「有名なりたい!」という若い人たち⑤ それでは俳優にも、歌手にも、作家にもなれない? [映画業界物語]
「有名なりたい!」という若い人たち⑤ それでは俳優にも、歌手にも、作家にもなれない?
大切なことは「芝居がしたい」「歌が歌いたい」「物語を書きたい」そんな思いだ。「有名になりたい」ではダメ。「CMタレントになりたい」という子もいるが、本来CMは有名な俳優が出るもの。
あるいは売り出し中の若手を出すもの。これも「CMタレントになりたい」ではなく「CMに出て有名になりたい」というのが本当のところだろう。いずれにしても大切なのは何をしたいか?である。それ以前に時代が専門化(?)している。
70年代。山口百恵の時代は歌歌って、ドラマやって、映画に出て、CMに出て、いずれも大ヒットということがあった(百恵ちゃんはテレビでは「赤い」シリーズが高視聴率。映画では友和コンビ作品がヒット。歌は毎回ベストテン入り。CMでも活躍した)が、その後、80年代。松田聖子は歌とCMでは活躍したが、ドラマと映画はイマイチだった。
さらに90年代。宮沢りえの時代になると、CMにはたくさん出ていたが、ドラマ、映画、歌では大ヒットが出ていない。同世代の子たちも皆同じ。つまり、歌手は歌手。俳優は俳優というふうに仕事が分業されて来たのだ。歌は下手でも可愛いから!とレコードが売れた時代ではすでにない。
そんな中、歌でも、俳優でも、何でもいいから有名なりたいでは通用しない。もう少しいえば俳優業。演技というのは誰にでもできると思われがちなので、そんなふうに勘違いする若い人がいるのだろう。でも、演技はスポーツと同じ。アイススケートと同じ。技術を磨き、センスも必要。
絶え間ない練習と挑戦。それによってなし得る表現なのだ。ま、野球でも、ボクシングでも、レスリングでも同じだが、熟練された技術なのだ。それを有名になりたい!という動機でスタートすること自体。無理がある。が、絶対に無理か?というとそうでもない...。(続く)
2019-10-16 10:05
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