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今回の撮影で実行委員の皆さんに特に感謝していること [「明日」撮影]

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撮影中に、いや、撮影に関わらず、「俳優の写真を無断で撮ったり、サインを求めたりしない」ーということを実行委員会の皆さんが事前に決めて実行してくれたことだ。本当に凄いこと。と書いても???という人も多いだろう。説明しよう。

一般の人が撮影現場に行き、まず思うこと「あーー俳優の***だ〜。凄いーー」次にするのはスマホを取り出し、撮影すること。身近にいれば「一緒に写真撮ってもらっていいですか?」と頼む。さらにサイン。その間に他の人が寄って来て「じゃあ、私も!」こうして人垣が出来、撮影に支障を来す。

スタッフが割って入り「すみません。撮影があるので」と言っても「さっきの人はサインしてもらったのに、何で私はダメなの?」と食い下がる人もいる。写真が撮れないとネットでその俳優の悪口を書く人もいる。これは撮影現場で本当によく起こることなのだ。

誰だって芸能人がいれば、目を惹くし、写真を撮ったり、サインをお願いしたくなる。中にはビデオカメラをまわす人さえいる。が、そのことで撮影に支障を来してしまう。たまたま通りかかった人だけでなく、撮影ではエキストラの人がサインを求めてくることが多い。しかし、1人に応じると「私も!」「私も!」となり、撮影ができなくなる。日が沈むまでに撮影できず、そのシーンを撮り切らないと数百万の赤字になることもあるのが映画撮影。

だから、撮影現場でのサイン。撮影は基本禁止なのだ。が、そのことをスタッフは分かっていても、地元の関係者はご存知ないことが多い。「サインくらいいいでしょう〜」「写真くらい当然じゃない。お手伝いしているんだから」と考えがち。だが、先に説明した通りに、膨大な赤字が出ることもある。

さらに俳優側からすると、なぜ、仕事中にサインや写真に応じなければならないか?という疑問を持つ。ファンの集い等のイベントでサインをしたり写真を撮るが、それはお仕事。その仕事を撮影現場でなぜしなければならないのか?と憤りを感じる。しかし、人気商売。サインを断ったことで、ネットで連日、悪口を書く人もいる。だから、俳優はサインも写真も断りにくい。

だからマネージャーやスタッフがそれを止める。だが、地方映画の場合ー地元関係者はそれに気付かず、サインを求められていても「**さん。人気あるんだね〜」と見ているだけのことがある。俳優は「誰か止めて、このあとの演技に集中したい・・」と困っていても気付かれない。演技のときにどれだけ精神的に大変な思いをするか?が分からないからだ。

或は、出番前に話かけられる。「**さんの映画。見ましたよ!感動しました」悪気はない。むしろ応援してくれている。でも、出番前にそんなことを言われても集中力を遮られるだけ。けれど、地元の人にとっては芸能人と話すチャンスなんてなかなかない。つい声をかけてしまう。

そんなふうに地元の人が気付かない内に撮影を遅らせ、俳優たちを困らせることがある。そして一番むずかしいのは、それを注意すると「サインぐらいいいでしょう!」と逆ギレする人がいて、あとあと批判を続けることがある。この状況を理解するのはとてもむずかしい。言葉でいくら説明しても、関係者が「写真撮りたい人の気持ちも分かる」てなことを言い出すことが多い。

毎回、悩む問題。だが、今回の実行委員はそれを事前に取り決めてくれた。「写真とサインは絶対にダメ」「現場でビデオカメラもまわさない」「必要なこと以外話かけない」「質問されたら、そのことだけを答える」等の規則を決め、撮影に参加してくれたのだ。これは本当に大変なこと。なかなかできない。なのにそれを今回の撮影では見事に実践してくれた。

俳優たち。最初はサインや写真のこと気にしてバリアーを貼っていた。そして自分たちから親しく話しかけると、あれこれプライベートなことを聞かれたりする。これもよくあることで、芸能ニュースをよく見ている人はレポーターと同じように芸能人にはズバズバ聞いていいと思ってしまっている人がいる。友達同士だって聞かないことを平気で聞いてしまう。相手が生身の人間であることを忘れ、テレビと同じ感覚になる。

監督業の僕でさえ、そんなことがある。「なぜ、初対面のあんたにそんなことを答える必要があるの?」と思うことをよく言われる。僕は嫌われてもいいので、厳しい答えをするが、俳優はそうはいかない。だから、打ち上げや交流会でも、なるべく関係者と話をしないようにする。俳優同士で集まり、声をかけられにくい状態を作る。そうしないと悪意のない人が近づいて来て、プライバシーをあれこれ聞かれたり、写真やサイン攻めに遭うからだ。

しかし、俳優たちは今回の実行委員たちの配慮を次第に感じてくれて、打ち解けて来た。その思いを理解してくれたようで、皆、心開き、関係者と話をしたり、スッピンで会場に来たりするようになった。信頼が生まれたのである。撮影も安心して演技に集中することが出来、ごはん食べたり、休憩したりできる。カメラに注意せず、リラックスできる。

それは俳優を演技に集中させ、よりよい映画を作る環境作り。それを今回の実行委員会の皆さんは実践。見事に成し遂げてくれた。素晴らしい。感謝です。


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