メイキング編集中(20)ー腐った魚で刺身を作る料理人の葛藤か? [7月ー2018]
作品を規定の25分にしたものを見た。学生君の撮ったブレブレ映像。どうにか使える部分を3秒とか5秒とか、安定した映像の間に入れてみた。なんとか行けると思っていたが、やはりダメ。そこだけ船酔いする。目がクラクラする。これを全国の視聴者に見せるわけにはいかない。
どんな状態か?想像しづらいと思うが、ビデオカメラで子供の運動会とか舞台発表を撮ったものを見たことあるだろうか? お母さんがハンディカムで撮影したもの。あんな感じだと思ってもらえればいい。ただ、こちらの撮影はカメラに慣れていないお母さんではなく、映画科で学ぶ大学生。それも高価な一眼レフカメラを持っている。動画も撮れる高級機だ。それだけに悲しい。
さて、どうすればいいか? どうにか使えるカットもあるが、これではダメ....というカットもいくつかある。そこだけスチールにするか? ただ、番組を見ていて「あれ?なんで急に静止画になるの?」と思われてはいけない。そこに意味を持たせ、「演出」にせねばならない。
いつだったか、「エヴァンゲリオン」だったと思うが、作画が間に合わなくて、放送日が迫り、でも完成しないーーーというときに、下絵(線画)をそのままー着色せずにー使った回があった。が、間に合わなかったというより、あえて衝撃を表現するために下絵を使ったという演出に見えた。あれは見事。そのように、いくら問題があっても、製作費がなくても、時間がなくても、観客や視聴者には関係ないので、作り手は知恵を絞り、作るのが仕事。意味ないところで静止画にするのはアウト。そこに意味や演出がないといけない。
新たに撮影したものープロの映像ーで半分以上の構成をしたので、余計に手ぶれの酷い映像が目立ってしまうのだ。どうすればいいか? どんな料理人でも腐った魚で刺身は作れない。が、刺身以外で何とか食べられる。できれば、そこそこ美味しい料理が作れないか? それを考えるのも演出家の仕事なのだ。
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