俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること⑤=演劇経験のない奴は安易にプロを批判する? [映画業界物語]
俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること⑤=演劇経験のない奴は安易にプロを批判する?
俳優志望なのに舞台に立ったことがない、カメラの前で演じたことがない人ほどいう言葉がある。
「あの役者下手だねえ〜」「全然ダメ。才能ないね!」
そう上から目線でいう。それが素人ならいい。だが、俳優を目指そうという者なら、その言葉を吐いただけで失格。経験があればそんなことは言えない。映画界でも同じだ。プロデューサーという人たちはよくいう。
「この脚本をほんと酷いよね。才能ないんじゃない? 俺が書いた方がまだマシだよ。直してやるか?」
そのシナリオを直し、ライターに見せる。
「ほら、良くなっただろう? お前もっと努力しろよー」
しかし、ベテランの脚本家はいう。
「そんなPは勘違いをしている。ゼロから作品を作り出すことは本当に大変なことだ。どんな駄作でも、表現者なら踏みつけるような言い方はできない。形になったものの欠点を探し、直すことなんて簡単。
それができたから、俺の方ができるというのは完全な勘違い。それこそ誰でもできること。ゼロから生み出すことは本当に大変で、尊いことなんだよ...」
本当にその通りだ。ほとんどのプロデューサーは自分で書いた経験がない。だから偉そうにいえる。問題点を指摘するなんて簡単。つまり、そのPが勘違いしているのは
「酷いシナリオだ」=>「俺が直してやろう」=>「ホラ、良くなった」=>「俺の方が書く力があるんだ」
芝居をしたことがない奴がプロを批判する。「私の方ができる!」と勘違いする。それは芝居経験がないから言えることだ。どの世界でも簡単に批判するのは経験のない人。戦ったことがあれば戦う人を簡単に批判はできなくなる...。
(つづく)
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