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試写で『明日にかける橋 1989年の想い出』を見ました。 by 映画監督Hさん [明日にかける橋=感想]

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本作はタイムスリップものと聞いていたので、てっきり現在から話が始まるものと勝手に思っていたのですが、1989年から話が始まり、一旦、2010年まで話が進む構成が見事でした。過去に何があったかをじっくり描いていることで、2010年から過去にタイムスリップした時に、何をやり直したいのかがストレートに伝わってきます。

この1989年の描写も良く出来ています。静岡県袋井市というところが舞台なので、確かにバブル時代ではあるものの、東京みたいな狂乱ともまた違う。1989年を描くための美術も丁寧でした。自分も自作が主に1980年代だったので、自主制作のレベルではなかなか大変だったのですが、『明日にかける橋』では、テレビのニュース、CM、看板、雑誌まできめ細かいのです。同時代を過ごした者としては、小ネタにも反応してしまいます。

そして、タイトルにもなり、メインビジュアルにもなっている橋が素晴らしい。この橋がタイムスリップの装置にもなっています。

確かにこの映画はタイムスリップものではあるのですが、僕はこの映画を見ながら、心のタイムスリップだ、と思っていました。確かに、事故死した弟を救いたい、父母を救いたいという、歴史を変えたいというSF的なハラハラ感はありつつも、それよりは家族をもう一度やり直したいという思いの方が丁寧に描かれています。だからこそ、あのラストシーンが胸を打つのだと思います。

鈴木杏さん、板尾創路さん、田中美里さんの凛とした佇まいは、とても絵になりますね。

本作は静岡県の主婦三人の、映画を作りたいという思いから始まったそうだ。そういう意味では「地域発」映画だ。僕が太田隆文監督を知ったのは、監督がブログで「地域発」映画の良し悪しを具体的に書かれていて、とても参考になることがあったからでした。

『明日にかける橋 1989年の想い出』は、6月30日から、有楽町スバル座で公開。以後、順次全国公開予定。予告篇=>https://youtu.be/i25nExjEbws


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