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映画監督の仕事とはどんなものか? =カメラ位置。俳優の立ち位置を決める?なんじゃそれ? [映画業界物語]

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映画監督の仕事とはどんなものか?
=カメラ位置。俳優の立ち位置を決める?なんじゃそれ?

「監督は撮影現場で俳優に演技指導をする仕事」

と思っている人が多いこと。少し前にも感じた。が、伊丹十三監督でもない限り、演技経験のない人がプロの俳優にあれこれ指導なんてできる訳がない。するのはイメージを伝える程度。監督なんてカメラも回せない。照明機材も扱えない。マイクも持てない。現場で一番何もできない人というのが正解。では、何をするのか?

まずはその場面。俳優の立ち位置。移動する方向、距離を決める。シナリオで「居酒屋に入ってくる」「席に着く」「隣の客に話しかける」と書かれていれば、監督は俳優がどの扉から入って、どの席に着くか?を決める。その横に相手役を座らせる。

30席の店なら、30の選択ができる。窓際。カウンター前。一番奥。入り口の前。それを決めるには座ってから相手と話す下りを撮影するのに撮影しやすい、あるいは絵になる場所を選ぶ。カメラを置いて、その後ろに他のスタッフが立てるスペースが広くあると便利。画面に映ると困るものはそこに置ける。スタッフもそこに立てる。

メイク部、衣装部はリハから俳優を見ていて、本番前に衣装のシワを直したり、メイク直しするために店内にいなければならない。監督が選んだ場所では、カメラ後ろにスペースできないこともある。そうなると隠れる場所がなくなり、本番前に店を出なければならない。他の手が空いたスタッフも芝居が見れず、外に出るしかなくなることもある。

といってスタッフ優先にして、カメラ位置を決めると本当にいい絵が撮れなくなるということもある。さらにカメラだけでなく、俳優が演じやすい場所であることも大事。腕を広げて大げさな芝居をするのに壁際だとやりづらい。様々な観点から考えて、俳優の立ち位置。カメラ位置を決める。

次にシナリオのどこからどこまでを撮るか?どこまでをアップで、どこから引きで撮るか?等を決める。それによってカメラをどこに置くか?を決める。その場面を3つに割り、引き=>寄り=>切り返しとかカメラマンに伝える。

が、カメラマンにはその辺を全部、勝手に決めて機材を置いてしまう人もいる。監督にはとても迷惑な話だが、新人でなかなか決められない人にはそんなカメラマンも有効。

とにかく、現場の全てを決めるのが監督。その指示を聞き、カメラマンはカメラ位置を決め、照明部はライトの位置を、録音部はマイクをどこから突き出せば画面に入らずに音を録れるか?考える。つまり、監督が決めたことでスタッフが動き始める。いい絵を取る。いい芝居をさせる以外にも撮影が無駄なく進み、段取りがうまく行くことも大事。それも監督の仕事である。


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