第1線で活躍する有名俳優の共通点④ 90年代はCM出身の女優がブレイクしたが? [映画業界物語]
第1線で活躍する有名俳優の共通点④ 90年代はCM出身の女優がブレイクしたが?
90年代はCMで売り出し、そこから俳優へというパターンがあった。そのためには激烈な企業CMのオーディションに合格する必要があった。
そしてCMは15秒、30秒の世界。そこで魅力を発揮せねばならない。だが、その手のタレントは2時間の映画ではもたない。15秒なら輝くが、2時間だと飽きてしまう。
僕もその手のCMで人気が出たアイドルタレントと仕事をしたことがあるが、まさにそれ。可愛いが、持たない。もういいか...と思えて来る。例えばアメリカ映画で、最初、美人でもなく、パッとしない女優さんが、映画を見ている内にどんどん魅力的に見えて来た経験はないだろうか?
それが女優なのだ。だから、90年代にブレイクして大人気だったアイドルタレントが3人いる。3Mと呼ばれた。名前は上げないがM1さんも、M2さんも、M3さんも、映画の代表作がない。
M3さんは個性派に転じようとがんばっているが、厳しい。当時はCMでブレイク。十代でいきなり主演デビューみたいなこともあったが、今は演技力のある俳優が求められる。
先に書いたが70年代は売れれば他の分野に進出した。歌手で売れれば、映画、テレビドラマ、バラエティ、ラジオ番組、CMと、いろんなメディアに出ることが売れている証しだと思われた。
山口百恵は歌、映画、ドラマ、CM。いずれでも大ヒットを取ったが、80年代の松田聖子は全制覇していない。歌とCMは大ヒットだが、映画とドラマでヒットは取れなかった。90年代の3MはCMだけ。歌もドラマもそこそこ。それは能力の差ではなく、時代がマルチタレントを求めなくなったということ。
近年は観客が俳優は俳優。歌手は歌手と分けて受け止める。可愛いだけで歌が下手なアイドルのCDは買わない。アイドルが出ているからと、主演映画を見に行かない。テレビには出ないアーティストも増えた。
昔は矢沢永吉とユーミンが代表だった。が、そのタイプが増えた。昔はテレビに出ないと売れないという時代だったが、今はそ違う。芸能の世界も細分化され、売れれば何でもやるという形は廃れてしまった。(つづく)
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