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脳科学から考える③=俳優への道 学校では学べない!? [映画業界物語]

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別の問題もある、

多くの俳優志望者はまず演劇学校に通う。必死で所属事務所を探す。さらには監督やプロデュサーと親しくなろうとする。営業する。なぜか? 就職活動を重ねてしまうのだろう。大手企業に入りたい。縁故を探す。関係者に売り込む。専門学校に行く。それと同じ。表現の仕事と会社員になるのは全く違うのに同じ構図で捉えてしまう。会社は入社してから仕事を覚える(最近は即戦力を求められるが)。同じように

「芸能事務所に入れば、仕事をもらえる。デビューさせてもらえる」

と考える。だが、大切なことを忘れている。アウトプットだ。たくさん芝居を観る。映画を観る。ドラマを見る。脚本も読む。「あとはチャンスだけ」と考える俳優の卵が多いが、それは間違い。

アウトプットができていない。演劇学校やワークショップに通ったくらいで演技は向上しない。ピアニストやバイオリニストは子供頃から練習を続ける。バレリーナや歌舞伎俳優も同じ。なのに、俳優だけが18歳やそこら。高校を卒業してから、演劇学校に行き、卒業したら俳優デビューなんて、どうなのか? 俳優ってそんな簡単な仕事なのか? 

ひとつには多くの俳優志望者が商業主義に乗せられている現実がある。高校を卒業。専門学校で料理を学ぶ。卒業して店で働く。これはありだ。大学を卒業して就活。企業に入社。多くの日本人はそれが社会に出る道筋と考える。だから、俳優になるのなら演劇学校。映画監督になるのなら映画学校。最近は漫画家になるための学校まである。

しかし、それらを出てもプロになれる保証はない。それを他の業種と同じように考えて、業者が学校を作る。先の道筋と同じように、そんな学校へ多くの夢追う子供たちが入学する。乗せられているだけ。

学校でアウトプットはほとんど学べない。映画監督になるのに、映画の歴史や映画批評を教えられても役にも立たない。実習だってクラスで数人しか監督できない。その生徒の実習費用を払うために他の監督志望の生徒は高額な授業料を払っているのだ。でも、学校に通うことで安心する。業界に就職できる可能性は少なく、簡単に監督になんてなれないのに2年間、通学する。演劇学校も同じ。

表現の仕事は学校では学べない。それはインプットの能力を養うだけ。アウトプットをやらなければダメだ。例えば、映画監督が「恐怖」の演出をしようとする。インプットとしてはヒッチコックやデ・パルマの映画を勉強する。でも、それらのカット割りや撮影法を真似しても怖さは出ない。大切なのは、その演出を繰り返し試すこと。こーでもない。あーでもない。と。やっていると、あーーこれは怖い!という表現が見つかる。それがアウトプットなのだ。


(つづく)

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