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明日にかける橋ーお答えします!コーナー タイムスリップした世界で現在のお金は使えるのか? [映画業界物語]

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明日にかける橋ーお答えします!コーナー タイムスリップした世界で現在のお金は使えるのか?

いよいよ来年1月にロケ地である磐田のららぽーとで、1日限りのアンコール上映が行われる。(現在は2018年12月)「明日」のこと、それまで何度か書いておきたい。感想をいろいろ聞くが、「え? そんなことを疑問に思っていたの?」ということが時々ある。そんな疑問に答えてみたい。

映画というのは全てが描かれる訳ではない。例えば、主人公が朝起きて、次のシーンで食事だとしても、歯を磨かず、顔を洗わない訳ではない。想像できるシーンや物語と関係のない場面は描かないのが映画だ。それと説明があると分かりやすいけど、そのために時間を割くほどのことがないことも描かない。例えばこんな指摘があった。ある映画レビューに書き込まれた感想。

「過去にタイムスリップしたのに、なぜ、達也は本屋でアイドルの写真集を買うことができたのか? 過去のお金を持っていないのだから買えるはずがない!シナリオがいい加減だ」

この疑問に答える。映画内でお金を払うであろう場面が何回かある。喫茶店でモーニングサービスを頼むとき。古本屋。劇中では描かれていないが、食事もしているはずだ。説明しよう。まず、映画内での過去は1989年。タイトル「1989年の想い出」の通り。昭和64年。平成元年だ。当時はすでに500円玉が出ており、1万円冊も聖徳太子から福沢諭吉になっている。変更されたのは1980年代前半。この時代は今と紙幣も通貨もほぼ同じ。

ただ、1万円札だけは微妙に今と違う。身代金として小道具で使うので演出部と新旧を比べてみた。2枚並べて比較しないと違いが分からないほど。それぞれを単独で見ればどちらが古いのか?分からない。つまり、達也がもし1万円札で支払いをしても、店員さんはまず気づかない。

もう一つの問題は年号。藤田朋子さん扮する里美先生が五百円玉を見て「平成20年!?」と驚くシーンがあるが、買い物の時に、いちいち紙幣や貨幣の年号を見る人はいない。だから、僕らがもし、突然に平成元年にタイムスリップしても、所持金を使うことができる。物語は成り立つのだ。疑問を持った人はその事実を知らず、

「平成元年と今ではお金が違うはずだ!写真集は買えない。いい加減なシナリオだ!」

と思ってしまったのだ。調べれば分かるし、自分の勘違いであることに気づく。それをしないでネットの映画サイトに「いい加減なシナリオだ」と書き込んだのだろう。

往々にして「突っ込みどころ満載!」とか映画を批判する人の指摘は「思い違い」や「知識不足」のことが多い。なのに、ネットで批判し、鬼の首を取ったようなコメントを書く。映画というのは撮影前、描く事実を演出部や美術部が徹底して調べる。シナリオが間違っていても、スタッフが指摘。修正する。それが映画スタッフ。

でも、思い込みが強い人も多い。「平成元年は聖徳太子の1万円札」と勘違いしている人もいるだろう。なので、今回、そのことを取り上げた。「買い物はできる!」が正解。映画を突っ込む前に、まず、自分自身を顧みよう。自分の見る目を疑ってみよう。



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