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「明日にかける橋」おばちゃんたちが成し遂げたこととは?=未来を変えた主婦チームの功績 [地方映画の力!]

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「明日にかける橋」おばちゃんたちが成し遂げたこととは?=未来を変えた主婦チームの功績

何をいっても文句をつける友人がいる。古くからの付き合いだが、かなり捻くれている。今回の「明日にかける橋」の製作をスタートさせるときにも、こう言われた。

「地元のおばちゃんたちが映画作るぅ〜? 寄付を集めて? 政治家や企業の社長はメンバーにいない? それじゃ無理だな。金は簡単に集まるもんじゃない。現実は厳しいんだよ」

しかし、おばちゃんたちは製作費を集めた!

「どーせ、ロクでもない映画しかできないよ! いくらプロを雇っても素人は素人だ…」

完成した映画を観て多くの人が感動。完成披露試写会には3000人が訪れた。

「けど、地元で上映するだけだろ? 地方映画ってそれで終わるんだよ。自己満足だよ...」

東京で公開が決まる。

「でも、どーせ、小さな映画館だろ。客の来ない町の。それもレイトショーだな?」

有楽町スバル座で公開決定。1日3回上映。スバル座は昔の壱番館。名画を選び上映する老舗映画館である。

「ま、運がよかっただけさ。そこで終わり。全国公開はメジャー会社の作品でなければ無理だよ」

次々に全国の上映館が決まり、最終的には20館くらいになりそう。地元でも公開が決まった。

「どーせ、地元では1日2日だろ? 市民会館だな」

ららぽーと磐田ーTOHOシネマズで公開決定!日本最大の映画館グループ東宝の直営館である。

「せいぜい1週間の上映しかできないよ。それが映画界の基本。甘くないよ」

初日、2日目はチケット完売。現在。6週目の上映。大ヒットだ。

「地元だからウケているだけだよ。映画自体が評価された訳じゃない」

ロスアンゼルスの映画祭で特別賞を受賞。

「……………….でも、俺は……興味ないね…….」

彼と話すたびに笑いをこらえるのに必死だった。「どーせ無理」「世の中甘くない」口癖のいうようにいう人がいる。人の努力を否定ばかりしている奴がいる。友人はまさにそんなタイプ。なぜ、そんなことばかりいうのか?

彼は努力をしない、挑戦もしない。自分からは何もしない。だから自分が何もしないことに対する言い訳なのだ。「どうせダメだ」「無駄だ」「絶対に無理」だから自分は努力しない。行動しない。「だって無理なんだから!俺は現実を知っている。甘い考え方をしない。シビアな大人なんだ。夢見る甘ちゃんとは違うんだぜー」という意味なのだ。

何て寂しい人生なんだ。実は、真剣にかかれば、努力すれば、諦めなければ、できることはたくさんある。それを「明日」のおばちゃんたちは証明した。おばちゃんたちだけで製作費を集め、プロのスタッフと俳優を雇い、地元の映画館に交渉し、みんなで宣伝して、大ヒットさせた。多くの人が感動の声を上げた。多くの市民がおばちゃんたちに感謝した。

「私たちの町はこんな素敵なところなんだね...」

おばちゃんたちも途中で辞めよう、無理だ….と思うことがあっただろう。でも、諦めずにがんばった。「明日にかける橋」のテーマを思い出す。

「未来は変えられる...」

おばちゃんたちはそれを実践したのだ。友人はそんな凄い人たちと接したことがなかったのだろう。壁にぶつかるとすぐに投げ出す人たちしか知らなかったのだ。同じ意味で、今回、おばちゃんたちを見ていた町の子供たちは感じただろう。

「大人は無理だ、可能性が低い、やめた方がいいーすぐにそういうけど、おばちゃんたちは夢を実現した。私たちもやればできるのかも?」

おばちゃんたちは町をアピールする映画を作っただけでなく、子供たちに夢と希望も与えたはずだ。

ちなみに、先の友人も密かに映画を観たようだ。「意外によかったよ..…」と言っていた。そういう言い方をするときは感動したときだ。

日本各地で映画の上映は続く。おばちゃんたちの奮闘も続く。劇場公開が終わっても、まだ終わりではない。自主上映、レンタル上映、学校等での上映。DVD化、テレビ放送。まだまだ、多くの人たちに映画を観てもらうことが大事。がんばれ、おばちゃんたち!


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キャスティングってどんな風にして行うんだろう?=映画「明日にかける橋」の俳優はいかにして決まったか?❷ [映画業界物語]

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キャスティングってどんな風にして行うんだろう?=映画「明日にかける橋」の俳優はいかにして決まったか?❷

太田組作品のこだわりがある枠がある。関西弁キャラだ。そして大物俳優枠。僕の作品はどの地方で撮っても、あえてその地方の方言は使わない。理由は詳しく以前に書いたが、簡単にいうと、その町を観客が自分の故郷と感じてもらうためだ。

もし、方言を使うと観客は「**地方で起こった物語」という外部からの視点で観てしまう。それが必要なドラマもあるが、そのことで他人事になる。「へー、この街ではこんな事件があったのね?」という感じ。言葉も分かりにくい。それが標準語なら素直に見られる。次第に自分の故郷の物語に思えてくる。そう感じてもらうためには言葉で引っかかったり、距離を持たれるのは大いにマイナス。大林宣彦監督の「尾道シリーズ」も同じ手法。そこから学んだ。だが、関西弁を話すキャラを1人だけ入れる。

「ストロベリーフィールズ」「青い青い空」では波岡一喜君。「朝日のあたる家」では山本太郎さん。「向日葵の丘」では北原雅樹君&斎藤とも子さん。そして今回はお父さんを関西人にしてみた。ハリウッド映画ではよく1人だけイタリア後訛りの登場人物が出てくる。字幕スーパーで見ると分からないが、そのキャラがコミックリリーフだったりする。

陽気なイタリア人、或いはイタリア系のキャラを入れることで物語にアクセントを付ける。「スターウォーズ」でいえばC-3POは米語ではなく英語で話す。そんな風にして言葉でキャラ付けして、同時にドラマにアクセント付けるという手法。日本映画でこれをしている監督は少ない。

それに今回は地方映画。何でもかんでも、その地域のものだけで固めるとPR映画色が強くなる。そこに別の地域の要素を入れることで広がる。そんなことでお父さんを関西の人にした。もうひとつは「一番泣けるシーン」と言われた父と娘の語らい場面。お堂の前の。あのセリフを標準語でいうとカッコよくなり、情の部分が伝わりにくくなるんじゃないかと不安だった。関西弁に関わらず、方言というのは情や優しさが出る。その意味もあってお父さんを関西人にしたのだ。

さて、キャスティングだ。関西弁となると、絞られてくる。というのも、関西人は下手な関西弁を強硬に許さない。ちょっとアクセントが違うと「アカん!聞いてられへん!」と怒り出す。これ関西だけの特徴。だから遊説で必ず方言を入れる、あの小泉進次郎も関西だけはそれをしないという。よく理解している。ちなみに僕も関西人なので、下手な関西弁を話す俳優を許せない。キャスティングは当然、関西出身の人だ。

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キャスティング・ディレクターと相談。いろいろ候補を上げる。お笑い芸人も何人か上がったが、バラエィをメインでやっている人は俳優業をアルバイトと考えがち。手抜き演技をよくやる。それは避けたい。リストアップした中で、一番興味を引いたのがあの人。

板尾創路さんだ。元々はお笑い芸人だが、最近は俳優業がメイン。なんといっても「空気人形」は最高だった。あの哀れな独身男の感じを出せる俳優はなかなかいない。あの哀れな感じ。まさに「明日」の親父に出したかった部分。といことで板尾さんにオファー。

時間がさほどかからずに、田中美里、藤田朋子、板尾創路さんの事務所からオーケーの返事が来た。皆、こう言っているという。

「ぜひ、やらせてほしい!」

そんなメッセージ付きだった。ありがたい。今回の「明日」は低予算映画。オファーした3人はゴールデンタイムに活躍する超多忙な俳優たち。そもそも僕なんかが依頼できるランクの俳優さんたちではないのだ。にも関わらず、全員から承諾!を頂いた。毎回、依頼しながら何で??と思う。

さて、次は大物枠。以前に出て頂いたのは松坂慶子、長門裕之、津川雅彦と、これまた凄い顔ぶれ。本当に無謀なオファーをしている。でも、なぜか? 超大御所の俳優さんも僕の書いたシナリオを読むと「出たい!」といってくれる。恐縮。今回の大物枠。考えた。

大切なのは戦争を語れる人。高齢者になるので、なかなか難しい。が、まさに、そのことを訴えている人がいた。宝田明さんだ。先の知事選に出ようかと検討していた話。新聞で読んでいた。憲法改正についてもニュース番組で語っている。早々に依頼。承諾を頂く。

だんだん、枚数が少なくなってきたので急ぐ。通常は主人公を演じる大人の俳優を選び、その人に似ている子役を選ぶ。が、僕の場合。前回の「向日葵の丘」でもそうだが、常盤貴子さんのオーケーをもらう前に、高校時代を演じる芳根京子をオーディションで選んでいる。今回も同様に先に高校時代を演じる越後はる香を選んだ。大きな理由がある.....。(つづく)



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明日にかける橋、ららぽーと磐田7週目上映決定。 太田組作品(地元上映)歴代1位となりました! [10月ー2018]

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明日にかける橋、ららぽーと磐田7週目上映決定。

太田組作品(地元上映)歴代1位となりました!

今夜は美里ビールで乾杯。

皆さま。ありがとうございました。

そして地元実行委員の皆さま。

おめでとうございます!


僕の監督作。地元では毎回ロングランする。振り返ってみよう。

2010年ー
「青い青い空」浜松ザザシティ 6週間
浜北、磐田でも上映されました。

2015年ー
「向日葵の丘」藤枝のシネプレーゴ 6週。
3週の予定がどんどん伸びて正月映画の直前まで。「これ以上延長できません!」と6週で終了。

2018年ー
「明日にかける橋」ららぽーと磐田 7週目

先週は台風。そして連休は地元でお祭り。さすがに映画館に行く人は少ないので、6週で終了と感じていた。が、本日、第7週突入が決定。そして新記録達成だ。

「ストロベリーフィールズ」と「朝日のあたる家」は条件が違うので除外。静岡県西部のみだと歴代1位が「明日にかける橋」となる!

祭の時期にも関わらず、映画館に行ってくれた人が数多くいたのだろう。感謝!これも地元実行委員会のおばちゃんたち(もちろん、おじちゃんもいます!)の宣伝活動の賜物。

ただ、さすが8週目はないと思うので、まだ観ていない方。もう一度見たい方はぜひ、週末にららぽーとに出かけてほしい。今度こそラストチャンスですぞ!

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「明日にかける橋」ラスト舞台挨拶ツアー支援への感謝&ご報告 [10月ー2018]

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「明日にかける橋」ラスト舞台挨拶ツアー[☆]?支援への感謝&ご報告

先日のラスト舞台挨拶ツアーと宣伝費支援について、ご報告します。すでにご存知の通り、今回の映画「明日にかける橋」は地元のおばさま方が企画、市民からの寄付で製作した作品です。

このような市民が製作した映画の場合。往々にして製作で精一杯になり宣伝費にまで気がまわらないことが多く、完成し、映画館での上映が決まっても「宣伝費がない!」ということがよくあります。

ですが、おばさんチームはしっかりと考えていました。昨年暮れの地元完成披露試写会での収入。映画館公開の費用にまわすことを計画したのです。この種の映画の場合よく「地元の方に協力してもらったから、無料上映にしよう!」ということをしますが、そうなると収入ゼロということになります。

なのに「市民に喜んでもらえて良かったね!」チャンチャンという人もいます。あれ? 町を全国でアピールするための映画でしょう? 映画はできたけど宣伝はどうするの?ということになるのです。「え、映画館が宣伝してくれるんじゃないの?」という人もいますが、そんなことはしてくれません。宣伝費を用意していない映画を映画館は上映しません。結果、全国公開どころ、どこの映画館でも上映ができない!ということになるのです。

宣伝は大事。ですが、テレビ、新聞、ネットと宣伝の洪水の中にいる日本人はそのことを忘れがち。あまりに多くの宣伝が渦巻いていると先の人のように「誰かが宣伝してくれるよね?」と勘違い。テレビや新聞が地方映画の広告を自らしてくれる訳もなく、映画館も当然宣伝しない。だから関係者のみが映画を観て終わるという寂しい、無意味な結末になりがちなのが市民映画。ですが、遠州のおばちゃんたちは違います。それをちゃんと考えて、地元完成披露試写会を有料で実施。その費用を全て東京公開の宣伝費にまわしたのです。

観客の中には「撮影にボランティアで協力したのに、入場料取るのか?」と思った人もいたかもしれません。でも、ボランティアとは無料奉仕のこと。なのに「入場料(映画館なら)1800円になる額をタダにしろ!」というのは、金を寄越せというのと同じ。それはボランティアではありません。入場料というより全国発信の協力費なのです。その辺をおばちゃんチームはよく考えており、見事に宣伝費を作りました。

その上、おばちゃんたちは試写会のときも、全てボランティア。チケットを売るのも、会場の準備も、宣伝も、誰もギャラももらわず、食事や交通費も自腹です。彼女らの収入はゼロ。「私たちの作った映画を全国の人に観てほしい!」という熱い思いのみでやっていたこと。本当に頭が下がります。そして、映画館での上映も全て収入(かなりあとでしかもらえませんが)は宣伝費やその後の費用にまわし、自分たちは1円も取らないとのこと。完全ボランティアなんです。

さて、宣伝費ですが、映画1本を売り出すためにはかなりな額が必要です。洋画の大作「スターウォーズ」とか「ミッション」何とかとかの場合は8?10億円の費用をかけます。何百万もするテレビのCMスポットをバンバン打ち。大手新聞に一面広告(*千万円!)巨大看板、有名タレントを呼んでのイベント。

それに対して低予算映画の場合の宣伝費は数百万円。これだと、チラシ、ポスター、前売り券を作り、マスコミ向け試写会を5?10回程度(大手映画なら20回以上)、あと舞台挨拶の費用を入れると(これも宣伝費です)ほぼ予算オーバーとなります。

ただ、ある程度は宣伝しないと、広い東京で観客が映画を観に来てはくれません。大都会は情報が渦巻いています。その中で1本の映画を伝え、観に来てもらうことは至難の技。そのために大手映画会社は巨額の費用をつぎ込み、物量宣伝します。対して低予算映画の場合はCMなし、新聞広告なし、雑誌広告なし、映画館に置くチラシとポスターを貼ってもらうくらい。あとは、マスコミに売り込み、いかに雑誌や新聞で告知してもらうか?が勝負。

そんな中でも重要なのは舞台挨拶。有名俳優をナマで観られるので、多くの人が劇場に来てくれます。観た人の口コミがより広がる。ただ、かなりな費用がかかります。俳優のギャラーこれはタダ。俳優さんのご好意。でも、メイク、衣装代は宣伝費から。メイクさんを呼ぶと1日高額のギャラが必要。さらにはスタイリスト。それを俳優の人数でかけると…..。

また、控え室がない劇場の場合は、近所のホテルに部屋を取る。有名俳優だと、待ち時間は1人になりたいから…と個室を要求する人もいます。そして食事。これもほか弁では済みません。宣伝スタッフ分も入れて注文。あと司会者もお願い。ギャラが必要。メイキング用に撮影するなら、カメラマンも呼ぶ。もちろんギャラ派生。それらを全て合わせると普通は100万円ほどかかってしまうのです。

そんな舞台挨拶プラス先ほど説明した最低限の宣伝。それをしないと東京で観客に来てもらうことはできない。明日にかける橋」もそんな形で東京公開、初日舞台挨拶を実施。いろんな形でも宣伝したので、予想以上に観客動員。そのことで日本各地の映画館公開も決まりました。インディペンデントの場合は東京でまずヒットしないと、4大都市、さらには地方の映画館に広がらないのです。

「明日にかける橋」は予想を超えて多くの映画館が上映を受け入れてくれました。これは嬉しいことですが、問題は宣伝費。先に集めた費用は東京で使ったので残り少々。さらに、ロスアンゼルスの映画祭の招待作品になりました。今時はカンヌ映画祭でも参加する側が交通費を出さねばならず。また費用が嵩みます。この辺は嬉しいやら戸惑うやら複雑。

そこで地元おばちゃんチームはクラウドフェンディングを開始。寄付した人にはリターンがあるという今、流行りの手法に挑戦。さらには地元で人海戦術を使い寄付集めを再び。その際に寄付、出資をしてくれた皆さま。本当にありがとうございました。それらの費用も全て宣伝費にまわせて頂きました。

それによって、チラシとポスターの増刷。LAの映画祭に監督を送り込み(特別賞を受賞!)。横浜、大阪も舞台挨拶実施。スバル座では若手俳優の舞台挨拶。そして地元静岡県の公開初日舞台挨拶。鈴木杏さんをお呼びして磐田市、静岡市の2箇所で実施。さらに杏さんには前日から来てもらい、県庁、テレビ局、ラジオ局、そしてマスコミ取材も受けてもらいました。

お陰様で地元では大ヒット。ららぽーと磐田では初日、2日目のチケットが完売。映画を観て頂けない方まで出てしまい、申し訳ない限りでしたが、大好評。2週間の上映予定を大幅に超えて、現在第7週目の上映中。

ですが、新たに集めた宣伝費も少し前に尽きました。もう少し余裕があれば、例えば大口の寄付等があれば、海外の大きな映画祭へのエントリーが可能でした。というのも映画際に参加するには手数料が必要。安くない額です。その上で審査を受けて上映が決まる。「明日?ならいくつかの映画祭で賞も狙えるのに?」と事情通にも言われましたが、費用が足りず。その辺は断念しました。

しかし、映画祭どころか、大阪はムーブオーバー。梅田から十三に映画館を移動して上映が続きます。さらに名古屋の伏見ミリオン座で公開決定。磐田市は続映に次ぐ、続映。先の東京はそれなりに宣伝。静岡は地元のおばちゃんたちが大宣伝。でも、名古屋は何の宣伝もしていません。

大阪は事前宣伝をしましたが、ムーブオーバーで時間が経っているので、テコ入れが必要。でも、宣伝費がゼロ。もう、何もできません….。映画は「観たい!」と思ってもらえても「今、やってますよー」という告知をしないと、観客は映画館まで来てくれません。上映終了になってから「観たかったのに?」という声を必ず聞きます。そのためにはせめて、宣伝のために名古屋と大阪の舞台挨拶をしたい…..。

また、次々に上映館が決まったり、ロングランになるとチラシやポスターも増刷せねばなりません。印刷代も必要。宣伝をしてくれている配給会社もかなり無理をし、節約をし、がんばってくれています。結構な額の立て替えもしてくれています。でも、これ以上は無理というところまで来ました。

そんなとき、一通の封書が届きました。僕の「朝日のあたる家」から応援してくれている主婦の方。東京在住。「向日葵の丘」の時も今回の「明日にかける橋」も僕のFacebookに何度も「いいね」をくれ、「シェア」も頻繁にしてくれています。その方から手紙をもらいました。

「映画に使ってください。わずかですが。応援しています」

と1万円札が何枚も入っていました。その方は決して大企業の社長夫人のような方ではなく、ご病気で治療中との話も聞いています。そんな方から寄付を頂くことはできない。お返ししようかとも考えました。でも、心から「明日」を、地元の方々の行動を応援してくれていること感じていました。だから、むしろ有効に使わせてもらおうと考えたのです。

お陰でラスト舞台挨拶ツアーが実現できました。ありがとうございます! 名古屋、磐田、大阪、と3箇所の舞台挨拶。先の2箇所は3人の俳優と共に登壇。どの会場も大入り。映画館には何日も前から「緊急告知 舞台挨拶実施!」のポスター。

地元でがんばるおばちゃん方と俳優陣との再会もできました。1年ぶりです。俳優たちもとても喜んでくれました。お客さんも大喜び。何度も「明日」を観てくれている方もたくさんいて、山田先生役の嵯峨君は感動して舞台で言葉に詰まったり。素敵な舞台挨拶ができました。そんなことが話題になり、翌日からもお客が来てくれます。

大阪は予算的に僕1人。俳優陣はレンタカーで東京=>名古屋=>磐田=>東京。(新幹線は高くつくので全員車移動)泊まらずに返せば宿泊費がいりません。僕1人ならサウナでもカプセルでもオーケー。大阪舞台挨拶へ。そのあとは知り合いの店にポスターを貼ってもらったり、チラシを置き換えたり(前回の映画館のものを、新しい映画館のと交換)宣伝もできました。これも寄付を下さった**さんのおかげです。本当にありがとうございました。感謝しております。

「明日にかける橋」は今も、磐田市では上映中。第7週目。いよいよこれが最後の週になるかもしれませんが、ハリウッドの大作だって7週間上映はなかなかありません。ですが、いよいよ最後かも? 来週金曜日まではやっているので、地元の方はぜひぜひ、ご覧ください。映画館は5.1chステレオ。スクリーンも大きいしテレビで見る何百倍も迫力があります。ラストチャンス。

ただ、映画が終わっても、「明日にかける橋」プロジェクトは終わりません。パワフルなおばちゃんたちが、次なる計画を立てているはず。きっと、まだまだ多くの人に「感動」と「ふるさとの魅力」を伝えてくれるでしょう。これからもおばちゃんたちを応援してもえると、ありがたいです。


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