俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること③=あの勝新太郎も悩み苦しみ自身の個性を見つけた? [映画業界物語]
俳優になるにはまず、プライドをズタズタにされること③=あの勝新太郎も悩み苦しみ自身の個性を見つけた?
いかにして自分の個性を探し、それを磨き、打ち出すか? それが多くの人に支持されたときにブレイクする。例えば、勝新太郎さん。最初は二枚目で売り出した。が、同期に市川雷蔵がいた。とても敵わない。勝の映画はヒットせず、雷蔵ばかりがもてはやされた。彼は考えた。
「雷蔵にあって、俺にないもの。俺にあって雷蔵にないもの...」
やがて彼は一冊の小説を見つめる。この主人公。腹黒く、やり方の汚い。酷い男。それでいて、どんどん成功し偉くなる。悪の魅力。「これは俺にしか演じられない」と、所属する映画会社に直談判。映画化を実現する。
それが「不知火検校」だ。「座頭市」のルーツとも言える作品。そこから人気爆発。3つのヒットシリーズを持つ超人気俳優へと進んでいく。他にはいない自分しかない個性を見つけ、それを発揮したのである。
そもそもスターというのは代わりが効かない。唯一無二の存在。誰かに似ているというだけでアウトなのだ。でも、その社長と同じような勘違いをする人は多い。
「この女優より私の方が可愛い。この子が売れるなら私は俳優になれる」
先の社長と同じだ。可愛いだけで俳優業には繋がらない。その子が売れているのは別の理由があるのだ。こんな勘違いもよくある。テレビで有名俳優の演技を見ている。欠点をいくつも見つけた。
「この人、いろいろ問題点あるなあ。それに気付いていない。これで仕事来るなら私も女優で行けるわー」
これも大きな勘違い。その辺を次回、説明していく。
(つづく)
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