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歳を取っていいこと。意外にあるので面白い②=「成功する奴、しない奴」が分かる? [映画業界物語]

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歳を取っていいこと。意外にあるので面白い②
=「成功する奴、しない奴」が分かる?

若い頃。周りには「映画監督を目指す!」という連中以外にも俳優になる。ミュージシャンになる。脚本家になる。作家になる。漫画家になるという若い奴らがたくさんいた。そのほとんどが挫折し消えて行った。そして次の世代、そのまた次の世代との出会いがあり、共に夢を追いかけ。また同じ繰り返し。

僕は長い年月を経て監督業をスタートすることができた。業界で仕事をすると、僕と同じように、生き残った人たちがプロとして仕事をしている。例えれば草野球をしていて、高校野球をして、甲子園に行き、その中で数人がプロになる。そんな感じだ。また、俳優、ミュージシャン、作家、漫画家と、他のジャンルで生き残り、プロとして歩む人たちとも出会う。

そんな人たちを見ていて、また、夢敗れた友人たちを思い出して、共通点、違う点を考える。あるパターンがあることが分かった。成功する人としない人の違い。若い頃、それが知りたくていろんな本を読んだり、話を聞いたが、明確な答えを出してくれた人はいない。

「才能があるかないか?」「努力したか?しないか?」「運があるかないか?」

といろんなことを言われたり、多くが事実ではなく、それだけではないというものばかりだった。僕が長い年月、見ていて感じたこと。上げてみる。

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例えば俳優。本当に俳優になりたいのか? どうか? ま、そういうと全員が「はい!」と答える。だが、その多くはいろんなハードルでつまづき諦めて行く。「才能があるかないか?」ではない。例えば恋人と芝居のどちらが大事か? 

芝居よりも彼女や彼氏に時間や金を使っているなら、それはアウト。その人に取って一番大切なのは、恋なのだ。あるいは食えなくても俳優を続けるか? 僕の時代で言えば「風呂付きのアパートに住みたい。車も欲しい:であれば、芝居より生活が大事。だからアウト。究極の選択。何よりも芝居が好き。芝居がしたいという思いがある人が成功する。恋や生活を優先するのなら無理。

「でも、生活ができないと始まらない。生活を安定させてこそ芝居に専念できるし」

という人もいるだろう。そういう友人も何人かいたが、全員アウト。理屈ではそうかもしれないが、「芝居がしたい!」という思いがないとアウト。生活を優先するなら無理。安定からはクリエイティブは生まれない。

もう一つの側面。本当に俳優になりたいのかどうか? 皆また、「はい!」と答えるだろう。でも、本人も気づいていないことが多いが、芝居をしたいのではなく、俳優になりたいだけという人が多い。つまり、有名になりたい。女優と呼ばれたい。チヤホヤされたい。テレビに出たい。それが本心。芝居をしたいのではない。虚栄心を満たすために俳優になりたいのだ。これもアウト。

その種の人の多くは努力をしようとせず、手っ取り早くデビューしたいと考えがち。大手事務所に入ろうとする。業界の飲み会に参加する。業界人にアプローチする。下積を嫌がる。毎日の稽古をしたがならない。基礎を学ぼうとしない。いきなりプロデビューが可能だと思い込んでいる。それらのタイプも当然アウト。

もちろん、虚栄心が強く、モテたいだけで俳優を目指したが、何かをきっかけに物凄い努力をして成功するケースもある。それはどこかで芝居の魅力に気づき、チヤホヤされたり、テレビに出たりすることより、ずっと素晴らしいことがあるのを理解した人。それは極めて稀な例だ。いなくはない。

あと映画業界で仕事をして、いろんな業界の人と接して、感じたのは第1線で活躍する人は物凄い努力をしている。何よりもいい芝居をしたい。誰よりも美しい曲を演奏したい。一生忘れない物語を書きたい。

「そのためなら全てをなくしてもいい!」

と思うような人ばかりだ。金持ちになる。有名になる。チヤホヤされる。そんなことは二の次、三の次。問題にしない。

金や名誉を追いかけると逃げて行く。「そんなものはいらない!」と芝居や音楽。映画に必死で取り組むと、お金や名誉が後から付いてくることが多い。有名になりたい!と思うと、有名にはなれない。つまり、それらは結果。それを目的にしてはいけない。綺麗事を言っているのではない。

いい芝居をしたい。そのためには何が必要か? どんな練習ができるか? どんな考え方が大事か? それを考え続け、挑戦し続ける人がやがて力をつけ、どこかでチャンスを掴み、成功する。実力もないのに

「女優と呼ばれたい」「映画を監督したい」「大手出版社で小説を出したい」

と願っているだけの人は消えて行く。若い人は事務所、事務所と騒ぎ、全てお膳立てしてくれると勘違いする子が多いが、それではデビューしても、すぐに消えてしまう。

この業界は意外にフェアなのかもしれない。大手事務所にもクソのような俳優もいるが、やはりできる子を揃えている。大手に所属すれば道が開けると思うのは錯覚。実力がなければ大手に入れたとしても、すぐに消えて行く。

素人時代から、プロになり、いろんな人を見て来たが、先のパターンが多くに当てはまる。それも何十年も生きているから分かってきたこと。歳をとるのも面白い。


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