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映画の宣伝で大切なのはメインビジュアルを決めること。 [映画宣伝入門]

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「メイン何?」と思う人もいるだろう。メインビジュアルとは映画のイメージを伝えるイラストや写真のこと。少し古いが印象的な例を上げると「ジョーズ」の鮫がそれ、海からまっすぐ上に口を開けて巨大な鮫が上がって来るあのイラスト。あれが「ジョーズ」のメインビジュアル。

「ET」だと子供の指と宇宙人の指が合わさるあの絵。「ジュラシックパーク」なら芋版で押したような恐竜のシルエット。劇中の恐竜公園のトレードマークでもある。「バック・トウ・ザ・フューチャー」ならデロリアン(車)の扉を開けて出て来たマーティ(マイケル・J・フォックス)が時計を見つめているイラスト。

それらがメインビジュアルは映画のポスター、チラシ、前売り券、Tシャツ、パンフレット、グッズ、DVDパッケージ、CDとほぼ全てのものに使われる。なぜ、そんなことをするのか? いろんなイメージがあった方が多角的にアピールできるのではないか?と考える人もいるだろう。

だが、統一イメージというのはとても大切。というのは人はなかなか覚えてくれないからだ。名前でも、製品でも、形でも、時間とお金をかけ何度もアピールしなければ覚えてくれない。その話は以前にも記事にした。だからこそ、大企業は新商品を出すときに、例えばチョコレート。その名前と、パッケージを消費者に覚えてもらうために、商品の形。デザイン。色を決めて生産。膨大な額を使い広告を打つ。CM、新聞&雑誌広告、ネット、街角の看板。

もし、その際にチョコレートのパッケージをいくつも作ったらどうだろうか?真っ赤なパッケージ。真っ白なパッケージ。真っ黒のパッケージ。それぞれに宣伝したら? 当然、イメージがバラバラになり、赤で覚えた人が店で白のパッケージを見たら「これじゃない!」と買ってくれない。つまり、パッケージは統一しなければ効果が上がらないということ。

映画のメインビジュアルも同じ。「ジョーズ」なら鮫。街角にポスター。新聞&雑紙の広告。チラシと全て鮫! 例えば「ジョーズ」のTシャツを着ている人とすれ違う。「おー!ジョーズだ。映画観に行かないと!」と思い出してくれる。これがポスターは鮫。チラシは海の絵。Tシャツは船のイラストにしてしまうと、どうなるか? 街角でTシャツを着ている人がいても「ジョーズ」とは分からない。「鮫」で皆が認知しているからだ。

「ジョーズ」をなぜ例に上げたか?というと、この映画が大ヒットしたことで、統一のビジュアルイメージがいかに大切か?が映画界で浸透したから。どうしても関係者は作品の存在を熟知しているので、それをまだ知らない人の立場に立ちにくい。だから「鮫ばっかりじゃ詰まらないから船バージョンも作ろう!」とか「Tシャツは鮫より海の方がいいんじゃない?』とか言い出すことがある。しかし、メインビジュアルを統一してこそ効果が上がる。いろんなバージョンを作ると結局、覚えてもらえない。宣伝アピールにはならず、映画の存在をアピールできないのだ。

友人が監督した映画の主題歌。CDが発売されたとき。そのアーティストは映画のポスターとは違うパッケージにしたいと言い出した。それは大きな間違い。映画のポスターと同じビジュアルにするからこそ。映画館の売店に置いても「あ、あの映画のCDだ!」と思い買ってくれる。タイトルを読まなくてもビジュアルで伝わる。映画と関係ないビジュアルをパッケージにしたら、観客は気付かない。最終的にアーティストはそれを理解。パッケージを映画と同じものにした。売店に置くだけで売れた。最後は完売。それが統一イメージの力なのだ。

地方映画でよくあるのが、メインビジュアルに地元のいろんな観光地を使ってしまうこと。ポスターはお寺。チラシは公園。Tシャツは海。「町のいろんな面を伝えることができるから!」と思うのだが、それは逆効果。結局、どのイメージも浸透せず、海の絵が着いたTシャツを着ていても「あー海の絵ね?」と思われるだけ。宣伝効果はゼロになってしまう。

「ビジュアルが何か?」だけでなく、色、構図も統一イメージが大切。「ジョーズ」はブルー。ビジュアルとカラー。なかなか旨い。それが宣伝。なかなか難しいが効果を上げる。

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