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ウッディ・アレンが人嫌いになった理由を感じる日々(上 )ロケ地にお礼に行き意外なことを言われた? [映画業界物語]

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ウッディ・アレンが人嫌いになった理由を感じる日々(上 )
ー2015年の記事からー

ハリウッド俳優のウッディ・アレンはインタビュー嫌いで有名だ。というより「人嫌い」と言われている。パーティや記者会見にも出席しない。人前に現れることがまずない。ニューヨーク生まれのニューヨーク育ち。多くの人に愛されるアクターであり映画監督。なのになぜ、人嫌い?と思っていたのだが、

「もしかしたら、こういうことかな...」

と思えること。この数年、続いている。撮影や宣伝でお世話になった地方の方々の多くは、その後もお付き合いが続き、その街では撮影しない僕の新作も応援、支援してくれる。本当に感激。

なので、別の仕事であっても、その人たちの街を通るときには、途中下車してお訪ねし、ご挨拶したり近況報告したりする。東京に戻るときにお世話になったC市の方をお訪ねしたとき、こう言われた。

「ここまで来たのなら、少し先のD市まで行った方がいい。皆、喜んでくれるよ」

確かにその通りだ。が、C市でさえかなり無理して来ている。D市まで行くと、その日の内に東京に戻れない。残念だが行けないと伝えると

「でも、あの街でもお世話になったんでしょう? 感謝の気持ちが足りないじゃない〜」

と注意される。何より撮影時のお礼まわりは何年も前にしている。その時は近くまで来たので...ご挨拶というやつ。それが挨拶に行くと「隣町も行くべき。行かないのは感謝の気持ちが足りない」と言われる。

そもそも映画製作は町のアピールのため。それで僕やスタッフが大儲けした訳ではない。かなり厳しいギャラで町の魅力を発信する映画を作ったのだ。感謝の気持ちが足りないと言われるとそれは違う。映画はそもそもこういう形だ。

「作ってくれて、ありがとう。撮らせてもらってありがとう」

一方的に感謝を要求するのはおかしい。ただ、行けば喜んでくれるのは確か。でも、交通費や宿泊費を払い、その町まで行く余裕がない...。(つづく)



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