その社長と同じような勘違いをする人は多い。

「この女優より私の方が可愛い。この子が売れるなら私は俳優になれる」

先の社長と同じだ。可愛いだけで俳優業には繋がらない。その子が売れているのは別の理由があるのだ。こんな勘違いもよくある。テレビで有名俳優の演技を見ている。欠点をいくつも見つけた。

「この人、いろいろ問題点あるなあ。それに気付いていない。これで仕事来るなら私も女優で行けるわー」

これも大きな勘違い。その辺を次回、説明していく。


(つづく)



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プロの俳優のための太田隆文監督ーワークショップ。2年ぶりに開催予定。 [映画業界物語]

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プロの俳優のための太田組ワークショップ。2年ぶりに開催予定

前回は映画「明日にかける橋」の撮影前だったので、映画の準備とワークショップの準備が並行してしまい大変だった。なので今回は映画製作が決定する前に行いたい。それでも前回、

参加者の中から3人を選び、映画に出演

してもらった。実力だけで言えば同等の人はそれぞれに何人かいたが、個性、キャラ、やる気。そして運。そんな観点で選ばせてもらった。ちなみにワークショップは演劇の基礎を学ぶものではなく、それなりにやっている経験者。プロの俳優を鍛えるもの。素人の方は遠慮願っている。それと、こんな思いがある。

オーディションでも俳優を選ぶが時間が短い。

たいていは1人、10分〜15分ほどしか時間を取れない。下手すると10人一緒で1人で5分ということもある。俳優にすれば「30分あれば本当の実力が見せられるのに!」という人もいるだろう。実力あるのに緊張するという人もいる。だから、数分で起用に芝居ができる小粒の人が選ばれがち。時間をかければ凄い演技をする役者も多いはず。そこで毎回、

3時間を超えるワークショップを実施。

徹底的に芝居をしてもらう。そして、その人の個性、魅力を見出すと共に、何が足りないか?どんな努力が必要かも指摘させてもらう。これまで僕が選んだ新人。当時は無名だったがその後、何人も大ブレイクしている。谷村美月、芳根京子、他にも最終まで残しながら、選ばなかったが、その後、ブレイクした若手が何人もいる。見る目はあるつもりだ。

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僕の作品にはこれまで常盤貴子、田中美里、藤田朋子、鈴木杏、波岡一喜、板尾創路、松坂慶子、鈴木砂羽、山本太郎、いしだ壱成、長門裕之、津川雅彦、宝田明らが出演してくれている。そんな名優たちの撮影中のエピソード等も、機会を見て紹介。第1線で活躍する人たちは何が違うか?お話しする。これも勉強になるはずだ。

開催は11月中旬から下旬。

10名以上が集まれば実施。有料だが、高い値段にはしない。青空映画舎が主催。会場は山手線の駅から近いどこか。現在、会場を探している。見つかり次第に、日時を告知する。ただ、参加したからと出演できる訳ではない。それは理解して頂きたい。前回出会った3人はなかなか、頑張った。今回も実力派と出会えること。期待している。


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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること②=あのタレントに似ている。俺も芸能人になれる?それだけでアウト? [映画業界物語]

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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること②=あのタレントに似ている。俺も芸能人になれる?それだけでアウト?

かなり昔、1990年代のことだが、ある俳優事務所=小さなところ=の社長が会ってほしい新人がいると言われ、訪ねたことがある。その新人は木村拓哉風のイケメン。社長はいう。

「どうです? かっこいいでしょう? キムタクに似ているし!」

確かにかっこいい。その上、腰が低く好感の持てる青年。社長は嬉しそういう。

「売れると思うんですよ。ドラマに歌。今、踊りのレッスンもさせています」

でも、ダメだと思った。木村拓哉に似ているということだけで、もうアウトだ。この世界。オリジナリティや個性が重要視される。すでに売れている人と似ているようではダメ。「そっくりショー」に出るのならいい。コンパに行けば、女の子たちが「わー似ている〜」と騒いでくれるだろう。

でも、仕事に繋がらない。彼がドラマに出て、どんな反響があるか?「あの人、木村拓哉に似ているね?」で終わり。テレビ局が「キムタクに似ているからゴールデンのドラマに出演してほしい」とは言わない。紛らわしいだけだ。しかし、社長はこう考えた。

「キムタクに似ている」=>キムタクは人気がある=>彼もカッコイイ=>だから、彼も人気者になる。

それは間違い。似ていることは全てにおいてマイナスなのだ。かつて、日本の芸能史上で似たような俳優がブレイクしたことがあるか? 高倉健に似た有名俳優がいるか? 勝新太郎に似た役者がいたか? 松田聖子に似た歌手がブレイクしたか? 山口百恵にそっくりのタレントが活躍したか? NOだ。

もちろん、まも真似タレントの場合は強みになるが、芸能界は個性。90年代にダンスが中心の人気グループがあったが、TRFが出て来たら消えてしまった。同じ個性派必要とされない。俳優も同じ。似ているだけでは認められない世界なのだ...。(つづく)



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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること①=そこからがスタートだ? [映画業界物語]

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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること①=そこからがスタートだ?

俳優になるには「鋭い感受性」が必要という話。

いろんな角度から書いてきた。例えば「鋭い感受性」=怖がりというのは当てはまる。夜怖くてトイレに行けない子供。これは想像力が豊か。「お化けが出るんじゃないかな?」というイマジネーションが働く。でも、大人になるにつれ現実的になり想像力を失う。なのに怖がりというのは、表現の仕事に向いている。

センスも大事。おしゃれというのも感受性の成せる技。ただ、一流ブランドが好きというのは違う。そのセンスに惹かれるのではなく、一流ブランドだから好きという人も多いからだ。

就職希望がマスコミとか外資系とか大手銀行という人たちと同じで、そこでしたい仕事があるというよりブランドとして憧れているだけのことが多い。それと同じで高級ブランドを持つことで「自分が一流になった」と思いたい種の人々。決して「感受性」がある訳ではない。

「俳優ブランド」に憧れている人もダメ。

俳優だけでなく、作家でも、歌手でも、「私は特別。人とは違う」というプライドを満足させるために、その種の仕事をしたがる人も多い。

芝居が好きなのではなく、テレビに出て、キャーキャー言われ、大金を稼ぎ、有名になる。そこに憧れているだけの人がとても多い。要は注目を浴びて、虚栄心を満たしたい。強い自己確認をしたいという人たち。

もちろん、それが動機でスタートして成功する人もいる。しかし、多くは芝居がしたい。歌が歌いたいーではなく、有名になりたい。チヤホヤされたいが目的なので、辛い稽古をしたり、下積み生活に耐えたりというのを嫌がる。手軽にデビューしたい。

「大手プロダクションに入りたい」という。

その手の人はまず成功しない。高級ブランドが好きな人たちと同じ。高級品を身にまとうことで自分も高級になったと思い込む。楽していい気分に浸りたい。そんなタイプなのである。表現の仕事は無理だ。別の角度からも説明しよう。(つづく)


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