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地域社会に必要なのは文化、芸術に対する理解。それを武器にすること。=せっかくの故郷映画を活用できない街? [地方映画の力!]

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地域社会に必要なのは文化、芸術に対する理解。それを武器にすること。=せっかくの故郷映画を活用できない街?

先日、「明日にかける橋」実行委員の方から連絡があり、今後の展開についての報告と相談があった。これはとても嬉しいこと。というのは、地方映画。完成してから活用できてないことが多い。映画館上映が終わったら、何もせず日常に戻ってしまう。そこからが本番であり、地元の活用をすべきなのに? 何もしなくなる。その上、勘違いする人たちもいる。

「金出したのはワシらだ。あと映画をどうしようとワシの勝手だ!」

と製作会社、配給会社、監督らに相談も、連絡もなく、映画を勝手に利用してしまうことがある。確かに金は出しているが、出来上がった作品というのは著作物なので、金を出したからと好き勝手することはできない。

例えば、映画の1場面を切り出してCMに使ったりはダメ。俳優の肖像権があり、映画ーということで契約、出演してもらっている。それをCMに使うなら別途、契約とギャランティが必要。その他の権利者の承諾も必要。再編集して上映もダメ。

著作物は勝手に改変してはいけない。これは法律で決められている。また、物語のキャラクターをイラストにして、グッズを作るのも同じ。元となった俳優。脚本家の許諾が必要。前にも書いたが、

「映画を見て感動したから、歌を作りました!」

と映画のタイトルを使って「イメージソング」と言って人前で歌うのも違法行為だ。便乗商法と言われても仕方ない。同じく絵本を作る。ノベライズを出す。全て同じ。

でも、一般の方はその辺を知らない人が多く、金を出したのだから「ワシらのものだ!」と思ってしまう。よく考えると、違うことはすぐに分かる。地方映画の場合は、寄付や自治体の予算で作られることが多い。営利目的ではないし、故郷のための活動。だからこそ、多くの映画スタッフや俳優は大企業の映画よりずっと安いギャランティで参加する。

それは値段を下げたというより、市民と同じく映画に対して寄付をしたのと同じ。通常100万のギャラを取るスタッフが、60万で参加した。これは40万円寄付したのと同じだ。それでその人がいつもの6割に力しか出さないか?というと、全力で仕事をする。キャストも同じ。それによって、最低でも1億円かかる映画製作をその半額以下で地方映画は作る。それを考えず。

「ワシらが金出した! 映画を撮らせてやった!」「お前らに金をやった!」

といって来る勘違いない人も時々いる。極々一部とは言え、後になりそんなことをいう市民の声をスタッフ&キャストには聞かせたくない。問題はあるが、その人たちも悪人ではなく、あまりにも映画製作というものを分かっていないこと。不勉強なのが原因。

なぜ、映画を作るというのに、勉強しないのか? 聞きかじった情報やデマを振り回して、反論したり、権利を主張する。そんなタイプが後で「監督。ギャラ取るんですか? 失望しました」と言ってくる。地方映画というのは市民の熱い思い。それを応援するスタッフ、キャスト。その3者の力で作り上げた血と汗の結晶が映画なのだ。

共同作品。もちろん、主なる権利は地元にあるが、細かく言えば、それぞれに権利があるので、市民だけの判断で映画を無断で活用することができない。それこそ、度を超えた乱用をする場合は、権利者たちは使用禁止を申し立てることもできる。が、もともと、それぞれの熱い思いで作った作品であることを考えれば、そんなトラブルにはならないはず。

逆もある。市民、スタッフ、キャストの強い思いで映画を完成しながら、劇場公開が終わると地元が何もせず、日常に戻り、映画を活用しないことが多い。撮影には喜んで参加するが、宣伝はしない。映画館には観客気分で行く。上映が終われば、何もしない。なぜ、地元のために作った映画なのに、それを活用しないのか? でも、似たような話は多い。

「我が村に美術館を作ろう!」「コンサートホールを作ろう!」

街の活性化、子供達への芸術、文化教育のため。署名を集め、寄付を集めがんばる。完成披露は盛大。でも、あとは何もせず、客はほとんど来ない。宣伝もしない。場内はガラガラ。莫大な維持費用だけが市民にのしかかる。そんな街は全国にある。同じように、せっかく作った映画を活用できない自治体や団体も多い。

「文化を理解できていない地域社会」

というものが背景にあるのだろう。お祭りは好きだが、活用、運用の仕方が分からない。そのための勉強もせず、知識もない。そのくせ、やってはいけないことをやって、関係者の顰蹙を買う。それはらギャラを超えて参加したスタッフ、キャストへの裏切りであり。何より、寄付、協力してくれた多くの市民を裏切ることではないか?

そんな中、今回の「明日にかける橋」メンバーは今も会合を続け、映画の活用を考え、行動している。いろんな相談も受ける。本当に凄い。「どうすれば映画を使って街をPRできるか?」「街を伝えることができるか?」「子供たちに故郷の素晴らしさを伝えられるか?」その奮闘を続けている。参加した映画人たちもそれを聞き喜んでいる。いろんな展開、楽しみだ。


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