アベンジャーズ商法?=え、すでに日本でもやっているよ。あの作品で! [アベンジャーズ]
アベンジャーズ商法?=え、すでに日本でもやっているよ。あの作品で!
マーベルという会社。アメコミ(漫画)の出版社なのだが、そこがウォルトディズニーに買収され、自社の原作漫画を映画化を続けている。日本的に言えば、東宝映画が集英社を買収して「少年ジャンプ」の漫画を映画化しているような感じ。その主力映画が「アベンジャーズ」シリーズ。現在その完結編「エンドゲーム」が大ヒット公開中だ。
その「 A」シリーズ。これまでと違うのはそれぞれにシリーズを持つ主人公アイアンマンとか、キャプテン・アメリカ、ハルク、アントマン、スパイダーマンというキャラが一斉に集まるオールスター映画ということ。
例えば、昔からのヒーロー。インディ・ジョーンズ、007、マッドマックス、ランボーが共演する映画なんてない。それぞれに著作権があるので共演は難しい。ところがマーベルは全て自社のヒーローであるので権利的に可能。まあ、そんなことより、それを思いついたことが偉い。
実は日本でも1970年代の同じことをした作品がある。それが「帰ってきたウルトラマン」。「ウルトラセブン参上」(ベムスター)のエピソードではセブンが、「ウルトラの星が光る時」(ブラックキング)ではセブンとマンが登場。新ウルトラマンを助けている。が、この時はゲスト出演のようなものだったが、それらが大人気で「ウルトラマンA 」ではウルトラ五兄弟として、たびたび登場するようになった。
別の番組の主人公だったセブン、マンが登場するだけで当時子供だった僕らは大興奮。それと同じ発想が「アベンジャーズ」である。が、「ウルトラシリーズ」というより、日本風に言えば、同じ石ノ森章太郎原作の仮面ライダーと、イナズマンと、キカイダーと、ロボット刑事と、ゴレンジャーが共演するような作品という方が近いかも。
しかし「アベンジャーズ」と全く同じ発想の物語は日本にはすでに存在する。松本零士の漫画だ。例えば「銀河鉄道999」の主人公は鉄郎だが、別の漫画の主人公キャプテン・ハーロックやクイーン・エメラルダスが登場する。さらに、メーテルの母親プロメシュームが若い頃の物語が「1000年女王」。
また、のちに明かされたのはメーテルとエメラルダスが姉妹ということ。流石に鉄郎の先祖が「男おいどん」というのはなかったと思うが、松本零士の世界はほとんどが繋がっている。その効果は「アベンジャーズ」と同じ。ヒーロー共演という盛り上がり。さらに「999」を見れば、「ハーロック」シリーズも見ようと思う。
「A」シリーズを見れば「アイアンマン」や「キャプテンアメリカ」を見る。その逆も然り。どれか1本を見れば他の作品を見たくなる。非常に商売上手。これまでは007がヒットすればシリーズ化「インディ・ジョーンズ」もそうだが、それではやがて飽きられ廃れて行く。
映画会社はそれでもヒットシリーズを続けようと、「若き時代」を描くことを思いつき、「ヤング・インディアナ・ジョーンズ」(テレビシリーズ)や「スター・トレック」でも若き日のカーク船長やスポックの活躍を描くシリーズを製作した。が、それも長くは続かない。
で、「A」方式だ。先日の「キャプテン・マーベル」(社名を背負ったヒーロー。いやヒロイン!)もエンドロールが終わってから、キャプテン・アメリカが登場。出会いが描かれていた。物語自体もフューリー(サムエルLジャクソン)との出会いだ。当然「エンドゲーム」が見たくなる。
同じ主人公の映画を連発した場合。同じ俳優を酷使することになり、1年に何本も製作できない。が、A方式なら可能だ。そして衣装やキャラが派手なので、万が一俳優が降板しても、病気や死亡の場合でも代わりが効きやすいというのもあるだろう。インディ・ジョーンズやルーク・スカイウォーカーをハリソンフォードやマークハミル以外の俳優が演じれば興味半減。でも、マーベルならありかもしれない(DCのバットマンはすでに交代している)
色々と製作会社に有利な、そして宣伝しやすい、そして盛り上げが可能なのが「A」方式である。日本でもタツノコプロが似たような企画をしていたが、どうなったのか? そしてDCコミックも同じ路線を進めている。が、それらの30年以上に松本零士は同じ世界観で漫画を描いていたのだ。凄いでしょう?
コメント 0