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昔「夢を諦める若者」今「夢が見つからない若い人?」 [my opinion]

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記事等で「夢を諦めてはいけない」と書くと、「現実は甘くない」と批判する奴が必ず出てくる。だが、夢を追いかけることは、人生にプラスになるということ。成功するかどうか?だけではない。それが近年、興味深い意見を聞く。「夢を諦めてはいけない」というと、こんな批判が来ることがある。若い人からである。

「その夢が見つからないんだよ! ムカつくなあ!」

その言葉の意味。分かるだろうか? 僕の時代には「夢なんてしょせん夢。現実を見ろ」と大人たちは言っていた。だから、将来の夢があっても、それを諦めるのが大人の考え方だと自分自身に言い聞かせたものだ。

だのに、今時の若い人たちは「夢が見つからない」という。これは僕らの世代とは違う。つまり、夢を見つけ、それに向かって真剣になってみたいという願望がある。だから「諦めるな」と言われると「その夢が見つからない」と腹立たしく思うようだ。

俳優になりたい!歌手になりたい!作家になりたい!レーサーになりたい! ボクサーになりたい! そんな夢がない。でも、何かに夢中になり、必死にがんばるという青春を送ってみたいという気持ちがある。では、なぜ、そんな夢が見つからないのか?考えてみた。

たぶん、彼らは真面目に教育を受け、おとなしいいい子として育つ。成績優秀でなくても、そこそこ勉強をし、暴走族になったり、ドラッグをやったりせず。いい子でいた。余暇ではテレビを見たり、漫画読んだりするが、クラブ活動に熱を入れたりしない。学業の邪魔になることはしない。

厳しい受験戦争を乗り越えて大学に入り、バイトをする。コンパをする。スキーに行く。海に行く。彼女を探す。時間はある。そこそこのお金もある。でも、特にやりたいことはない。そんなとき僕の記事を読んだ。「夢を諦めてはいけない」....何言ってんだ!その夢が見つからないんだよ!とムカつく。

そんな彼らの人生を見つめれば夢が見つからないのも分かる。勉強をする。邪魔になることはなるべくしない。クラブ活動もしない。しかし、勉強の邪魔になることこそが「夢」につながるのだ。邪魔になるというのは、そちらに熱を上げ時間を費やし、勉強に身が入らなくなるということ。

邪魔になることは排除してきた。小学生からずっと。それが大学生になり、時間ができた。そこから何かやれ!夢を追えと言われても、どうしていいか?分からない。でも、若い心の中に「何か夢中になれるものはないか?」「真剣に時間を忘れて没頭できることがしたい!」という思いがある。なのに。それが見つからない。

なのに、聞いたこともない映画監督が「夢を諦めるな!」という記事をネットに書いてる。「うるせーなー。その夢が見つからないんだよ!!!」ということなのだ。何度もそんなコメントを書き込まれたことがある。ただ、その種の声を僕が若いころにはほとんど聞かなかった。先にも書いた通り「夢なんてしょせん夢」「諦めるのが大人の考え方」というのが当時の若者の考え方。

映画が好きでも、ロックが好きでも、そこそこにして、ましてプロを目指そう、将来そんな仕事に就きたいと思っても自制して、勉強に身を入れる。同級生の多くがそんな感じだった。大学生になっても、バイトと、コンパ。スキーに旅行。ただ、同級生たちと話すと「本当はギターリストになりたかった」「小説家を目指していた」という。でも、夢を諦めた。それが今の若い人は諦める以前に夢が見つからないという。

確かに勉強の邪魔になると思い、避けていては夢は見つからない。夢以前に自分がしたいことは何なのか?も分からない。なら、僕らの時代はなぜ、それを見つけることができたのか? むしろ、そちらが疑問に思えてくる。大学時代にバンドしていた奴がいる。小説を書いていた奴もいる。彼らを思い出してみると、高校時代からそれが好きで、いつか自分もステージで! 本屋の店頭に著書を並べたい!そんな夢をみるようになった。

今の子たちはどうか? たぶん、自分で何かを始める前に自分で自分を止めるのではないか? 「ギターを弾きたい。でも、勉強の邪魔になる。やめておこう」「ミステリーが好きだ。自分でも書いてみたい。でも、やめておこう」僕らの時代に比べて自己制御機能が強くなっているのではないか? だから、何かをしたい!という気持ちを抑えてずっと生活する。大学に入り、時間ができた。でも、何をしていいか分からない。無名監督の記事が目に入る「夢を諦めるな」うるせーー!

僕らの時代以上に教育と学校。さらには社会が個人を押さえつけ、誰かが注意しなくても、ルールを作らなくても、個人の欲求を抑え、夢を追いかけたりしないで、まじめに勉強をする環境が出来上がっているのだ。おとなしく勉強さえすれば、安定した人生が送れるという思いに縛られてしまうのだろう。誰もそんなことを保証しているわけではなく、会社の終身雇用制は崩れ、正社員にさえなれない時代なのに、若い人たちは過去の価値観に縛られたまま、20代を迎える。

そこまで来て初めて「こんな人生でいいのか?」「どうせ厳しい社会なんだから、本当に好きなことをやりたい」そこで気づく。「俺には追いかける夢がない.....」僕らの時代は「夢はしょせん夢」と諦めた。今の若者は「その夢が見つからない」どちらが幸せなのか? どちらに可能性があるのか? いずれにしても、管理社会は想像以上に個人を束縛し、考え方をもコントロールしていることを痛感する。


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