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脳科学から考える④=俳優への道 カメラの前に立つこと。舞台に上がること? [映画業界物語]

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俳優も同じ。悲しみの演技をする。

「悲しそうに見えない!」と言われる。泣きの演技を勉強する。映画を見る。ドラマを見る。人間観察をする。大女優の演技を見る。それらは大切なことだが、全てインプット。その理屈や方法論が分かっても自分がするとうまく行かない。「才能がない?」そうではない。アウトプットが鍛えられていない。磨かれていないからだ。

それを繰り返し挑戦する。でも、ただ、泣く行為を繰り返してもダメ。それは意識した行為でしかない。演技ではない。大事なのは実践すること。舞台で、カメラ前で演技すること。それを繰り返すことでアウトプットが向上する。

「でも、そんな簡単に舞台やドラマには出れないし」

という人もいるだろう。その通りだ。しかし、俳優なら劇団とか、仲間と組んで小劇場で芝居もできる。これが映画監督志望なら、最低でも何十万もかけてカメラを用意、俳優とスタッフを雇い自主映画をせねば実践できない。

作家ならパソコンがあれば、小説が書けるが、生活のための仕事もあり、集中して書くのはこれも大変。つまり、お手軽に出来るインプットではなく、時間もお金もかかるアウトプットをしなければ表現力は向上しないということ。

簡単なことではない。でも、それを長年に渡ってやってきた人は強い。様々な試行錯誤をして考え続ける。それが卓越した演技力となり、迫力となる。

「どうすれば悲しみが表現できるか?」

「どうすれば怒りを伝えられるか?」

いろんなことを何年も考え実践し続ける。もうひとつ言えば、これは俳優でも、ミュージシャンでも、映画監督でも同じなのだが、学校で1年学ぶより、実践を1回した方が遥かに成長する。

もちろん、俳優にとって映画に出るというのは、小さな役でも大変なことだ。でも、だから、どんな役でもそのチャンスを大切にがんばる。現場に立つことがもの凄い勉強になるからだ。100回のレッスンより1回の現場。

でも、インプットしかやってない俳優の卵は見る力だけが向上していて、自分は即戦力と思ってしまう。人気俳優の問題点を見て、自分の方ができると勘違いして

「主役でないとなあ」「脇役じゃあ、真剣になれないよ」

と考えてしまう。そんな子たちをたくさん観てきたが、全員消えてしまった。まさに裸の王様。知識だけで「俺は出来る」と勘違い。アウトプットをほとんどしていないので、現場で通用しない...。

(つづく)


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