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太田組作品に出演する俳優が毎回、輝いている理由?=そもそもの始まりはあの国民的女優さん! [映画業界物語]

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太田組作品に出演する俳優が毎回、輝いている理由?=そもそもの始まりはあの国民的女優さん!

「太田組に出る俳優さんたち。毎回、魅力的ですよね。もともといい役者なのに、太田組では特に輝いている。その人の作品ベスト3に入るものが多い。何で太田監督の作品に出ると皆、輝くんですかね?」

これも時々聞かれる。嬉しい話だ。答えは先の記事で書いた通り。ほとんどの場合。その俳優さんに合わせた当て書きだから。その人が輝くような役にして、物語にしている。それでいて他の作品では見せない。見られなかった魅力を引き出す役にしてあるから。

ファッションでいえばオーダーメイド。その俳優に合わせてデザインし、身の丈を図った衣装なのだ。多くの場合。役という衣装が用意され、それを着れるように俳優が頑張る訳だが、努力だけでは行かないことがある。痩せることはできても、背を伸ばすことはできない。それを演劇学校では「どんな役でも演じられる俳優になれ!」と教えるが、できないものはできない。

それなら、その人の魅力が発揮できる役を用意した方が有効だと僕は考える。始まりは藤田朋子さんだった。ある日米合作映画でご一緒して、その後、僕が監督デビューしたら「太田さんの映画に出たい!」と言ってくれた。国民的俳優が僕の映画なんかに出ないでしょう?と最初は冗談だと思ったらマジというので、考えた。

先の法則に従い、彼女がかつて演じたことのない役。それでいて藤田朋子の魅力が全開になること。もちろん、物語の中に役として定着することは当然だ。これはルービックキューブの6面を同時にあわすような作業。5年ほど考え、藤田さんが出演した舞台をヒントにある役を思いつく。「向日葵の丘」のエリカである。帰国子女、映画が好き、お茶目、でも、悲しい過去を抱えている。「けど、多忙な女優さんだし、事務所に断られたらどうしよう?」と不安だったが、出演してくれた。

それもお願いしてもいないのに、髪を金髪に染めて熱演してくれた。髪の色を変えるというのは俳優にとって大変なことで、他の仕事に差し支える。にも関わらず、そこまでしてくれたのは役に対する熱いものがあったからだ。藤田さんは見事にエリカを演じてくれた。そのあと「次回もよろしくね!」と言ってもらえたので、次の作品でもシナリオの段階で藤田さんの役を考えた。これまでに演じたことのない。それでいて魅力的な....。前回は5年考えたが、時間がない。

朝起きてから寝るまで藤田さんの役を考える。何日も考える。そして思いついたのが、「バックトウザ・フューチャー」でいうドク(クリストファーロイド)の日本版とも言える。里美先生の役。「明日にかける橋」だ。ドクとは違う、泣かせる場面もある。これもあとで「ドクは一番美味しい役じゃない?」と喜んでくれたそうだ。

しかし、国民的俳優である藤田さんに出てもらえる意味は大きい。作品クオリティが確実に上がる。名優の力は絶大。ありがたい。そんなわけでシナリオを書くときは、毎回、今度も出てもらえるのなら、どんな役がいいか?で苦闘する。嬉しいことだが、大変な作業でもある。


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