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フェイクニュースの時代に大切な事は何か? 騙されないために大切なこととは? [my opinion]

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フェイクニュースの時代に大切な事は何か? 騙されないために大切なこととは?

昔は時間があればテレビつけて….という生活。朝起きたらテレビ。だったが、最近は時間があればFacebook、Twitterー何より映画の宣伝。そして情報収集。テレビでは報じられない情報がたくさんネットには流れているからだ。

それが先日、ちょっと時間があり、ゴールデンタイムにテレビをつけてみた。というのも、僕の映画に出てくれた若い女優さんが出演しているバラエティ番組が放送されたからだ。MCは80年代から活躍するお笑いタレントSさん。もう30年以上、第1線で活躍しているのだから凄い。そして今でも笑わせてくれる。が、何か物足りないもの感じる。

「笑い」のネタが全部、日常のちょっとしたことでの笑いなのだ。その後、他の番組もいくつか見てみた。が、乱暴にいうと、どうでもいいことをパネラーたち、お笑い芸人が語る、論じる。あるいはクイズ形式で盛り上がる番組ばかり。それをずっと見ている視聴者はどうなって行くのだろうか? 

てなことを偉そうにいう僕も、昔はそんな視聴者だった。80年代は「欽ちゃん」の番組は全て見ていたし、ドラマも毎週見るものが5本くらいあった。ニュース番組は見ず(「ニュースステーション」もスタートしていない頃)洋画劇場で興味ある映画が放送されれば観る。ワイドショーの「ロス疑惑」は張り切って見ていた。

「テレビは事実を伝える。ま、ワイドショーとか信頼性に欠けるところはあるが、嘘は報道しない。特にNHKは硬いが信頼性はある」

と思い込んでいた。テレビを通じて世界のことを知ることができる。ブラウン管を通して、僕らはいろんな情報を吸収していると感じていた。

それがアメリカに留学。ロサンゼルスで生活してみると驚くことがたくさんあった。日本ではあれほどアメリカのニュースが流れ、CNNも見ていたし、僕の場合はアメリカ映画もたくさん見ていた。「ベストヒットUSA」も毎週見ていた。なのに生活レベルのアメリカを知らないことを痛感する。

例えば銀行。日本の銀行は一部を除き今も午後3時閉店。それが当たり前だと思っていた。本当に不便だったが、それが銀行だと思い込んでいた。が、

「アメリカの銀行は全て午後5時までやっている。現金引き下ろし機は24時間。365日使える。手数料はいらない」

へーーまじ? なんでーという感じだった。つまり、3時閉店。現金引き出し機も土日は手数料100円というのは日本固有のあり方だったのだ。それまで世界の銀行はどうだろう?と考えることすらなかった。

アメリカという国のことも分かったつもりになっていた。ビルボードで誰が今、1位とか、全米映画の興行収入は何という映画か?は熟知していたが、銀行のこと。まるで知らなかった。

が、その銀行の通帳。アメリカは金額を手書き。80年代後半のこと。対して日本は全部コンピューター管理で全て機械が打ち込む。アメリカが進んでいるとこ。日本が遅れているとこ。知らないことがたくさんあった。日本で言われていたアメリカ人の習慣。全然違うこともあった。

アメリカのこと以上に、他の国からの留学生。中国、台湾、韓国。そしてサウジアラビア、イラン、イラク、クエートと、クラスメートとなった彼ら彼女らと交流を持ち、いかにアメリカ以外の国のことを知らないか?を思い知った。

つまり、日本で生活していると、テレビを通じてアメリカのことをたくさん知った気になるが、それは音楽や映画、そしてどっちでもいい情報がほとんど。そして、日本では同じアジアの国のことを知る機会も少なく、それをテレビは伝えなかった。

まして中東の国についてはもっと伝えない。もちろん、僕自身もアメリカ以外の国に興味がなかったこと。アメリカについてもショービジネス関係に強い興味を持っていたこともある。

テレビはその程度のことしか伝えていなかったのに、僕らは世界を知っているような気になっていた。「世界まるごとHOW MUCH」を見て世界の風景を見ていたが、それはどうでもいいものばかりで、その国の本質や特質を伝えるものではなかったのだ。

例えば銀行が5時まで営業していることを知れば、今まで3時閉店が当たり前ーそれが常識と思っていたーその常識が壊れる。そして

「なぜ、日本は3時で閉めるのか? 考えたら、郵便局だって、役所だって5時まで営業している」

という疑問が出てくる。つまり、日本の銀行は昔からの習慣に乗っかり、努力せず、この多様化の時代でも、3時に閉店しているということが見えて来る。今では自動現金降ろし機があるので、大きな不便はなくなったが、80年当時は機械も7時頃には止まり、一切現金が下ろせなくなった。

当時は本当に不便な思いをしたが、アメリカでは365日、24時間。いつでも引き出せる。通帳に手書きで金額を書く国でそれができるのに、最先端の機械を使う日本の企業でなぜそれができないのか? そこには企業努力の不足があるはずーそんなことを考える。

つまり、情報だ。情報があれば、そんな疑問を持つことができる。なければ理不尽な現実も「当たり前」と思い、不満や憤りを持たず。疑問にさえ思わず日常を送ってしまう。そして日本は情報が溢れていると思い込んでいたが、流れる情報のほとんどは意味のない、どちらでもいいものであること。アメリカに行き気づいた。

さらに、衝撃を受けることが帰国後に起こる。311。東日本大震災によって起こった福島第1原発の事故だ。オンタイムでテレビ報道を見ていた。放射能の怖さは映画を通じて感じていた。が、水素爆発が起きてもテレビのコメンテーターはこういう。

「これは大丈夫ですよ〜放射能含まれていません」

やはり、日本の原発はチェルノブイリと違い優秀なのだな。と思ったりしていた。が、ちまたで原発反対デモが起こる。それでもまだ僕はことの重大さに気づかないでいた。

アメリカ映画で「チャイナシンドローム」というのがある。原発事故を隠蔽しようとする企業とジャーナリストの攻防を描いた映画だ。高校時代に見て

「日本の原発はどうなんだろう? スリーマイルズ島やチェリノブイリのようなことは起こらないのだろうか?」

そう思えが、映画監督を目指し、上京。自主映画に必死の時代。それから留学。帰国してアルバイトしながら、シナリオ書き。ようやく、監督デビューして、過労で倒れて、311。そこでようやく20年ほど経って以前の疑問を思い出した。リハビリを兼ねて、原発事故の勉強をしよう。ここから全てが始まった。

図書館に行き。事故当時の新聞を読む。まだ事故から数ヶ月、大手新聞を片っ端から確認。さらに週刊誌。月刊誌。そして分かったこと。こんなことになってるとは思わなかった。まるでパニック映画の世界。福島だけでなく、東京にも放射能が降り注いでいた。やはり、あのときの爆発で放射能が噴出したのだ。

そして、福島の現実。テレビでは一度も放送されなかった地元の人たちが大挙して避難する姿。そこから原発関係の本を読み漁った。最初が京大の小出裕章さんの本。そしてジャーナリストの上杉隆さんの本。そしてネットでも検索。さらにとんでもない事態になっていることが分かってきた。テレビでは伝えていないことが山ほど見えてきたのである。さらに、事故を起こした東京電力という会社。

「電気を大切にね!」

でお馴染み。あの女の子キャラクター。内田春菊の絵。衝撃的な事実に気づく。上杉隆さんの本を読み分かった。電力会社は競合する会社がない。電力会社は各地域に1つだ。なのになぜ、CMを打つのか? という指摘。あーーーそうだーー「電気を大切ね」のCM。何千回と見ているはずなのに気づかなかった。

競合がいない。CMの必要はない。ということは上杉さんの指摘通りだ。電力会社は500億円の宣伝広告費を使う。2位のトヨタの倍。テレビ局にとっても、新聞社にとっても超大手スポンサーだ。つまり、お得意様にとって悪い情報をテレビや新聞は報じない。。。。。その通り、事故直後はバンバンと報じていたメディアも時間が経つと、消極的になって行く。まるで事故は収束しましたといわんがばかり。僕のまわりでも

「もう、魚は怖くて食えない!」

と言っていた友人たちも、1年も経つと

「もう大丈夫だよね?」

と居酒屋で刺身盛り合わせを注文。2回の経験で分かってきた。1回目はアメリカ留学。そして2回目は原発事故。日本のテレビが流している情報というのは、どーでもいいことと、スポンサーに都合のいい情報だけなのだ。そんなテレビを見て、僕を含め多くの人たちは、それら情報を信じ、疑わない。

そして怖いのは、肝心な情報が報じられていない。あるいは軽く、分かりづらく伝えるだけなのだ。そのために多くの人は特定秘密保護法も、安保法案も、集団的自衛権も、可決されたことも知らない。それらがどんな法案なのかも知らない。日本が戦争ができる国になっているんだよというと

「心配し過ぎだよ。日本は9条があるから、大丈夫!」

なんて答えが返ってくる。その9条をも変えようとしているのに。久々に見たバラエティ番組。そこでも笑いのネタに一切、政治や社会問題は出て来ない。あの衝撃だったウーマン・ラッシュアワーも、テレビ出演を見ない。結局、これがテレビの実態。先日見た「ゼイリブ」の世界になってしまった。

しかし、面白いのは、そんなテレビを最近の若い人たちが見ないということ。その手の調査によると、今テレビを見る層は50代以上だそうだ。僕を含めて上の世代。テレビ信仰が強い人たちだ。聞くと、僕と同世代の友人。彼らの子供たちはテレビを全く見ないという。ネットのみ。ネットから情報を得ているという。

もしかしたら、これが希望になるかもしれない。テレビは洗脳装置だ。全てが分かった気になり、肝心なことを知らなくても、それに気づかない。その点、ネットは正しい情報も間違った情報も溢れている。もしかしたら、その中で、リテラシーが育つかもしれない。もちろん、極端な情報しか発信しない人たちの輪にいると、その世界に染まってしまうが.....。

いずれにしても大切なのは正確な情報を見分ける力だ。それを見極めること。そこが今、日本人に求められていることだと考える。


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