SSブログ

俳優業—そして表現の仕事を目指す人たちへ③ それは本当の自分を見つける旅 [映画業界物語]

39223268_2110013382406288_9066025377389871104_n.jpg


俳優業—そして表現の仕事を目指す人たちへ③ それは本当の自分を見つける旅

俳優としての実力を磨くこともできたのに、バイトバイトで過ごしてしまう。そして彼らの多くは「才能があればやっていける」と信じている。

でも、才能なんて存在しない。何度も書いたように「鋭い感受性」を持つ者が、表現力を磨き、養い、育て、年月をかけて力を付ける。その仕事振りを見て、努力しなかった人たちが「才能あるね」というのだ。それに気づかずに

「俺には才能があるはず。いつか認められる!」

とバイトをして、半年に一度の舞台公演だけで何年も過ごしてしまう。展開があるわけもなく、やがて「俺の努力が足りないんだ...」とは思わず、こう考える

「世の中、甘くないんだ....」

こうして多くの夢多き若者は諦め、消えて行く。そんな人生をこの30年にどれだけ見て来たことか? だから、若い人たちが同じ轍を踏まないように、こんな記事を書いている。

自分の力を試すこと。なぜしない? 俳優志望だけでなく、作家でも、歌手でも、漫画家でも、脚本家でも同じ。演じる。書く。作る。奏でる。歌う。そのことで自分の実力を知ることができる。まず「自分が大したものではないこと」を知ること。最初からできる奴なんていない。

どの分野でも素質がある奴はいる。成長が早い者もいる。学びは遅くても大成する人もいる。自分は何が得意か?何が苦手か? 何が足りないか? 実践しながら、そんなことを考えていくことが大事なんだ。僕自身の話をしよう...。(つづく)


61328389_2713611712046449_5637045108852391936_n.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

俳優業—そして表現の仕事を目指す人たちへ② それは本当の自分を見つける旅 [映画業界物語]

39390549_2110137425727217_8973483950445953024_n.jpg

俳優業—そして表現の仕事を目指す人たちへ② それは本当の自分を見つける旅

俳優になるのを夢見る若い人たち。「その素質を鍛えれば、何とかなるのに〜」と思う子たちもいた。が、多くは自身過剰と勘違いで努力もしないまま、消えていった。俳優の卵だけではない。このシリーズに登場した脚本家志望の後輩も同じ。ヤクザの店でバイトして

「この体験をネタにシナリオ書けば、凄いものが書ける!」

といっていたが、結局書こうとはせず、その店の正社員になった。その後、彼が脚本家デビューしたという話は聞かない。監督やPの飲み会を聞けば駆けつける無名女優。製作会社に営業もかける。が、彼女に必要なのは演技力を磨くことだ。演技力がないから依頼が来ない。そのことに気づいていない。

「まだ本気、出してませんから!」

それが口癖の25歳。演劇学校に通っている。が、彼もまた消えた。映画監督志望なのにシナリオも書かないー学生映画も撮らないー友人の作品を批判してばかりいた後輩もいる。20年後に再会したが、未だにシナリオを書いていなかった。彼ら彼女らの問題点は同じ。高いプライドだ。

「私には力がある。テレビに出ているタレントより実力がある」

そう思い込んでいる。詰まらない仕事はしない。俺がやるときは、それなりの場で!とか考えるから、余計に何もしない。月日だけが過ぎていく....。では、どうすればよかったのか? (つづく)



61328389_2713611712046449_5637045108852391936_n.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

俳優業—そして表現の仕事を目指す人たちへ① それは本当の自分を見つける旅 [映画業界物語]

39297010_2110015185739441_129440831013650432_n.jpg


俳優業—そして表現の仕事を目指す人たちへ①それは本当の自分を見つける旅

俳優。及び「表現」の仕事を目指す人たちへの覚書。好評なので、もう少し書く。何度も語ったことだが、俳優でも、歌手でも、作家でも、映画監督でも、漫画家でも、表現の仕事をする人たち。特に若い人たちにいえること。インプット作業ばかりで、アウトプット作業をしないのが一番悲しい。

つまり、俳優でいえば映画やドラマ、舞台を観る。数観ると目が肥えてくる。見る目が育つ。それは脳科学でいえばインプット作業により育ったもの。でも、見る目ができたから「自分もできるか?」は別だ。それはアウトプット作業の繰り返しで、その能力が育つ。それはインプット作業より遥かに大変。

ピアニストなら毎日、ピアノを弾き、練習する。幼い頃から何年も続ける。そのことで脳がその行為を体に伝達。それを繰り返すことでよりスピーディに、その行為ができるようになる。バイオリンでも、バレーでも同じ。演劇も同じだ。

観ているだけではうまくならない。繰り返し演じる。いろんなパターンで演じてみる。そのことで脳が考えたことを体が再現できるようになる。それが演技が上達するというメカニズムなのだ。

それをインプットばかりしている俳優の卵たちが多い。アルバイトをしているだけで「いつか俳優になってブレイクする!」と夢見る若い人。「チャンスさえあれば、俺はできる!」と思い込んでいたり。が、実際、芝居をさせると、素人レベルであることがほとんど。なのにこう考える。

「昨日のドラマの女優。酷いねえ。どーせ事務所の力で出演したんだろうけど。私の方がマシねー」

プロで通用すると思い込む。大手の事務所に入ればすぐに仕事があると思う。実際に芝居をすれば自身の力を知るのだが、その経験が非常に少ないのでいかに無力であるかを知らない。当然、チャンスが巡り来るはずもなく、夢破れることがほとんど....。(つづく)



61328389_2713611712046449_5637045108852391936_n.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。