SSブログ

映画職人たちは素晴らしい!=手抜きしない、毎回全力、お金じゃない。そんな人たちが存在する映画界。 [映画業界物語]

10259946_628061193934855_4679467323963031595_n.jpg

映画職人たちは素晴らしい!
=手抜きしない、毎回全力、お金じゃない。そんな人たちが存在する映画界。

映画の世界は俳優だけではなく、スタッフでも素晴らしい人達がいる。もちろん全員ではない。クソみたいな奴らもウジャウジャいる。クソ以下の連中もいる。だが、そうではない人達も結構いる。映画撮影でも昼頃にはランチタイム。基本は1時間。ロケ弁が配られ、各自は思い思いの場所で食べる。

が、ほとんどのスタッフは弁当をかきこむように食べてしまう。味わっているとは思えない。10分ほどで立ち上がり、弁当のカラを決められたゴミ箱に入れてロケ現場にもどる。そして機材の調整や午後からの撮影の準備を始める。これサラリーマンで言えばランチを食べて、1時までに会社に戻れるようにコーヒーでも飲むか? タバコ吸いながら同僚とダベろうか?という時間。

それをスタッフは食べている時間が惜しいかのように現場に戻る。撮影部も、照明部も、録音部も、演出部も戻る。制作部は弁当の片付け等があるので、その場に残るが、彼らは弁当を配るので、一番最後に弁当を食べる。そして他のスタッフより先に食べ終えて片付けにかかる。皆、本当に凄い。一部の人だけか?と思ったら、5本の映画。全てのスタッフが同じだった。

本来、ランチの1時間は休憩時間。ハードな撮影なのだから、休むべき時間だ。なのにそれをしない。午後からの撮影準備に時間を使う。よりいい仕事をするため、よりいい作品にするため。そして1時再開なら、1時からすぐ撮影ができるようにする。ある撮影なんて午後1時再開なのに、10分前に全スタッフが揃っていて、準備も終わっていた。誰が指示した訳でもない。

「監督、あと10分ありますけど始めますか?」

と演出部チーフに言われて撮影を再開したことがある。なんとも凄いやる気だ。堅気の友人に話すと驚いていた。

「俺の会社なんて、1時から午後の仕事と決まっていても、10分15分遅れて戻ってくる奴がいる。デスクに着いてもダラダラして、仕事始めない。どうせ月給安いんだから、真剣に働くと損だ!という思いがにじみ出ている。上から言われたことしかしないし、自主的に何かをしようなんて考えない。ダラダラ仕事して、残業に持ち込み、それで残業代を稼ごうとかいうやつも多い。なんで映画人って、そんなに働くの? ボーナスだってないんだろう?」

その通りだ。ボーナスもない。そして不況が始まった頃から映画の製作はどんどん削減。一番下げられたのが人件費だ。特に僕が担当する作品は低予算だ。でも、だからと言って手抜きする者はいない。懸命に仕事をする。それはもう仕事というレベルではない。アーティストとしての作品作りだ。あるカメラマンはいう。

「僕が撮影したものは映画として10年、20年、いや100年先まで残るものです。そんな作品で手抜きしたら、いい加減な撮影をしたら、100年恥ずかしい思いをするでしょう? だから全力でやるんですよ」

本当に凄い。もちろん、ギャラ以上のことは絶対にしない人もいる。撮影より撮影後に飲みに行くのが楽しみなオヤジもいる。だが、それはむしろ少数派で、少なくても太田組にはいない。多くのスタッフは全力で仕事。妥協せず、真剣にいいものを作る。プロの職人なのだ。そんな人たちと仕事をするのは楽しい。こちらもいい加減なことはできない。それが素晴らしい作品作りに繋がる。僕の作品が毎回、高い評価を受けるのは彼らがいてくれるからだ。映画職人に幸あれ!



69576335_2931281203612831_2698133420675956736_n.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。