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映画監督になるために、あえて業界から遠ざかった?①=俳優等「表現の仕事」をしたい人たちのための覚え書き [映画業界物語]

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映画監督になるために、あえて業界から遠ざかった?①
=俳優等「表現の仕事」をしたい人たちのための覚え書き

表現の仕事に大切なものをいろいろと書いて来た。それは俳優でも、歌手でも、作家でも、ミュージッシャンでも、映画監督でもほぼ同じだ。まず、鋭い感受性が必要。それを磨くこと。日本の学校教育や会社組織はその感受性を鈍くさせ、麻痺させるところ。その中で生活して行けるようなら、表現の仕事は向いていないとさえいえる。

美しい、悲しい、苦しい、素晴らしい、愛らしいと感じる力が感受性。それが鋭くなくてはいけない。そして、それを磨かなければならない。俳優を目指しながらバイトバイトの生活をしている若い人の中には、せっかく鋭い感受性を持っているのに、次第に一般の価値観に毒され、いつの間にか目標である「俳優業」より「バイト生活」や「友達」を優先してダメになって行く者が多い。

表現の仕事に就くには、自分を追いつめるか? 或は、平均的な日常では暮らせないほどの鋭い感受性を持っていることが大事なのだ。他にも「経験」「表現力を磨くこと」について書いた。全てが揃わなくても、どれか1つ抜きん出ていれば成功することがあるし、その1つがダメでアウトということもある。

もう20年以上前から、いや、学生時代を思い出すと、30年以上、俳優や作家、歌手、映画監督等を目指す人たちを見て来た。そこで夢を掴んだ人。掴めなかった人の違い。表現の仕事に向いている人、向いていない人。それが年月を経て明確に見えて来た。前回までに条件をまとめてみた。

偉そうなことばかり書いて来たので、僕自身の話も紹介しよう。(つづく)



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「ジョーカー」予想以上に重く、苦しく、やり切れない物語。 闇の世界に引きずり込まれ、帰って来れなくなる。 [映画感想]

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「ジョーカー」予想以上に重く、苦しく、やり切れない物語。

闇の世界に引きずり込まれ、帰って来れなくなる。

イーストウッド映画に負けない後味の悪さ。

今日一日、立ち直れない…。

詳しい感想は次回に。


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俳優の演技力と経験値について考える⑤ (終) 若い頃にスタートしないと表現の仕事はできない? [映画業界物語]

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俳優の演技力と経験値について考える⑤ (終)
若い頃にスタートしないと表現の仕事はできない?

「人間の証明」等で有名なミステリー作家・森村誠一さんは元ホテルマン。その経験を生かして処女作はホテルを舞台にした作品だった。その後はホテル以外を舞台にした傑作を世に出している。

俳優でいうと、若い頃にデビューした場合。最初は学園もの。青春もの。それは本人にとって経験ある世界。やがて、サラリーマンやOLもの。刑事。ヤクザ。正義のヒーローをやるとしても、若い頃に表現力、演技力を磨いておけば大丈夫。対応できる。

そう考えると、渥美清さんや武田鉄矢さんはもの凄くラッキー。俳優としてブレイクする以前に経験したものが、俳優になってから生きている。でも、経験が生きる役を依頼されるのは宝くじに当たるようなもの。

そして先の脚本家志望の後輩のように特異な経験をしたから、凄いシナリオが書けるというものではない。つまり、俳優でも、作家でも、脚本家でも、経験は大切だが、表現力、演技力、文章力の方が重要だということ。取材は時間とお金をかければできるが、表現力を養うには何年もかかる。若い頃からやっていた奴に敵わない部分もある。

まとめれば、表現技術は簡単に身に付かない。だから、若い頃にスタートして何十年もかけて習得する。経験は創作の上で大事だ。でも、様々な社会経験をしてから表現の仕事を始めたのでは、表現技術がないのでかなり難しい。俳優でいうと若い頃から演技を学び実践しないといけないということだ。

では、30歳を過ぎてからでは絶対に無理なのか? そんな話を次回はしてみたい。これが表現の世界の凄いところ。お楽しみに!


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俳優の演技力と経験値について考える④ いろんな経験をしたからと、俳優業に生きるというものではない [映画業界物語]

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俳優の演技力と経験値について考える④
いろんな経験をしたからと、俳優業に生きるというものではない

幼い頃から児童劇団に通い。子役で活躍。その後、大人になってからも俳優を続けている。20歳になったときは芸歴15年。しかし、就職しておらず、学生と俳優の経験しかない。そんな人と。30歳まで職を転々として、いろんな仕事を経験して来た。結婚もした、離婚もした。会社員も経験。水商売でも働いた。経験豊富。でも、演劇経験ゼロの人と、どちらが俳優として有効か?

これは先の子役から活躍した子の方が、俳優という意味では有効なのだ。経験より表現力、演技力が重要。演技力のある俳優が刑事を演じたり、漁師を演じるなら、本物に聞くことができる。取材ができる。

もちろん、本物にリアリティは敵わないが、その本物に演技ができるか?というとまずできない。数ヶ月練習して台詞がうまくなる訳ではない。そう考えると、いろんな経験をしたからと、俳優業に生きるというものではない。先の脚本家志望の友人もそうだが、何よりも書く力が優先される。これはよく言われることだが

「最初は身近なものを題材として小説を書け」

学生なら青春もの。会社員なら会社を舞台にしたドラマ。自分がよく知っていることを題材に書くことが大事という。経験値があり情報があるからリアルなドラマが書ける。何本も書くことで文章力が養われる。そこで始めて別の世界のものを書く。取材して書く。調べて書く。文章力があるので、自分が経験していなくても、リアルな物語ができるというのだ。(つづく)


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俳優の演技力と経験値について考える③ ヤクザの店でバイト。シナリオにするぞ!という学生さん?でも。 [映画業界物語]


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俳優の演技力と経験値について考える③
ヤクザの店でバイト。シナリオにするぞ!という学生さん?でも。

後輩で脚本家を目指す奴がいた。映画学校のシナリオ科に通う彼はゲームセンターでアルバイト。そこは一見、普通の店なのだが、実はヤクザが経営していた。ゲームに勝てば、得点を現金にできる違法店。怪しい客が多く本物のヤクザが出入りする。でも、友人は大喜び。

「これでリアルなヤクザ映画のシナリオが書ける!」

ある意味、潜入取材。彼はいろんな興味深いエピソードを聞かせてくれた。

「映画学校に通っててもダメ。想像で犯罪ものを書いてもダメ。リアリティがないですから。僕が書けば誰にも真似のできないシナリオが書けますよ!」

後輩は様々な情報や経験を仕入れたが、書く時間がない。バイト料がいいこともあり、長時間シフトに入るがち。にも関わらず「俺が書けば、凄いものが書ける!」という。確かにリアルな情報でおもしろいエピソードをシナリオに取り込めるだろう。しかし、彼はまともにシナリオを書いたことはない。単なる映画学校の生徒なのだ。

何本も何本もシナリオを書いて始めて、

人に読ませるものが書けるようになる。書く力が着く。その上で経験や情報が生き、ドラマや映画にできるシナリオとなる。つまり、今、彼が経験を生かしたヤクザもののシナリオを書いても、技術や構成の面で及第点をもらえない。

また、万が一「エピソードがリアルだから」と認められて、ドラマ化されたとする。では、「第二作」と言われて何を書くのか? 別の店でバイト。そこが今回のように、興味深い職場であるとは限らない。続編? それなら1作目以上のセンセーショナルなネタが必要。いくらヤクザの店でも、そんなに次々に興味深いことは起こらない。何より、彼は書く力がない。ネタのみで勝負、それでは1作で終わってしまう。

「経験」は大切。でも「表現力」を養わないと

続けることができない。例えば元警官で俳優に転じた人。警官役はリアルにできる。でも、そのあとは? 警官役ばかり続けるのか? それ以前に長年に渡り警官をやって来たのなら表現力、演技力が十分ではない。長い俳優人生をどう乗り切って行くのか? つまり、経験はプラスになるが、それ以上に「表現力」が大事なのだ...。(つづく)


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俳優の演技力と経験値について考える② 本物は凄いがこんなマイナス点も? [映画業界物語]

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俳優の演技力と経験値について考える② 本物は凄いがこんなマイナス点も?

ある映画で凄く迫力あるヤクザを演じる人がいた。調べると安藤昇。本物のヤクザ安藤組の組長で、その後、俳優に転じた人だった。本物は迫力がある。寅さんを演じた渥美清さんも、本当にテキ屋のような仕事をしていたし「金八先生」の武田鉄矢さんは教師になろうとしたことがある。教育大で資格も取っている。そんなふうに経験があると、演技がリアルになり、迫力を持つ。

漫画家の本宮ひろ志さんは自作「男一匹ガキ大将」のように、子供の頃、野原で木刀を持って喧嘩していたというし、ジョージ・ルーカスは「アメリカン・グラフィティ」のエピソードと同じく、若い頃は街でチキンレースをしていた。

経験をしていれば表現した時に説得力が出る。なので、高校生がいくらミステリー小説を書いても、ドラマや小説で見聞きしたものを組み合わせて殺人事件を想像。物語を作るので現実味がなく、読者を満足させることが難しい。経験は大切。だが、問題もある。考えみよう。

「俳優になりたい。そのためにいろんなことを経験しておこう!」

と大学に進学、バイトやコンパ。卒業後にサラリーマンになる。途中で辞めて、いろんな職種を転々として、タクシー運転手から、工事現場、ガードマンから、トラック運転手まで。そこから芸能界に転身すれば、素晴らしい俳優になれるのか? それはNO。経験があればリアルな芝居ができるということではない。あくまでも演技をするときに生きるというだけ。

さらに仕事をしていることで、演技を磨く時間がない。仕事帰りに演技レッスンを受けても大してプラスにはならない。お稽古ごとではないのだ。何より俳優としてのチャンスが掴めない。事務所に所属するのに「今は会社員です!」で認められるか? オーディションがあるからと、会社を休めるか? 

それなら、事務所に所属した上で、いろんなアルバイトをする方が経験値のプラスになり、俳優業も展開できる。そう考えると経験値は最重要ではないこと分かって来る...。(つづく)


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俳優の演技力と経験値について考える① 人生経験があるということ? [映画業界物語]

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俳優の演技力と経験値について考える① 人生経験があるということ?

俳優業のみならず、表現の仕事。歌手でも、作家でも、映画監督でも、鋭い感受性が必要であること。前回までに説明した。今回は「経験」の話をしよう。実は「俳優」と「作家」というのは共通したものが多くある。そこでその両者の例を上げながら説明していく。

例えば「作家になりたい!」と、高校時代にミステリー小説を書く人いる。が、何だか軽いものになることが多い。本屋で売られている小説と同じような話なのになぜか軽い?ウソっぽい。それは殺人事件を描いても、テレビ報道で見ただけの知識で書くから。刑事と会ったこともない。警察の情報も刑事ドラマから。何も経験がないのに、見聞きしただけの情報で書いても説得力がないのだ。

高校生なので、学生生活は経験している。が、それ以外はなし。大人の世界のリアルなドラマは書けない。演技も同じ。自分が知らない役を演じた場合。説得力を失い。というのも読者や観客というのは鋭く、その経験がなくても、こう思う。

「何か違うんじゃないかな?」「本当にそうなのかな?」

逆に事実であれば、詳しく知らなくても伝わる。本物の迫力というものが存在する。まして、その世界に詳しい人たちが読者や観客だと大変。「刑事はそんな行動を取らない」「被害者はそんな場面に立ち合わない」「警察官がそんな口調で取り調べはしない」と知らずに書いたこと、演じたことがバレてしまい。

「こんな小説は読めない!」「こんな芝居は見てられない!」

逆にいうと、その種の経験がある人が表現すれば、強い説得力が生まれる。松林宗恵監督の戦争もの「太平洋の嵐」「太平洋の翼」「人間魚雷」等は戦争の悲惨さや悲しみが重くのしかかる。それは松林監督自身が戦争に行き、それを体験しているからだ。では、俳優の場合はどうか? (つづく)



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