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地元映画は映画館公開前から、故郷アピールがスタートする! [地方映画の力!]

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近年、「映画による町おこし」がブームだ。「明日にかける橋」もそんな1本。まだ、全国公開はされていないが、すでにその効果は発揮しつつある。まず、昨年の春に制作発表が行われた。多くの映画サイトが記事にしてくれた。「静岡県の袋井市、磐田市、森町が舞台となる太田監督の新作」と全国に配信。それを日本中にいる映画ファンが読む。製作発表するだけでも、街の名前がネットで発信されるのだ。

実際、東京の知人からも「新作映画を撮るんだって? ロケは静岡県の袋・・袋井だっけ?」と言われ驚いた。やはりネットの力はすごい。次に市民オーディションを行った。静岡県内から多くの応募があったが、県外からもかなりな応募。その全員がオーディションのために、地元を訪れた。同じ静岡県人でも、かつて袋井にも、磐田にも、森にも行ったことがない!という人もいた。オーディションがあったことで、町を初体験!

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他県からの応募者はこういう。「行ったことがないどころか、袋井なんて街の名前はかつて聞いたことがない。映画のオーディションがなければ一生行くことはなかった」でも、その人は市内に素敵なお寺があると知り、帰りに観光をし、団子を食べて帰ったという。さらに撮影が始まると、ボランティア・スタッフの人たちが全国からやって来た。僕が映画を撮ると毎回、泊りがけで応援に来てくれる方々だ。

彼らは自腹で宿泊、撮影のお手伝い。袋井や磐田、そして森という街を体験した。地元の人と交流。「街の人たちはとても親切だった。素敵な神社もあって今度は観光で来たい!」と言ってくれ、それぞれのブログに撮影日記を書いてくれた。それをまた多くの人が読む。映画がなければ町の存在さえ知らなかった人たちが、映画完成前から数多くやって来たのである。応援団ばかりではない。出演した俳優たちも何週間も街に滞在、地元の食材を食べ、地元の人たちと触れ合い、休みの日には買い物や街の散策にでかける。

俳優の1人は地元で食べたある果実に感動。それを多くの人に伝えたという。俳優たちはテレビ番組やラジオ番組に出る。トーク番組で地元体験の話をする。ブログやインスタグラムに投稿。地元で体験した出来事や食べたものを紹介する。それは物凄く大きな宣伝。何万人、何十万人という人に伝わる。同じ効果を通常の宣伝でやろうとすると、何百万。数千万円が必要。つまりそれだけの対費用効果がすでにあったわけだ。


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映画がまだ公開されていない段階でも、こんなふうに街のアピールが進んでいる。これが映画が公開されたたら?もっと大きな展開が起きてくるのである。ただ、勘違いしてはいけないのは、NHKの大河ドラマではないので、公開即に大反響ということではない。テレビは放送されれば視聴率が低くても多くの人が見る。が、映画は大ヒットしなければ、つまり多くの人が見てくれなければアピールはできない。

以前に「町おこし映画を作ったけど何の効果もなかった....」と悔しそうに言う人と会っことがあるが、聞くと中身は物語そっちのけの地元PR映画。地元以外の上映は東京でひっそりとレイトショーのみ。全国では見た人はいないという作品だった。地元映画は作っただけではダメ。ちゃんと全国で、それも宣伝した上で上映しなければ、見に来るのは地元関係者だけになってしまう。

しっかりと映画をアピールすれば、雑誌、新聞、ネットの映画紹介コーナーも情報を伝える。「静岡県の袋井、磐田、森という街で撮られた映画があること」そして映画館に足を運び、観た人たちは街の魅力を感じてくれる。「クライマックスの舞台になるあの寺。いつか行ってみたい!」「あの花火大会。今年行ってみよう」「ロケ地巡り。したいなあ〜」と思ってくれるのだ。

新聞広告や駅貼りのポスターではそんな効果は期待できない。それ以前に新聞の全面広告を何度か出せば、低予算の映画が1本できる額になる。さらに新聞は町の宣伝をするにも写真しか掲載できない。対して映画は物語があり、美しい映像と音楽で街を伝えるから「この街に行ってみたい〜」となるのだ。映画の力は大きい。こうなると次のステップは宣伝。その話は別の機会に詳しく書かせてもらう。


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