SSブログ

ウッディ・アレンが人嫌いになった理由を感じる日々(下)誰とも接しなければ問題が起きない? [映画業界物語]

11233545_829338810473758_5862967633990305011_n.jpg

ウッディ・アレンが人嫌いになった理由を感じる日々(下)
誰とも接しなければ問題が起きない?ー2015年の記事からー

ただ、僕も1週間前に予定を立て、その街にお寄りするという形は取れない。監督業はご存知のようにブラック企業を超える仕事量。スケジュールも突然変わる。帰京予定日が変わったり、現地に予定以上に滞在したりもする。そんな中で帰京途中。

「あ、今日なら時間あるから**市で途中下車できる。明日、東京に着けば仕事にも影響しない。きっと喜んでくれるだろう」

と、その街を訪ねる。けど、地元の方も急に来られては困る方がいるという現実を知った。笑顔で迎えてくれたのに内心は迷惑だったと後で伝えてきた。他の方々は笑顔で接してくれたが、同じように「急に来られてもなあ〜」と思いながら我慢していたのではないか? そんなことはないと思うが、全員が喜んでくれたわけでないことは理解した。

ただ、一部の声を受け入れると、また別のところから不満の声が上がるだろう。何をしても、良かれと思っても、誰かが不満を言う。誰が悪いということではないのに、歯車が噛み合なくなっていくようだ。もしかしたら、何もしないこと。誰も訪ねない、挨拶もしない方が誰も傷付けず、迷惑かけないのかもしれない。映画監督業を始める以前は考えもしなかったことだ。

そんなとき、ウッディ・アレンの話を思い出す。もちろん、彼は大スターであり、僕は無名の監督。同じレベルでは語れないが、人嫌いと言われるアル・パチーノも、ロバート・デ・ニーロも、ウオーレン・ベティも、僕が体験したことの数百倍もの困った経験をしたのではないか...........。

その結論が、誰とも会わない。人前に出ない。マスコミには最小限しか関わらない。良かれと思っても、あれこれ揉め事が起こる。誰かが傷つくから。そんなことではなかったか?と考えてしまう。(了)


61328389_2713611712046449_5637045108852391936_n.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

ウッディ・アレンが人嫌いになった理由を感じる日々(中)喜んでくれても本当は迷惑している? [映画業界物語]

1548199_712366525504321_7005953535249652856_o.jpg

ウッディ・アレンが人嫌いになった理由を感じる日々(中)
喜んでくれても本当は迷惑している?ー2015年の記事からー

東京に戻る途中。時間ができた時は下車してロケでお世話になった人訪ねることがある。あれからも元気でやっていることを伝えたいからだ。だが、こう言われることもある。

「前回、***さんを訪ねたそうですね? 何でうちには来てくれなかったんです?」

「**さんに先に挨拶に行きましたよね。何でうちはあとなんです? 私の方が撮影の応援したはずですけど」

なかなか難しい。訪ねるときも、いろいろ考える。誰から順に訪ねるか? 自宅だといきなり行くのは失礼。なので、お店をやっている方。会社を経営している方で、急に訪ねても、対応してもらえ、迷惑がかからない所を選んでお訪ねする。それでも

「うちへは来てもらえなかった...」「なんで**さんが先なんだ?」

「何でA市だけ」「だったらC市も!」

と不満を持つ人が出てくる。ただ、ある街ではお訪ねした時は、誰かが「監督が来てるよー」といろんな人に連絡をしてくれて、ある店に集合してくれた。これは一度に多くの人にご挨拶ができる上に、来れる人は来て、都合の悪い人は来ないで済む。不公平も生まれにくく、ありがたかった。

街の方々は歓待してくれて、撮影時の思いで話に花が咲いた。ところが、その会を終えて東京に戻ると、その中のお1人からメールが来た。

「今後、来るときは1週間前くらいに事前に連絡してください。急に来て招集されても迷惑です。こちらにも生活がありますので」

それなら欠席してくれればよかったのに.....お会いしたときは笑顔で対応してくれたのに、実は迷惑だったと分かり。心が沈んだ...。(つづく)


61328389_2713611712046449_5637045108852391936_n.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

ウッディ・アレンが人嫌いになった理由を感じる日々(上 )ロケ地にお礼に行き意外なことを言われた? [映画業界物語]

12474_602930129781295_1098173893_n.jpg

ウッディ・アレンが人嫌いになった理由を感じる日々(上 )
ー2015年の記事からー

ハリウッド俳優のウッディ・アレンはインタビュー嫌いで有名だ。というより「人嫌い」と言われている。パーティや記者会見にも出席しない。人前に現れることがまずない。ニューヨーク生まれのニューヨーク育ち。多くの人に愛されるアクターであり映画監督。なのになぜ、人嫌い?と思っていたのだが、

「もしかしたら、こういうことかな...」

と思えること。この数年、続いている。撮影や宣伝でお世話になった地方の方々の多くは、その後もお付き合いが続き、その街では撮影しない僕の新作も応援、支援してくれる。本当に感激。

なので、別の仕事であっても、その人たちの街を通るときには、途中下車してお訪ねし、ご挨拶したり近況報告したりする。東京に戻るときにお世話になったC市の方をお訪ねしたとき、こう言われた。

「ここまで来たのなら、少し先のD市まで行った方がいい。皆、喜んでくれるよ」

確かにその通りだ。が、C市でさえかなり無理して来ている。D市まで行くと、その日の内に東京に戻れない。残念だが行けないと伝えると

「でも、あの街でもお世話になったんでしょう? 感謝の気持ちが足りないじゃない〜」

と注意される。何より撮影時のお礼まわりは何年も前にしている。その時は近くまで来たので...ご挨拶というやつ。それが挨拶に行くと「隣町も行くべき。行かないのは感謝の気持ちが足りない」と言われる。

そもそも映画製作は町のアピールのため。それで僕やスタッフが大儲けした訳ではない。かなり厳しいギャラで町の魅力を発信する映画を作ったのだ。感謝の気持ちが足りないと言われるとそれは違う。映画はそもそもこういう形だ。

「作ってくれて、ありがとう。撮らせてもらってありがとう」

一方的に感謝を要求するのはおかしい。ただ、行けば喜んでくれるのは確か。でも、交通費や宿泊費を払い、その町まで行く余裕がない...。(つづく)



61328389_2713611712046449_5637045108852391936_n.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。