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「才能があればやっていける!」と断言していた友人の結末?⑤終 [映画業界物語]

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「才能があればやっていける!」と断言していた友人の結末?⑤終
(2014年の記事から)

20歳の時。遠回りではあるけど、海外で生活することにした。友人にその選択を話したら、こういわれた。

「そうか、がんばれよ。俺は日本でがんばる。才能があれば、やっていけるはずだ。将来、一緒に映画を撮ろう。『トワイライトゾーン』のようなオムニバス映画を一緒に作ろう。俺は俺に才能があると信じている....」

それから30年。僕は4本目の劇場用映画を作っている(注・この記事を書いたのは2014年。「向日葵の丘」製作時。その後、5本目の「明日にかける橋」も監督。その次が「ドキュメンタリー沖縄戦」である)友人は何年か前に東京を引き払い、古里へ戻った。結局、監督になることはなかった。それを聞いた別の友人がいう。

「結局、あいつは才能がなかったんだよ」

でも、それは違う。彼は才能がないのではなく「才能があるから俺はやっていける」と思い込み、努力しなかったことが夢破れた原因だったのだ。

僕は結局、若くして監督デビューはしなかった。43歳になっていた。でも、「才能」なんてものを信じなかったことが正解。どんな仕事でも同じだろう。料理人でも、職人でも、ピアニストでも、 漫画家でも。努力が必要。特にクリエーターなら、経験値が大切なのだ。

映画は人や世の中を描く仕事。その人や世の中を知らずに、それらが描ける訳がない。20歳頃はそれを明確に伝えることはできなかったが、今ははっきりいえる。

「才能なんて存在しない!」

クリエーターの世界では努力と経験が大事。もちろん、それだけではないが、ネットで世間を知ったつもりになってはいけない。自身が経験すること。それが重要だ。若い人にはそう伝えたい。(了)


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