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俳優になるために見た方がいい映画=でも、名優の芝居を見ても勉強にはならない?その理由は? [映画業界物語]

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俳優になるために見た方がいい映画=でも、名優の芝居を見ても勉強にはならない?その理由は?

「演技のために見た方がいい映画」をよく聞かれる。その方向でいうなら名優と呼ばれる人たちが出ている映画。ということになる。

ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ダイアンキートン。

彼らが出ている映画で言えば

「タクシードライバー」「レイジングブル」「狼たちの午後」「ゴッドファーザーPART1&2」「レインマン」「クレーマークレマー」「ミスターグッドバーを探して」等々

もちろん、本当に凄い人たちの芝居は観ておいた方がいいが、だからと言って、それは俳優にとってさほど勉強にはならない。なぜなら、凄すぎて真似ることができない。常人ではない俳優がいることを知ることは勉強だが、真似しても、同じことをしても、近づくことさえできない。厳しい話だが、それが現実。

僕もいろんな俳優さんと仕事するが、凄い人は本当に凄い。超人タイプの代表的な俳優を挙げてみる。

「ストロベリーフィールズ」の谷村美月、佐津川愛美、三船美佳。「青い青い空」の長門裕之、「向日葵の丘」の津川雅彦、烏丸せつこ。「明日にかける橋」の鈴木杏、みんな物凄い。(俳優は超人タイプばかりではダメ。個性、カリスマ性、人間的魅力。いろんなタイプがある)

スポーツ選手でいうなら、オリンピック級だ。ウルトラCができる人たち。撮影現場で演技を見つめるスタッフもが涙する。観客を泣かすのは、演技だけでなく、カメラ、照明、編集、そして音楽があって初めて泣ける。それらなしで現場で泣かされるというのはもの凄いこと。スタッフはいつも冷静沈着。現場で泣くことはまずない。

ただ、彼ら彼女らの演技を見て勉強しようとしても、真似できない。同じように台詞を言い、同じ動きをしても天と地の差が出る。何が違うか? 分からない。それが才能?と思いがちだが、才能なんて存在しない。昔からそう思っている。

「資質」と「努力」。あとは「センス」。

それが俳優の力の内訳。その意味で僕の映画には、そんな超実力派の俳優たちがかなり出ているので、見てもらえば勉強にはなる。が、本当に意味で勉強になるのは名優の芝居を見ることより、別の形がいい。

「自分が好きな俳優の作品を全部見ること」

例えば大竹しのぶさんが好きなら、彼女の出演映画を全部見る。樹木希林が凄い!と思ったら、彼女の出演映画を全部見る。できたら舞台も観にいく。よく

「***さんの出演作見たけど、素敵だった。あんな俳優になりた〜い!」

という人がいるが、2〜3本見ただけ。「全作見ています!」という俳優の卵に会ったことがない。それはその俳優に憧れているだけ。その段階でアウトだ。

「好き!」「あんな風になりたい!」

という思いの背景にあるもの。それは自分と似た何か共通点を発見した時。身近に感じる。感情移入する。それが「好き」の理由。だとしたら、その俳優が演じた役を徹底して見れば、そこに自分にもできる表現が見つかるはず。それこそが技術になる。

ただ、俳優としてスタートすれば、その好きな俳優がライバルになる。だから、次に考えるべきことは

「その俳優には演じられない役」「でも、自分には演じられる役」

を、映画を見ながら考えること。それを見つけた時に、それを実践する。舞台でやってみる。その表現を自分のものにすれば、自分しか出来ない役が演じられる俳優になれる。

天才的な俳優の演技は見た方がいい。でも、真似ることはできない。近づくこともできない。それより「好き」な俳優であれば、共通点がある。そこからは学ぶことあるはず。これはワークショップでしか話さない、とっておきの話なのだが、今回特別に披露した。ただ、この方法。一つだけ注意点がある。それに気づかないと意味を成さない。長くなるのでそれは別の機会に書かせてもらう。



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