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「明日にかける橋」監督日記に頂いたコメント。声優を夢見る子達の今がリアルに紹介されているので、ぜひ! [映画業界物語]

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「明日にかける橋」監督日記に頂いたコメント。
声優を夢見る子達の今がリアルに紹介されているので、ぜひ!

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(ブログに頂いたコメントです)

もう何年も「声優になりたい!」という若い子達と接し、指導もしてきましたが、まったく同様に感じています。声優とは言っても、本質は俳優と変わらず、演技が仕事です。が、彼らのほとんどは演技に興味があるわけではなく、その動機を探ると根本は・・・

”もてはやされたい!” というところにあります。

が、その動機だけで、人を感動させるレベルに達したり、
ドラマを演じる力をつける努力を出来る子はまずいません。

彼らのほとんどは声優に ”なろう” とはしておらず、
”してもらおう”・・・と考えています。自分でそれに気づいては
いませんが。

学校に通えば、レッスンを受ければ、授業料を払えば、
声優に「してもらえる」と思っています。レッスンを施すにもそこの意識を変えるところからのスタートとなりますが(普通はそこに手をつけませんが)「してもらえない」と悟った時点でやめていきます。

本当は俳優志望も指導するんですが、声優志望の方が多くなってしまいました。監督がお書きになったことを読むと、俳優志望者も
同じ傾向があるようですね。たぶん、声優志望の場合はさらに拍車をかけてると思います。”声優”と言いながら、その実、彼らが目指しているのは ”タレント” か ”アイドル” である場合が殆どです。

音楽に興味があるわけでもないのに、歌のレッスンを受けてるのも彼らの共通した特徴ですが、やはり目立ちたいからという動機だけでは上手くなるはずもありません。

人を感動させたい、とか、自分の演技を通じて世の中に

何かを伝えたい!・・・そんな動機がなければ、努力するエネルギーも湧いてこないでしょうに。

ジョン・レノンの場合、俺を見ろ!という自己顕示は激しくあったと思いますが、五歳で両親が離婚、さらに十数年後に再会した直後に母が交通事故で死亡、という強烈な体験から、その欲求は生存に関わるレベルでしたから、ただの目立ちたがりとはエネルギー値が
違いますね。その欠乏感を埋める手段でもあったのがロックンロールでもあり・・・それで身体と魂から湧き出るシャウトへと!

無名時代のビートルズは毎晩 ”8時間” ステージで演奏し(しかも酔っ払った荒くれたちの前で)腕を磨いたと言いますね。

授業料払って「歌手にしてくださ~い!」っていうのとは次元が根本から・・・。
by 早田快人 (2019-10-17 07:24)



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1時間働けば時給がもらえるのが当然!ーと考える若者たち?!(下) [映画業界物語]

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1時間働けば時給がもらえるのが当然!ーと考える若者たち?!(下)

ー2015年の記事からー

映画の世界ばかりではない。一般の会社も昔のように、新入社員は業績を上げなくても、数年は月給もらって勉強というところは少なくなっている。何らかの技術やスペシャリティのない者は採用しない会社が多い。

「月給は30万はもらわないとね!」

とかバイト感覚で言っていると社会からはじき出されてしまうだろう。時間の切り売りをして、賃金をもらえるのは、アルバイトだけなのだ。その発想で「仕事」を考えてはダメ。「仕事」を得るためには、それなりの技術や経験が不可欠。映画界だけでなく、一般の社会もそうなって来た。

大学の4年間。或は専門学校の2年間。バイトして、コンパして、旅行して、さあ、就職だ!というときに、技術も経験もないと大変なことになるだろう。最後に少し前に専門学校に行ったとき、出た質問を紹介する。

「太田監督の撮影現場はボランティアでお手伝いしている人がいると聞きましたが、僕らも参加できますか? それから1日いくらもらえますか?」

僕は答えた。

「通常は撮影現場に一般の人は入れない。技術も経験もない人が参加すると、トラブルを起こしたり、隠れて俳優の写真を撮ったり、大変なことになることが多い。だから、よほど信頼できる人で、映画愛のある人。この映画を応援したい!という人だけを厳選。

撮影の過程を経験、一緒にがんばることを楽しんでくれる人たちのみ。お願いする。その意味で君はダメ。ボランティア・スタッフでいくらもらえる?なんて質問する段階でアウトだ」

その生徒はあとで「何だ、タダかよ!」という顔で帰って行った。バイトというシステムが若者たちに勘違いさせ、時代を逆行していることを改めて感じた。学校教育で与えられたことだけをやっていたら、社会に出て大変な事になる時代。なのに気付かぬ若い人が多い。悲しい話である...。(了)



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1時間働けば時給がもらえるのが当然!ーと考える若者たち?!(中) [映画業界物語]

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1時間働けば時給がもらえるのが当然!ーと考える若者たち?!(中)

ー2015年の記事からー

バイトというのは、ちょっと教えてもらえれば出来る仕事。特別な技術は必要ない。だから、1時間900円とかいう賃金をもらえる。だが、映画の仕事は誰にもでできるものではない。

技術があった上にセンスも必要。それを持った人にギャラを払って働いてもらう。その違いを学生たちは理解せず。1時間働けば***円とバイトの感覚で考えるので、ズレてしまうのだ。

ベテランのスクリプターさん。彼女は若い頃から絶対にスクリプターの仕事をしたかったという。が、経験がない。そこで友人に頼み込み、ノーギャラで、それも見習いで撮影に参加した。1年仕事をしたがノーギャラ。

だって、何の技術も経験もない人に賃金は払われない。逆に彼女は現場でいろいろと学ぶのだから、本来は授業料を払わなければならない。ノーギャラでもメリットは大きい。

頼み込んで低予算テレビ番組の撮影に参加してもらい、1年間勉強しながら現場をこなした。が、彼女の本当の目的は映画のスクリプターだった。テレビと映画のシステムは違う。

そこでまた1年間、見習いで映画撮影に参加。仕事を学んだ。今は一人前のスクリプターとして、それなりのギャラをもらっているが、映画の世界では、技術も経験もない者には1円たりともギャラは払われない。

そもそも経験のない人は撮影の邪魔になったり。足を引っ張ったりすることが多いので、撮影には参加させてもらえないことが多い。1年間も現場で働いたということは、彼女がかなり優秀で頑張り屋だったということ。今の映画界に新人を育てようという思いはないし、低予算化の波で、役に立たない者はすぐに解雇というのが現状である。

何の技術も経験もない生徒が「監督業は月いくらもらえますか?」と質問。学生にありがちなバイト感覚でしかないことを理解してもらえるだろう。だが、これは映画の世界ばかりではない...。(つづく)



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1時間働けば時給がもらえるのが当然!ーと考える若者たち?!(上) [映画業界物語]

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1時間働けば時給がもらえるのが当然!ーと考える若者たち?!(上)

ー2015年の記事からー

ときどき専門学校に呼ばれ特別講義をする。そこでこんな質問を受けた。

「映画監督業は食えますか?」「月いくらの収入がありますか?」

そんな質問が出ること自体に腹が立ち正直に答えた。

「監督業はブラック企業を超える。アルバイトをすれば時給900円とかもらえるが、監督業は時給50円。いや、日給50円。月収50円ということもある。それが監督業だよ」

そういうと生徒たちは「映画監督なんてなるものんじゃないなあ」という顔をする。だが、それが現実。年収ゼロ円という監督もいる。奥さんに食わせてもらっていたり。アルバイトで生活している先輩もいる。監督業は厳しいという話ではない。そもそも、大学生の友人や専門学校の生徒の発想が間違っていると言う話をしたい。

彼らの発想はバイトが基本になっている。1時間働けば900円。たいていのバイトはそんな感じ。1日10時間労働で9000円。1ヶ月に20日間働けば18万。「それならどーにか生活できるかなあ?」という考え方だ。

しかし、それはバイトや会社員の世界での価値観。映画の仕事は監督でも、脚本家でも、カメラマンでも、技術がいる。質問をした生徒たちは、まだ何も技術を持っていない。にも関わらず1時間働けばいくら? 1日働けば***円という計算ばかりしている。

何の技術もない彼らが撮影現場に来ても、何の役にも経たない訳で、1時間いくらどころか、1円たりとも払われることはない。いや、現場に呼ばれることすらない。そのことに気付かず。「監督をやれば、いくら? 脚本家なら**万円?」と時給計算をしている学生たちは、基本的におかしい。

(つづく)


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「とんねるずが消えた理由」と言う記事を読んだ=年齢に合った芸風、歳を取ると言うこと? [映画業界物語]

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「とんねるずが消えた理由」と言う記事を読んだ=年齢に合った芸風、歳を取ると言うこと?

お笑いは好きで、1980年のMANZAIブームから芸人さんを注目していた。あの頃、イチ押しだったのはツービートでなはなく、紳助竜介だった。少し前だと「そんなの関係ない」の小島よしお。ギター侍も好き。ただ、とんねるずには昔から関心が持てなかった。

彼らの人気が出た「夕やけニャンニャン」「オールナイトフジ」が放送された時期に日本にいなかったこともあるだろう。何が面白いのか?分からない。1980年代後半にブレイク。90年代、2000年代、とテレビで冠番組を持ち続けた。凄いことだ。それが最近、気づくとテレビに出ていない。ま、テレビ見ないし、彼らの番組も見ていなかったからだが、CM等でも見ない。ある記事にその背景が書かれていた。

「とんねるずは従来の芸人のように芸がある訳ではない。でも、大学の運動部。そこの面白い先輩。コンパや宴会を盛り上げてくれるタイプ。そんな親しみやすさが受けた」

なるほどそれなら分かる。では、なぜ、テレビから消えたか? 人気がなくなったのか? 記事にはこう書かれていた。

「とんねるずはこれまで公開番組で観客に絡んだり(オールナイトフジでは生放送でテレビカメラを壊したことがある)ベテラン芸人に食ってかかったりと普通やらないことをした。それを若い人たちはいいぞ〜と声援を送った。そんな型破りなところが人気につながる。

でも、彼らも50代になり大御所タレント。それが若い芸人に絡んだりしていると、イジメに見てしまう。声援を送れなくなった。彼らの型破りが許されたのは若さゆえであり、今の年齢では単なる非常識に見えてしまうのだ」

これは納得。すでに引退したが島田紳助が昔、同じようなことを言っていた。

「20代の頃は紳助アホやな〜で笑いを取れた。けど、30代になり、40代になって、アホなだけではアカン。タレントも芸人も、その歳なりのものを要求される。漫才ブームはすぐに終わった。司会業をする。アホなだけでは司会はできへん。寛平さん。もう50や。でも、未だに若い頃と同じことしてる。アカンで〜」

と言うようなインタビューを昔、読んだ。その後、紳助さんは報道番組のキャスターを務める。政治経済のクイズ番組を企画。スーツ姿。もう、ツナギを着てリーゼントで暴走族漫才はしなかった。その彼の指摘がまさに、とんねるずに当てはまる。

映画の世界も同じだろう。俳優も、脚本家も、監督も。特に監督業はそれが言える。若い間は鋭い感性で若い世代に支持される。が、40、50代になると、さらなる若手が現れて単なるオヤジになってしまう。感性では敵わない。それで消えて行った先輩たちも多い。

僕もあと数年で60代。えーーまじかよ?と言う感じだ。あれこれ自分を見つめ直してしまう。



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アーティストは、抉れた心の傷を癒すために作品を作る③終 [映画業界物語]

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アーティストは、抉れた心の傷を癒すために作品を作る③終
(2014年の記事から)

歌手だけではない。僕のよく知る若手女優も同じだった。最初は家族から反対され、事務所もさじをなげ、映画やドラマのオーディションには落ちてばかり。悲しみの中で、もがいていた。が、チャンスを掴み映画に出演。輝かしい活躍をした。

そのことで家族も女優業を認め、応援してくれるようになった。ファンも増え、恋人もできた。事務所も有名なところに移った。出演依頼も続き、幸せいっぱい。だが、ハングリーな思いをなくし、人の心を打つ芝居ができなる。

プライベートな事件で、演技に集中できず。素人レベルの芝居をしてしまう。女優失格ともいうべき事態。映画が大変なことになり、多くの関係者が迷惑、彼女は出演依頼がなくなる。なぜ、女優業よりプライベートを優先したか? 

それは女優として成功しなくても、家族の「愛」で傷は癒えたのだ。だから、演技を疎かにできた。それに対して、小さな成功では癒されない深い傷を心に負った人々。一生作品を作り続けるアーティストたち。名声と経済的成功では癒されない心の深い傷を抱えて戦う。

本当に幸せなのはどちらだろう? その女優の方が幸せなのかもしれない。親が理解し、恋人ができれば癒される程度の傷。女優業を辞め平凡な結婚をすることが、今の彼女にとって一番の幸せだろう。もう「悲しみ」と対峙する必要はない。大成功して、金持ちになり、有名にならなくても、ハッピーなのだから。

傷が浅ければ小さな成功で癒すことができる。が、アーティスト生命もそこで終わる。傷が深ければ作品は作り続けられるが、一生幸せにはならない。人は「才能」があるから作品が作れると思うが、そうではない。

作品を作り続けないと、抉られた心を癒すことができないから。だから、心の深い傷を埋めるために格闘する。それがアーティスト。遠くで見ているほど幸せでも、ハッピーでもない。本当に幸せなのは

「俺は才能も何もない小市民だよ」

と笑える人なのではないだろうか?


(了)


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アーティストは、抉れた心の傷を癒すために作品を作る② [映画業界物語]

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アーティストは、抉れた心の傷を癒すために作品を作る②
(2014年の記事から)

子供の頃から差別され、踏みつけられ、不幸だった人。親に愛されなかった子供。いや、何不自由なく成長したように見えても、人には分からない悲しみを引きずったまま、大人になってしまった人たち。

彼ら彼女らが、意識するしないに関わらず、抉られた心を見つめ、埋めようとするのが表現なのだ。ハリウッドを思い出してほしい。成功した多くの作家はイタリア系かユダヤ系だ。どちらも阻害され差別され続けた民族だ。

スピルバーグ、ウッディ・アレン、バーブラ・ストライサンド、ダスティン・ホフマン、カーク・ダグラスはユダヤ系。コッポラ、アル・パチーノ、シルベスター・スタローン、らはイタリア系。アングロサクソン系は意外なほど少ない。日本でも実は同じ、芸能界には同じような環境の人たちがたくさんいる。

つまり、忘れられない悲しみや苦しみを背負い、それを作品にすることでしか昇華できない人たちが、アーティストとして成功する。さらにいうと、金持ちになった。有名になった。人気者になった。

それで満足できる人はクリエーターを続けることはできない。そんなことで癒せない「悲しみ」を抱えた人が作品を作り続ける。ミュージシャンの尾崎豊も、そんな1人。

大人たちに反抗。高校を中退。が、傷ついた十代の思いを歌った「17歳の地図」で人気を得た。が、アルバムが売れ、認められたことで、誰も彼を批判しなくなった、むしろ賞賛。

だから、2枚目のアルバム。かなり厳しかった。悲しむ必要がなくなったのだ。そしてサードアルバムでは、歌を作れないでいる惨めな悲しみを歌い。復活するのだが、結局、ドラッグに走りムショに入る。

先日、逮捕されたASUKA(2014年の話)も同じだと思う。曲がヒットし、人気が出て。お金も名誉も手に入ると、悲しみがなくなり、作品が作れなくなるのだ。ドラッグに手を出すアーティスト。そんな背景であることが多い...。(つづく)


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アーティストは、抉れた心の傷を癒すために作品を作る① [映画業界物語]

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アーティストは、抉れた心の傷を癒すために作品を作る①
(2014年の記事から)

俳優。歌手。小説家、脚本家、画家、いわゆるクリエーター。或はアーティスト呼ばれる人たちは、「才能」ある(という言葉を僕は使わないが、多くの人はそれで理解しようとするので)素晴らしい人たち。と羨望の目で見つめられる。

成功すれば、お金も名誉も手に入り。多くの人の尊敬を集める。表面的にはそうだが、実像は人々が想像するものとは大きな隔たりがある。

ミュージシャンにしても、ギター片手に武道館でシャウト。多くのファンの声援に応えオリジナルソングを歌う。しかし、彼ら彼女らが抱えるダークサイドを人々は知らない。

また、長くなるので簡単に書くと、アーティストがなぜ、作品を作れるのか? 素晴らしい歌や物語。芝居や小説。それは「才能」があるからーなんてことではない。

作品を作ってるつもりでも、無意識の内に抉れた心を癒すために、血を流しながら人生を見つめるのだ。その過程で過去の傷と対峙する。だからこそ、作品は多くの人を感動させる。

もちろん、センスと器用さで作品を作る人もいるが、多くは自分と対峙している。だから、作品で涙する。机の上で「こんな物語を書けば、読者は泣くはずだ」と想像して書いた物語で観客を感動させることはできない.....。(つづく)



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