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「プロの世界は甘くない。学生時代の趣味では通用しない」はホントかな? [映画業界物語]

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「プロの世界は甘くない。学生時代の趣味では通用しない」はホントかな?

プロの世界は厳しい。野球でも、テニスでも、趣味でやるのは楽しいが、プロになると過酷な戦いになる。演劇でも、バンドでも同じ。プロは甘えが許されない。

僕も学生時代に自主映画をやっていて、仲間と共にプロを目指した。学生の作る映画でも大変なのだが、プロの現場はもっと大変なのだろうな...と日々感じていた。

それから20年。プロの世界で監督業をスタート。もう、14年ほどが経つ。振り返って思うのだが、プロの世界って楽〜!学生映画時代の方が大変だった!ーというと叱られそうだが、今回はそんな話をしよう。

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学生映画はほとんどが趣味。プロを目指す者もいるが、趣味のレベルである者が多い。映画ごっこ的な側面が強い。俳優は友達。あるいは演劇学校の生徒。厳しく注意すると翌日から来ない。スタッフも同じ。僕が監督を担当しているのに、「それは違うだろー」とか意見を言い出す。

疲れると手を抜く。やる気をなくし撮影に来なくなる奴もいるので時々、彼らを励まさなければならない。可愛い女の子を主演にすると張り切る。彼女の出番がないとスタッフが減る。

そんな連中をなだめ賺して、撮影を続けた。交通費、食費は各自の自腹。ギャラはなし。それでも夏休みの1ヶ月。付き合ってくれる友達を見つけるのは本当に大変。撮影中に昼飯を食べる場所。事前に僕が現場に行き探す。学生は貧しいのでファミレスなんて無理。安い食堂を探す。ロケ地から遠いと時間のロス。そんなことまで考えて映画を作った。

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対してプロの現場。実力あるエキスパートがスタッフ。何も言わなくても100%の力で仕事をしてくれる。女優にちょっかい出したりする奴はまずいない。僕の演出に口出す者もいない。皆、各自の仕事を全力でやってくれる。俳優も素人ではなくプロ。本当に素晴らしい演技を見せてくれる。カメラも僕が回さなくても1000倍うまいプロが担当してくれる。

昼飯も、僕がタイミングを考えなくても、店を事前に探さなくても、演出部が「監督。この辺で昼飯入れたいんですけど?」と言ってくれる。制作部が人数分の弁当を用意。僕はその辺の心配せず、演出に専念。プロの世界っ素晴らしい!なんて楽なんだ〜ということ。スタッフが疲れてくると弱音を吐いたり、そんな時は励まして、終わりまで付き合ってもらう、、、、という努力もしなくてもいい。

プロって本当に素晴らしい。監督は「いい映画を作る」ことだけに専念できる。若い頃に「プロは厳しいぞ。学生映画のようには行かないぞ。甘い考えでは通用しないぞ」と言われたが、反対じゃないか? 現実って面白い。ははは。


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