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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること⑨終=まずは実力をつけること。実績を作ること? [映画業界物語]

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俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること⑨終=まずは実力をつけること。実績を作ること?

表現の仕事をする上で大事なことは、一度酷い目に遭うこと。プライドをズタズタにされることだ。地面に叩き落とされて、自身の力を思い知ること。そこから考えて、どうすれば見返せるか? 認められるか? 必死に考えて、技を磨くこと。そこからが本当のスタートになる。

「詰まらないプライドは捨てろ。プロとして素晴らしい演技をするというプライドを持て」

ということだ。以前、出版関係の人からこんな話を聞いた。今やベストセラー作家となった京極夏彦、宮部みゆきも、最初は小説を書き出版社に持ち込んだが、読んでももらえなかった。編集者の引き出しに入れたまま半年近く!

「リング」で大ヒットを飛ばした作家さんも、幾つもの出版社に持ち込んだがダメ。それが角川書店の名編集者の目にとまり出版された。つまり、実力ある作家たちでも、その力を理解する編集者との出会いがなければブレイクすることはできなかったということ。

実力があっても、それを認めてくれる業界の人との出会いがないとプロにはなれない。ロック歌手の尾崎豊だって、須藤晃というCBSソニーのプロデュサーと出会わなければデビューできなかったかもしれない。業界にだって見る目のない人たちがとても多いのだ。

つまり、スタートをしてからも様々な障害や壁が続く。なのに、「俺はスゲーんだよ」と何の実績もない者が豪語するだけで何もしないで、業界の人たちが振り向く訳がない。しのごの言わずにまず、カメラの前で芝居する。舞台に立つことが大事。

ゴールデンのドラマでなくていい。自主映画でいい。帝国劇場でなく、下北沢の小劇場でいい。実際に芝居をすることだ。それを続けることで実力も付き、注目もされる。

作家志望なら書く。映画監督を目指すなら学生映画を作る。それを続けることで実力をつける。そして実績を作ること。何もしないでいて、いきなり名演技をしたり、名作を書くことはできない。(了)


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