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トーク番組を見て勉強。=舞台挨拶やラジオ番組で役に立っている?! [映画業界物語]

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トーク番組を見て勉強。
=舞台挨拶やラジオ番組で役に立っている?!

スピーチについて書いたら意外に反響あったので、もう一つ。関西で生まれ育った人なら分かると思うが、トークというのは「真剣勝負」。格闘技と同じ。相手がジャブで来るか?ストレートで来るか? それが来たら、即座に返す。どう返すとウケるか? 予想はしておくが、違えば別の返しをする。コンマ0秒の戦いだ。真剣勝負ではある

が、プロレスの要素もある。

相手の技をしっかり受けて、痛がったり困ったりという反応も大切。勝てばいいというものではなく、大げさに喜んだり、嘆いたりすることも大切。予定調和もダメ。時には凶器(?)を使ったり、場外乱闘もあった方が盛り上がる。その意味ではやはりプロレスだ。関西で生まれ育てば、その辺、日常生活で鍛えられる?たけしにして「お笑いは東京で10年修行するより、関西に1年住む方が勉強になる」と言う。

以前にも書いたが、映画公開、初日の舞台挨拶。ワイドショーなので報じられるが、本当に詰まらない。司会者が差し障りのないことを聞き、俳優が真面目に答える。監督のコメントは特に詰まらない。登壇する意味ないだろ?と思えた。僕が映画で舞台挨拶をするときは絶対にああはしない!と長年考えていた。

youtubeを調べてもらえればいくつも、太田組の舞台挨拶が上がっているので見てもらえるが、いつも僕が司会して俳優が答えるという形。必ず笑いを取るようにする。見ていて聞いていて楽しいものにする。舞台挨拶だって映画の一部だ。観客に喜んでほしい。実は昔からテレビ番組を見て研究していた。

古くは「テレビスクランブル」の久米宏と横山やすし。

「パペポTV」の上岡龍太郎と鶴瓶。「松紳」の松本人志と島田紳助。彼らのトークはなぜ、面白いか? ゲストも出ないで2人がしゃべっているだけでも1時間くらい聞いてしまう。まさにトークの基本が全部詰まっている。まさに漫才だ。2人がいてボケとツッコミ。リズム、テンポ、トーン、ネタ。オチ。いろんな大切なことがある。

しかし、上記は両者ともにプロ。舞台挨拶の場合。俳優は喋りのプロではない。俳優は意外にフリートークが苦手なのだ。セリフが用意されていないと苦戦する。その場合は、トーク番組で考えると、司会者とゲストという形。トークの下手な俳優が出ても、司会者が上手ければ話は盛り上がる。

その名人は萩本欽一。「欽どこ」「欽ドン!」「週刊欽曜日」

と喋りのプロではない俳優やタレントが出るが、彼ら彼女らから見事に笑いを引き出す。明石家さんまも同じスタイル。「さんまのまんま」「さんま御殿」「カラクリTV」と喋りができないタレントから素人まで。彼にかかると爆笑のトークになる。

トークの達人は久米宏だ。アナウンサー出身ではあるが、棒読みをするのはニュース原稿だけ、報道番組でも話口調で語る。それもトーンを変え、ボリュームを上げ下げして、視聴者を飽きさせない。笑いも忘れない。その辺の芸人では叶わない。

そんな人たちのトークを見ているだけでも勉強になる。自分は誰に一番一番近いのか? 誰のスタイルなら真似できるか? そんなことを考えて実践すればとても勉強になる。そして漫才の方法論。ボケる。突っ込む。真面目な番組でも、情報番組でもそれは大事な手法だ。

あるラジオ番組にゲストで出たとき、

アシスタントの女性たちが本当に酷くて、気分だけはプロで中身は女子大生という連中がいた。トークになっていない!あまりに酷かったので、チャンスを探してわざと怒って、突っ込んだ。彼女たちはあたふたして、司会者がフォロー。でも、単に怒鳴るだけでは視聴者が驚く。番組としてアウト。だから、関西弁で「なんじゃそれはー! あかんやろー」と笑えるツッコミにした。

ある意味で予定調和を超え盛りがったが、彼女たちは番組スポンサーの事務所所属だったので「もう番組に呼ばれないかも?」と思った。ら、会社からメールが来た。

「ぜひ、定期的にゲストで来てください。皆、勉強になります」

と書いてあった。なかなかのスポンサーさんだ。トークは真剣勝負。それを理解してくれていた。



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喋りが下手な政治家、評論家、文化人。関西人は耐えられない?! [my opinion]

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喋りが下手な政治家、評論家、文化人。関西人は耐えられない?!

記事を書きながら「オプエド」を見ている。僕はシルバー会員なので、月3本まで過去のアーカイブを見られる。興味あるゲストを探しクリック。テレビ番組では決して報道されない事実や隠された事情も、この番組では発信される。フェイク・ニュースだらけの日本のマスコミではとても貴重な存在なのだ。

が、今回はその話ではない。あるゲストの回を見ていた。面白くない。話している内容は興味深いのだが、話が下手。下手過ぎる。実は僕もこの番組には2度出して頂いたので、それを見た方から

「お前がいうか!」

と叱られそうな気もするが、そのゲストは本当にイライラして途中で見るのをやめた。もちろん、スタジでライトを浴び、カメラを向けられ、制限時間ある中の生放送は超緊張する。司会進行の人もいるし、隣にあの上杉隆さんが座ることもある。緊張しない方がおかしい。でも、だからといって、話がクダクダになってもいい訳ではない。

流暢に喋れなくてもいい。ちょっとした努力で大きく変わる。同じトーンとリズムで喋る。これでは退屈。ときどきトーンやスピード、リズムを変えるだけでも、メリハリがつく。聞く人を惹きつける。が、誰もやらない。進行役にも問題ある人がいる。もし、ゲストが同じトーンでダラダラ喋ったら、うまく誘導し、転調させる質問をする。急に大きな声をあげたり、大げさなリアクションを取るだけも番組の流れが違ってくる。それに気づき盛り上げようとするのは上杉さんであることが多い。

僕は関西出身なので思うが、真面目な話でも、時はジョークを入れたり、シャレを入れて、笑いを取るべきだと考える。なのに、ずっと真面目に一本調子で話すゲストが多い。学校の授業のようで頭に入らない。もう少し言葉に感情を込めるだけでも聴きやすくなる。が、アナウンサーのように感情を配して喋ることが大事と思っているゲストもいるようだ。

「お前はNHKの解説委員か!」

と言いたくなる。そんな中、本日のゲスト・ぜんじろうさんはお笑い芸人ということもあるが、やはり話がうまい。そして世界各国でトークの仕事をしていることもあり、それぞれの国事情を興味深く話してくれる。つまり、話す技術があり、内容も興味深い。そうなると、情報はあるのに話が詰まらない人とか、もっと勉強すべきだと思えてしまう。

セミレギュラーの古賀茂明さんも決して話上手というのではないが、分かりやすく、聴きやすい。政治家でも小泉純一郎はうまい。共産党の志位さんも上手。問題はあるが蓮舫もうまい。まあ、元タレントだからね。その意味で太郎さんも抜群にうまい。それはとても大切なことだ。話上手な人はたいてい人気がある。

書かれた文章を読むような演説しかできない政治家も多い。最後まで聞く気にならない。だが、考えてみよう。俳優の太郎さんやお笑いのおしどりマコさんら「話す技術」のある人たちが「政治」や「社会」を勉強して発信している。なのに、それの専門家である政治家や評論家はなぜ「話す技術」を勉強しないのか? 

ケネディだって、マーティンルーサーキングだって、マルコムXだって海外にも参考になる人はいっぱいいる。今は映像の時代。論文を雑誌に掲載するより多くが知る事になる。その手の仕事をする人。もう少し、しゃべりを勉強すべきではないか? スピーチでせめて1回は笑いを取ってほしい。関西人なので、そんなことを考えてしまう。



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作家は子供時代に見た作品の影響を受ける?=東野圭吾、庵野秀明、そして沖縄出身の金城哲夫 [読書]

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作家は子供時代に見た作品の影響を受ける?
=東野圭吾、庵野秀明、そして沖縄出身の金城哲夫!

東野圭吾さんのミステリー「流星の絆」を読んでいる。彼の経歴を調べると、僕と同じように関西で育ち、怪獣ものが好きで、「アルキメデスは手を汚さない」を読み、同じような物語作りの仕事に就いたことを知り、不思議に思えた。まあ、向こうはベストセラーを連発する大作家であり、こちらはしがない映画監督だが、経歴だけではなく、どちらの作品も「家族の絆」を描いた涙の感動作というところにも、共通する何かあるのかもしれない?と考える。

彼は「ウルトラセブン」こそがシリーズの最高傑作だという。それは賛同する。もしかしたら最終回の「史上最大の侵略」も好きかも?あれば単なる特撮ヒーローものでない感動的なドラマだ。そこに東野圭吾作品のルーツがあるのかもしれない。「シン・ゴジラ」そして「エヴァンゲリオン」の作家で監督の庵野秀明の映画を観ると「帰って来たウルトラマン」の影響が見られる。

本人も公言しているが、その中の「決戦!怪獣対MAT」という名作がある。これも単なるヒーローものではなく、人間ドラマがよくできている。岸田森演じる坂田の思い出話ー太平洋戦争時の記憶ーが胸に突き刺さる。「シン・ゴジラ」にもその作品の影響が見られる。東野にしろ、庵野にしろ、今、公開中のアメリカ版「ゴジラ」の監督もそうだが、子供の頃に見た作品というのは大きい。

例えば先の「ウルトラ」シリーズの脚本家には金城哲夫と上原正三という人がいる。この2人は沖縄出身。彼らが書いた脚本にはやはり沖縄人の思いがこもっていた。それを見て育った僕は、3年がかりで「ドキュメンタリー沖縄戦」を完成させたが、その戦争の歴史を知るたびに、彼らの思いが蘇った。彼らが作品に込めた悲しみが改めて心に突き刺さった。

金城哲夫が書いた「ウルトラセブン」名作と言われるエピソードに「ノンマルトの使者」がある。通常のように悪い怪獣が出現。警備隊が攻撃。ヒーローが最後に倒すというものではない。金城の中で、人類に復讐するノンマルトこそが沖縄人。ウルトラ警備隊は自衛隊。ウルトラセブンはアメリカの第七艦隊がダブっていたと言われる。悪いのは誰なんだ? もともと地球はノンマルトのもの。それを侵略したのが地球人なのだ。

そんな物語を幼い頃に見ていたせいで、僕はきっと感動ドラマだけでなく「朝日のあたる家」や「ドキュメンタリー沖縄戦」にもチャレンジしてしまうのだろう。東野圭吾のエッセイを読んでいると「私はアホでした」という話になっているが、何か、幼い彼の心に突き刺さる体験があったのではないか? と思えてしまう。大人たち。親たちに対する憤り、不信感。そんなものが物語の背景に流れているような気がする。



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作家・東野圭吾との共通点=同じ大阪で高校時代。共に怪獣好き!? [読書]

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作家・東野圭吾との共通点=同じ大阪で高校時代。共に怪獣好き!?

90年代。僕は島田荘司さんをはじめとする新本格派からスタート。いろんなミステリーを読んだ。その後、宮部みゆきさんにハマり。「理由」以前はほぼ読んでしまった。不思議な縁でその「理由」の映画版(大林宣彦監督)のメイキングを担当している。その後は監督デビューして、本を読むという時間がなかなか取れず、自宅入院状態の時に村上春樹を読みあさり、それからもう8年が経つ。

今回の自宅入院状態でのヒットが東野圭吾。ドラマや映画にはなっており見ているが、原作は読んだことがなかった。今は「流星の絆」を読んでいるが、まあ、面白い物語をあれこれ考えるものだ。僕も物語を作る脚本家の仕事をしているが、脱帽だ。一体、どんな人なのだろう?と調べてみると。僕より2歳上。ほぼ同世代。

自伝的なエッセイを読むと怪獣が大好きだったと知り、共感。「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」を同じような番組を子供時代に見て、夢中になり、怪獣にもかなり詳しいようだ。これは仲良くなれるかもしれない。怪獣ものは僕も負けない。「この人は凄い」と思ったのはあの切通理作さんだけ。

いつか、東野さんと怪獣対談というのをしてみたい。そして、中学時代に「アルキメデスは手を汚さない」というミステリーを読んだとのことが、僕も読んでいる。そこから「二十面相」でない大人の推理ものを読み始めたのだ。さらに共通点は大阪で中学、高校時代を送っている。なのでエッセイを読むと笑えるところが多い。

とても偉そうなことを言うと、僕は小説で映画化したい!と思う作品がない。僕の監督作は全てオリジナル。そして家族の絆で最後に泣ける。東野さんの小説も同じ。もしかしたら、東野さんの原作で「映画化したい!」と言うのが見つかるかも? でも、人気作家だ。原作料を払いきれないかも? そんなことを考えつつ、彼の小説を読んでいる。


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「祈りの幕が下りる時」映画=>原作=>映画比較 関西弁の謎? [映画業界物語]

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「祈りの幕が下りる時」映画=>原作=>映画比較 関西弁の謎?

最初、映画館で見た。前作はさほどではなかったが、この作品は感動的だった。映画版の「砂の器」をイメージしていると思える。同じ親子の悲しい運命の物語だ。で、原発ジプシーの話が出てくるので原作はそれが重要な意味を持つと思えた。映画版ではカットされているに違いない。ところが原作でも、それほど大きな比重はなく、原発の闇に切り込むことはなかった。

原作を読んだ後、今度はamazonプライムで映画を見た。やはり、ミステリーは映画で見ると分かりやすい。俳優が演じることで、誰が誰か?分かるし、殺人やトリックの状況も映像だと分かりやすい。細かな点での相違はあるが、ほぼ原作通りに映画化している。

一点だけ気づいたこと。ヒロイン(松嶋菜々子)が父親(小日向文代)と会うシーン。共に滋賀県の生まれ育ちの設定なのに標準語になっていた。原作では関西弁。そこが泣かせに貢献しているのに、なぜ? 全てを標準語にするならアリ。だが、松嶋が母親に会う時は関西弁で台詞。それがとても良かった。悲しさが溢れた。なのになぜ、父との会話が標準語か?

舞台裏を考えると松嶋は横浜出身だが、頑張って関西弁の台詞に挑戦した。小日向さんは北海道だが、演技派であるが、関西弁を避けたのだろうか? もちろん、関西弁は難しい。そして関西の人間はちょっとニアンスが違うだけで猛攻撃する。他の地方では見られないこだわり。でも関西に生まれそだ立つ関西弁の台詞がうまい役者は稀有。

その意味で小日向さんが「標準語でやりたい」とリクエストした可能性がある。が、彼ならできなくはないだろう。あの場面は絶対に関西弁でやるべき。僕の「明日にかける橋」でも、父と娘の涙の場面がある。鈴木杏ちゃんと板尾創路さんの場面。あそこも板尾さんが関西弁だから心に染みる。そのために関西出身の役にしてある。

「祈りも」同じような場面だ。原作も関西弁。それを松嶋は関西弁をこなすのに、なぜ、小日向さんは? それとも別に演出意図があるのか? そこだけがとても残念に思えている。



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「ユリイカ」217分の長編映画を見た。 [映画感想]

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「ユリイカ」217分の長編映画を見た。

ケーブルテレビで2004年に録画だ。つまり、15年前! でも、上映時間が217分。3時間37分の長編なので、なかなか見る機会がなかった。映画製作が始まると全く余裕がなく、自宅入院状態では長すぎて辛い。それをようやく見ることができた。

九州のバスジャック事件をモチーフにした物語だが、刑事物でもアクション物でもない。非常に地味な話。僕は絶対に作らないし、作れないタイプの映画だが、なかなか興味深く一気に見てしまった。3時間37分は決して長くない。バスジャック事件で心に傷を負った1人の男性(役所広司)と2人の姉妹(宮崎あおい兄妹)を中心に、その傷心の生活を描く。

キャストもなかなかで、利重剛、光石研、真行寺君枝、国生さゆり、松重豊と豪華。一癖ある魅力的な俳優陣が揃っている。監督は青山真治。僕より2歳下。この映画を監督したのは38歳。大したものだ。画面はアップが少なく、引いた冷めた絵が多い。黒沢清監督のスタイルに似ている。

こんなスタイルで人生を描くことができるんだ.....という驚き。いや、すでに同じタイプのものは数多く存在するのだが、自分では絶対にできないので毎回、驚愕する。黒沢清監督の作品群もそうだが、ハリウッドとはまるで違う。それもあり、この作品はカンヌ映画祭で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞を受賞している。


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