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シナリオ、演出、俳優。映画でそれぞれで大切なこと? [映画業界物語]

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シナリオ、演出、俳優。 

「映画はシナリオが一番大事。監督がバカでもシナリオが良ければそこそこの映画になる」と良く言う。実祭、シナリオがダメだと、どんな巨匠が演出しても駄作にしかならない。本当にその通り。と言ってシナリオが良くても監督がダメだと、やはりそれなりの作品にしかならないし、俳優の重要性を忘れてはいけない。

この10年。僕は幸運にも本当に凄い俳優さんたちと仕事ができた。長門裕之、津川雅彦、松坂慶子、宝田明、と映画黄金期から活躍する名優たちから、いしだ壱成、鈴木杏、常盤貴子、田中美里、藤田朋子、山本太郎、谷村美月と、テレビ時代にトップランナーとして走り続けた若手まで。俳優の力とはどれだけ凄いものか?痛感した。

「一流監督は三流の俳優でも見事な演技をさせる」てなことを言うが、シナリオの話と同じで、多少は良くなるが...と言うことでしかないのが現実。三流が演出だけで良くなることなんてない。本物のすごさを知れば、そんなことは言えない。もし、三流の俳優が見事な演技をしたのなら、その人がもともと素晴らしい資質を持っており、それを監督が開花させたと言うのが本当だろう。

そこからいえば、監督がダメでも一流の俳優を使えば、そこそこの作品が出来る。名優たちは何も言わなくても見事な芝居をしてくれるからだ。では、監督に必要なことは何かと言うと、無名俳優でも、その人の長所を見抜き演じさせること。一流の俳優でも、これまでに発揮していない個性を引き出すことなのだ。これは僕のテーマでもあり、太田組のモットーでもある。

70年代に2枚目で人気があったある俳優。人気はあるが、芝居はそこそこ。出演作もヒットしない。その俳優が80年代に入って時代劇に出演して、俄然いい役者になった。現代劇では昔ながらの2枚目の兄ちゃんなのに、時代劇だととても存在感が出ていた。時代劇に抜擢したディレクターなのか、Pなのか?何れにしても鋭い。

そんな風に俳優の長所、魅力、新しい面を引き出すのが監督の仕事。つまり、撮影現場以前、キャスティングから演出は始まっているのだ。この話。また続きを書く。


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