明日にかける橋ー日記 8月22日 撮影8日⑫b 夕飯食べずに仕事に呼ばれるスタッフ [「明日」撮影]
夕飯。弁当が配られる。それを受けとったスタッフが各自席に付き飯をかき込む。彼も弁当を受け取り、僕の前に座る。「いよいよ、次は宝田さんのシーンですね」と話かけて来た。そう、彼も「ゴジラ」世代。その主演俳優との仕事は嬉しい。
彼は弁当の蓋を取り、食べようとした瞬間。「***さん。俳優の***さんを(車で)迎えに行ってください!」とPからの指示。「えー今、飯食べようとしたところなのに〜」「でも、**さん。もうホテルのロビーで待っているそうなんです」「分かりました!」と彼は食べかけた弁当の蓋を閉じて席を立つ。
本当に申し訳ない。でも、次のシーンに出演する俳優を長時間ロビーに待たせる訳にはいかない。もし、迎えが遅くなり現場戻りが遅くなれば、スタッフがその間にただただ待つだけ。それを理解している彼は弁当を置いて出発する。自分が弁当を食べるより、現場がちゃんと進むことが大事と考える。
いつも感じることだが、そのシーンを撮影してするときに、そこで出演する俳優さんがすでに来ているということは、凄いことなのだ。つまり、俳優を迎えに行くスタッフがいて、その俳優が撮影を待つ部屋を借りてくれたスタッフがいて、俳優に衣装を着せ、メイクをするスタッフがいて、その俳優を撮影現場まで連れて来てくれるスタッフがいる。
だからこそ僕は「じゃあ、お願いします!」と、その撮影場面の説明をすぐに始められる。これが「***さんは?」「まだ現場に来ていません!」となると大変。10分、20分の遅れが大きな問題に発展する。あと5分あれば太陽が沈まないで撮影できるということがある。俳優が到着しないことが原因で、押し押しになり、時間が足りなくなり、最後まで撮りきれずとなることもある。
それは予算超過に繋がり、他の日の撮影が増えることになる。俳優も別日に呼ぶ。交通費がかかる。宿泊費が必要。さまざまな問題が出て来る。先に上げた俳優と接する様々なスタッフの誰か1人がさぼったり、ミスをすることで、そんな事態が起こりえるのだ。だから、彼は弁当を置いて俳優を迎えに行く。そんなスタッフ1人1人の奮闘、がんばりがあるからこそ、撮影は順調に進む。感謝。
明日にかける橋ー日記 8月22日 撮影8日⑭ 葛城・北の丸表 [「明日」撮影]
明日にかける橋ー日記 8月22日 撮影8日⑫ 夕飯 [「明日」撮影]
宝田明さんのシーン撮影前に夕飯。撮影場所の葛城・北の丸の一角をお借りして食事。スタッフは配られた弁当を5分もかからずに食べてしまい、次の現場に向かう。
食事時間は45分ほど取ってあるのだが、少しでも早く現場に戻り十分な準備をするためだ。この辺がプロ。若い子なら「食事くらいゆっくりさせてよ〜」といいそうだが、撮影現場ではそんな声は聞かれない。
むしろ僕が「少し休息した方が...」と思うくらいだが、僕自身も実は5分ほどで弁当を食べ現場に戻る。少しでも時間をかけて撮影シーンをよりよくするため。
現場に戻ると、スタッフが次々に到着。撮影再開時間前から準備がスタート。あるときは5分前に準備が出来ていて全員が揃っていた。「開始時間前だけど、やろうか?」撮影がスタートしたことがある。仕事に体する情熱が皆、凄い。
そんなスタッフがいてくれるから、素晴らしい作品ができる。このあとは宝田明さんの場面。