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「明日にかける橋」を久々に見ると新鮮。結構、客観的に見れて面白い? [明日にかける橋=感想]

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「明日にかける橋」を久々に見ると新鮮。結構、客観的に見れて面白い?

訳あって「明日にかける橋」を見直している。最後に観たのは東京。有楽町スバル座の最終日。それから4ヶ月くらい。次のプロジェクトが始まり、頭が切り替わったこともあり、かなり新鮮。黒澤明監督も7年くらい経つと、素直に自作が観れると言っていたが、同感。

撮影から時間が経たないと、観ていて「ああすればよかった...」「ここは撮り直したい...」と反省ばかりが先に立ち、作品を素直に見れない。本当にこのシーンで泣けるのか? 笑えるのか?と疑心暗鬼にもなる。それが数ヶ月で結構、素直に観れるようになった。

自分で自作の印象を書くのも変な話だが、「明日にかける橋」は基本、SFかフアンタジーである。「バック・トウ・ザ・フューチャー」の日本版と一応言っている。だが、観ているととオープニングからして、SFではない。そしてヤングみゆき(越後はる香)編はまるで文芸映画のよう。

宇宙人もUFOも出てこない。超常現象も幽霊も出ない。普通に家族ドラマ。それも超真面目な物語に思える。タイムスリップものの多くは、「BTTF」を始めコミカルな描写がある。日本だとアイドルが主人公を演じて、「えーーーここは1990年なの〜」という演技をしがち。

それが越後を始め、皆、シリアスで重厚な演技。ま、自分でそういう演出に決めたんだけど。その辺が印象的。また、タイムスリップものの多くは、現代から物語がスタートして、過去へ行く。それがお決まりのパターン。だが、「明日」は過去からスタートして、現代になり、再び過去に行く。これはめずらしいスタイル。

だからこそ、後半で観客が大人みゆきを応援したくなる。観客も過去を体験することで、よりみゆきの気持ちがわかるようになるからだ。そんな仕掛けもありつつ、物語は弟・健太の死が描かれる。「弟を死なすか?」という感じ。通常、この手のドラマはコミカルだったり、ファンタジーらしい演出をする。

タイムスリップ前に時空の歪みを感じる現象があったり、不思議な出来事があり、予感させる。が、「明日」はそれが一切ない。文芸作品を見ているような気になるので、弟の死はかなりショッキング。誰かもツイッターで「上映スタート10数分で驚愕の展開」と書いていたが、あらすじを知らないとそう思うだろう。

そのあとの葬儀。これもめっちゃシリアスにリアルに描いている。そこで「泣ける場面①」の里美先生(藤田朋子)とみゆき(越後はる香)のシーンとなる。この辺も全然SF色がない。観ていて胸が苦しくなる。里美先生と一緒に「みゆきのせいじゃないよ!」と伝えたくなる。

さあ、このあとが酷い。アルビノーニのアダージョ♬に乗せて平成不況が描かれていく。その時代の中で翻弄されるみゆき一家。もう、全然SFでも、ファンタジーでもない。長尺の文芸作品のよう......なんて、思いながら見ている。さあ、このあとは大人みゆき(鈴木杏)編となる。


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小沢一郎の選挙手法。大事なのは仲良しゴッコではなく、党が勝つこと。興味深い=映画の世界も同じ。 [映画業界物語]

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【小沢一郎の選挙手法。大事なのは仲良しゴッコではなく、党が勝つこと。興味深い=映画の世界も同じ】

沖縄の知事選。デニーさんが立候補。対する自民側の候補には官房長官、小泉進次郎と実力者たちが応援に駆けつけた。その上、与党はあれこれ裏でも画策しているはず。デニーは大敗か? と思いきや大勝利だった!

与党に頼りがちな他の地域と違い、沖縄の人たちの熱い思いが勝因と言える。が、もうひとつ。デニーさんは自由党。小沢一郎の党だ。「選挙の神様」と言われる人。二度に渡り自民党から政権を奪った政治家。彼の功績も大きいはずだ

ただ、世間での評判は悪い。多くの人が「嫌い」という。でも、誰に聞いても「彼が何をしたから嫌いになった」といえない。要はメージだけ。おかしい。その辺から自分なりに小沢研究を始めた。

現在のトランプもそうだが、あまりに批判を受ける人は何かある。本人の問題ではなく、別のところに背景があることが多い。そんな小沢一郎が先日、BS番組に出演。選挙について語っていた。

ずっと野党が負けているのは、選挙区に野党が何人も候補者を立てるから。そのために票が分散し、それなりの票しか取らない自民候補にも負けるという。さらに

「候補者は同じ党から同じ地区に2人立てる。必ずどちらかが勝てる。ただ、それをやると候補者に嫌がられる。どちらかが落選することがあるから。でも、党のことを考えるとそれが大事なんです」

候補者としては嫌だろう。そんな危険なことをするより、1人に絞った方が安全だと思うだろう。その地区は自分しか立候補しない。それで負けたら諦めもつく。けど、2人が立ち。片方が落ちる。

「あいつが立たなければ、俺が当選したのに...」

と思えるだろう。そうなると

「小沢さんがあんなことを言うから!」

と恨まれるという話のようだ。確かに候補者側は、そう考えるだろう。でも、選挙ということなら小沢の考え方が正しい。候補者個人の気持ちより、党として全国で何人勝てるか?ということが大切だ。政治は数。多くの議員を抱えている党が発言を持つ。もし、そこで党首が

「候補者に辛い思いをさせたくない」

と、2人候補を止めて、各位地域1人ずつにする。各候補はやりがいがあり、落ちても「努力不足だった」と諦められるかもしれないが、党としては後悔どころではない。

数の力があるから、法案を通したり、悪法を反対したり、政治を動かすことができる。それが国民のためになる。小沢一郎の思いはそこにあるのだろう。だから、その戦略で落ちた候補が小沢を恨むというのは筋違い。自分が当選することしか頭にないと言える。

同じ党なら、同じ志を持つ者同志、誰かが犠牲になっても党としての志を果たすには多くが当選すること。そして政治を動かすこと。それが大事。それを実践しようとする小沢を恨むおはどうなのか?と考えていて、映画業界にも似たようなことがあるのを思い出す。

監督がキャスティングする。Aさん。これまで毎回出演してもらったが、次回作はカラーが違う。だからオファーしない。多くの役者はそれを理解する。寂しい思いもするが、意図を汲む。だが、それを逆恨みする役者もいる。

「見捨てられた...」「嫌われた...」「今までがんばってきたのに!」

と監督を恨む。そんな役者は出演することだけに囚われ、作品の完成度を考えていない。学生映画時代にもあった。以前も書いたが、集合時間に遅れる友達が1人。「先に現場に行き、撮影しよう」というと、

「**君が可哀想だ。待って上げよう!」

と言い出す奴が出て来る。そのために撮影スタートが1時間遅れる。日が沈むまでに取りきれないシーンが出る。別の日に撮影せねばならず、全員に迷惑をかける。これも1人の友達が可哀想という発想が、全体にとって大きなマイナスとなる。

この2つ。先の小沢一郎を恨んだ候補者と同じ。目先のことしか考えていない。いい映画を作ることより、自身が出演すること。学生映画を作るより、遅刻した友人が可哀想と考えること。いずれも全体を考えていない。

人はそんなふうに全体を見ることができず、自分のこと。身近な人のことを大切にしてしまう。それが全体としてマイナスになることが分からないことが多い。政治も映画も、いや、いろんな世界でそんな近視敵視野の人が、大局を妨げているように思える。

ただ、そのBSニュースを見ていて、もうひとつ感じたことがある。小沢一郎の考え方だ。実は、僕も似たことをする。仲のいい俳優だからとキャスティングしない。お世話になっているプロデュサーの頼みでも、作品にプラスにならないことはしない。(よくPは癒着しているプロダクションの俳優を無理やり入れようとする)

地方で映画を撮るときも、お世話になっているからと、地元の有力者の店でロケしない。物語に相応しければ使うが、そうでなければ無理に使わない。

もし、Pのゴリ押しを素直に聞けば、また仕事をまわしてくれる。その俳優とも今後も仲良くできる。地元の有力者も喜んでくれる。でも、そのことで映画のクオリティが落ちれば意味がない。観客が見ていて「何でこの俳優がこの役?」と感じる。「この店、この場面で使う?」そう思われたら作品にとってマイナス。だから断る。

するとPは二度と仕事をくれない。地元の有力者は「応援してやったのに、裏切られた」と言い回る人もいる。俳優は「信じていたのに...」と思う。皆、自分に正義があるようなことをいう。が、彼らは自身のプラスしか考えていない。作品のマイナスを想像していない。そんな人たちとは山ほど出会った。

小沢一郎に近づいて来た政治家たち。最後は去って行くという話も聞く。自身の利益を求めて小沢に近づく、彼に従えば選挙で当選できる。そんな輩は落選すれば「ダマされた」「裏切られた」と自分たちが正しく、小沢が悪いというかもしれない。それを聞きかじり「だから、小沢一郎は嫌われる」という人もいるはずだ。でも、彼は目先のことに縛られないから、政権を2度も奪うことができた。

世界は違うが、映画を撮るというと、利益を求めて近づいて来る人たちがいる。先のようにPや地元の人が、あれこれ頼み事をしてくる。俳優たちが「出たい!」と言って来る。でも、作品にプラスにならない提案は断る。すると「偉そうに」「失望した!」「何様だ!」「応援してやったのに!」と嫌われる。いい触れ回る人もいる。だから、分かる気がする。

でも、選挙で大切なのは何か? 党が議員を増やすことだ。みんなが仲良くすることではない。ー映画制作で大切なのは、みんなと仲良くすることではなく、素晴らしい作品を作ることだ。そう考えると、嫌われても突き進む小沢一郎という人。さらに興味を持ってしまう...。


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テレビ番組を見ることがなくなった。今見るのはネット。ニュースは「オプエド」映画はAmazonプライム? [11月ー2018]

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テレビ番組を見ることがなくなった。今見るのはネット。ニュースは「オプエド」映画はAmazonプライム?

80年代の日本映画は退屈なものが多かったが、テレビ番組はおもしろかった。時代を先取りしたパワー溢れる番組がたくさんあった。が、今、そのテレビが詰まらない。ここ数年、まともに見ることがなくなった。

ドラマが時代遅れ。毎週9時からのドラマを12回連続で見るだろうか? 大人も子供も忙しく、その曜日の、その時間にテレビの前にいろという局の古過ぎる感覚が信じられない。

だったら、ビデオに録って!と思うかもしれないが、わざわざ録画してまで見たい番組もないということ。90年代は視聴率30%はそれなりにあった。が、今のドラマは2桁いかないものが多い。それだけ魅力あるドラマがないこと。ドラマを見せる側の意識が旧体制のままだということなのだ。

録画したって、12話のドラマを12週間もかけて見続ける忍耐と時間を考えると、もはや、連ドラという形は時代遅れなのだ。もし、長尺もののドラマが見たければレンタル屋で「24」や「プリズンブレイク」「ウォーキングデッド」を借りて来て、1日がかかりで見ればいいのだから。韓流ドラマでもいい。その方が今の生活スタイルにあっている。

そのレンタルビデオでさえ、終局が訪れている。先日、Amazonプライムというのを引いた。24時間、好きな時間に、そのサイトにある映画やドラマが見れるというシステム。昨日も夜中に「24」のシーズン9をチラッと見たら、引き込まれた朝まで見てしまった。

対して、ここしばらくテレビを付けたまま仕事をしてみたりもしたが、本当に見るべきものがない。映画やドラマはもうテレビで見る必要はないが、バラエティも詰まらない。芸人が町を歩くだけのもの。どっちでもいい知識を競うもの。

役者の人生を語るもの。お笑い番組も身近なちょっとしたネタで盛り上がる。みな、差し障りのないものばかり。だから、ウーマン・ラッシュアワーの漫才は衝撃だった。テレビではお笑いでさえ、あれこれ言えなくなってしまったのだ。

ニュース番組だけは録画して見ていたが、あの人が降板してから録画も止めた。ほとんどのニュースが大本営発表になり、それこそフェイクニュースを平気で流している。最近はニュース番組というと上杉隆さんの「オプエド」を見ている。

テレビでは絶対に報道しないこと。知らなかった事件の裏側等、これぞニュースという番組。でも、テレビではなく、ネット番組。Amazonプライムもネット。テレビ見るものなくなっていく。

これは多分、時代の流れ。テレビが普及したことで映画人口が減った。そして今、ネットが普及したことでテレビの需要が激減したということだろう。テレビ局の奢りと努力不足もあるが、時代なのだ。先にも書いたが、毎週、月曜日、午後9時からの放送に合わせて、人々はもう生活していない。録画して見るほどの価値もない。

対して、ネットは好きなときに好きな時間。好きな場所で見ることが可能だ。電車で、会社で、喫茶店で、「オプエド」を見ることができる。新しい情報を新しいニュースを得ることができる。夜9時にテレビの前に行き、国営放送で?大本営発表を見ることでプラスはない。

いつの時代もそうだが、大きな変革のときは、過去に大きな力を持ったところが、からまわり、後手後手になり、次第に崩壊していくものだ。そんな時代をどう乗り切ればいのか? 日本人は試されている。



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