俳優業はつらいよ!(下)=精神的に追い詰められ薬に走る俳優? [映画業界物語]
俳優業はつらいよ!=精神的に追い詰められ薬に走る俳優?(下)
俳優の悩みには、相手役とうまくやれるか?ということもある。ある女優さんに聞くと、撮影前の打ち合わせで会った瞬間に「この人とは合う。うまく行ける!」と思うのだという。同時に「あーこの人は厳しいかも?」とも思うこともある。でも、仕事。合わなくても対応せねばらない。演技というのは団体戦と同じ。1人がうまくてもダメ。全体として調和が取れてなければならない。
それを考えない俳優が1人盛り上がり、力を入れた芝居をしては全てぶち壊しだ。「相手役のトーン、カラー、スタイルが自分のものと合うか?」「どうすればうまく行くか?」を考えるのだが、それを全然考えずに、自分のスタイルを押し通し演じる俳優もいる。その場合はもう1人が考えて、それに合わせなければならない。だが、相手に振り回されるばかりになることもある。テレビドラマの場合。1クールは3ヶ月。その間ずっとイライラしながら仕事することになる。
ベテラン俳優が相手役のときに「私に合わせて演技してよ。あんた本当にやりにくい!」とパワハラとも言える要求をされることもある。名優でも性格の悪い人はいる。逆に「これしかない!」と派手な演技をしたために周りから嫌われて、村八分に遭うことも...。だから精神的に追い詰められる。特に女優の場合はそれで体調を壊したり、精神病になることも少なくない。
精神科医に依存したり、宗教に入るのも。ドラッグや覚せい剤に手を出すのもそんな背景がある。だから、監督業は俳優たちが演技しやすい環境作りをすることが責務。演技指導とかではない。その人が組みやすい相手役。演じる上でプラスになるヒント。情報を準備する。余計なことを気遣わずに芝居をさせる。俳優の1番の理解者であり、応援者が監督であるべきなのだ。
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